“アイドラ” YUさん(36)「バンドを10年続けたという時間が、自信をくれました」
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7月30日(水)に「kiriがないですわ」を配信リリースした、I Don’t Like Mondays.(通称“アイドラ”)のボーカル・YUさん。リリースを記念し、YUさんが手がけた歌詞へのこだわりなどを語ってくれました。10周年を迎え、世界へ羽ばたいたアイドラ。この先で、どんな未来を描いているのでしょうか。
Profile
愛知県出身。2014年にメジャーデビューしたロックバンド・I Don’t Like Mondays.のボーカル。アニメ『ONE PIECE』主題歌を機に、活躍の場を世界へと広げている。
「力みすぎない夏ソング」を目指して生まれた新曲

——I Don’t Like Mondays.にとって、2025年の第2弾となるシングル『kiriがないですわ』が配信リリースされます。夏の暑さが吹き飛ぶような、爽やかなトラックですね。
夏にリリースすることが決まったとき、メンバーと「力み過ぎていない夏ソングを作ろう」と話したことから制作がスタートしました。夏フェスなどのライブシーンでお客さんと一緒に盛り上がるというよりは、車の中やのんびりとした雰囲気が合うような楽曲にしたいなと思い、何度も繰り返し聴きたくなるチルソングを目指しました。
——YUさんが歌詞を書かれていますが、スムーズに言葉は出てきましたか?
それがそうもいかなくて(笑)。“何度も繰り返して聴く”という点で、何かクセになるようなワードが必要だなと感じていたんです。もともと僕たちの楽曲の歌詞は、英語と日本語が混在しているので、キラーワードになる日本語を探していました。でも、なかなか納得いくワードが出てこず、レコーディングの日程が近づいてきて、「まいったな」と思っていたんです。そこで1度すべて白紙に戻して、シャワーを浴びながらぼんやり考えていたとき、ふとサビの頭のフレーズ思い浮かんで。そこからどんどん広げていきました。
——タイトルの『kiriがないですわ』で、『kiri』をローマ字にしたのはなぜでしょう?
そこまで深い意味があるわけじゃないんですよ。カタカナで「キリ」と表記したとき、なんだかインパクトが強いなと感じてしまって。楽曲の持つゆるい雰囲気のニュアンスを汲み取りたいという思いで、「kiri」とローマ字の小文字にしました。そのほうが、アイドラっぽくていいかな、って。あと、僕の大好きな「キリチーズ」にもかけました(笑)。そういうシャレが効いている雰囲気もマッチしそうだなと感じたんです。
——今回の楽曲制作にあたり、“繰り返し聴く”というところに焦点を持って行ったのはなぜでしょうか?
音楽ストリーミングサービスなどが発達してきたことにより、近年は今まで以上に音楽を気軽に楽しめるような世の中になってきたなと感じています。InstagramやTikTokなどで、動画に音楽を載せて投稿をする人も増えているので、そうしたシーンを考えたときに繰り返し聴ける楽曲にしたいなと思ったんです。そこを目指すにあたり、トレンドを意識した音数の多いものよりはオーガニックなサウンドで生音っぽさのあるトラックがいいな、と。どこか懐かしさを感じてもらえるような、時代に左右されないサウンドを目指しました。
——歌詞も物語性が強いので、聴いていると“ひと夏の恋”の情景が浮かんできます。
日本の夏にある特有のエモさ、みたいなものってありますよね。そうした夏の儚い匂いみたいなものを曲の中に閉じ込めたかったんです。そうした情景の中で、どんな恋愛が繰り広げられるのかをイメージしながら歌詞を書きました。バンド活動をしていくなかで、タームごとに歌詞の書き方やインスピレーションを受けるワードが変わってきているのですが、今は頭で考え過ぎないフェーズにいる気がしていて。ふと感じた思いつきみたいなものを大事にするようにしています。そのほうが歌詞もリズムカルになるし、サウンドに乗ったときにより心地よく聞こえることもあって。そうした、いい意味での“適当さ”みたいのは大事にしています。
海外ツアー即完売で実感した音楽の力と可能性

——2014年にメジャーデビューし、昨年10周年を迎えました。この10年は、YUさんにとってどのような時間でしたか?
果てしない10年間でしたね。あっという間に感じることもあるけど、「もう10年もやっているんだ」と思うこともあって。「いい曲を作らないと」と気張ってやっていた時期もあったけど、最近は周りと比較したりせずに自分基準で考えるようになりました。昨日の自分より今日の自分が向上してさえいれば、それでいいよなと思うんです。辞めてしまっては元も子もないし、継続は力なりという気持ちで考えるようになった気がする。
——そうした考えになったのは、いつ頃からですか?
つい最近、去年あたりの話です。ずっと「自分は自分だ」と思いたかったけど、なかなかできなくて。今でも迷うことはあるけど、バンドを10年続けてこられたというのは1つの自信につながっている気がします。というよりも、10年という時間を自信に変えて進んでいかなきゃいけないなって。その反対もしかりで、「10年やってきたのに?」と言われてしまうんじゃないかと思うと、ちょっとショックですけど(笑)。
——あまり「10年」を意識しないほうがいいのかもしれませんね?
そうですね。「10年」というのが自分にとってプラスになるときに使おうと思っています。例えば、ステージに出演する際に「大丈夫かな」と不安になってしまう自分がいたら、「10年やってきたんだから大丈夫でしょ!」って思うようにするとか。
——続けてきた時間はもちろんですが、昨年の海外ワンマンツアー「RUNWAY TOUR THE ENCORE in CHINA」では、中国公演が全公演即日ソールドアウトしました。そうした点も、自信につながりそうですね。
即完売と聞いた時、すごくうれしかったです! 音楽って、本当にすごいなとあらためて感じました。僕自身も音楽の力に影響されて、音楽を作り始めましたが、そうした小さな部屋で作った音楽がカルチャーも言語も違う人に届くなんて…。ライブを通して、1つになれるということに不思議なパワーを感じています。初の海外ワンマンツアーでしたが、意外と力むこともなく、メンタル的にはあまり変わらずフラットに臨めたような気がしています。こうして世界が広がっていくたびに、たくさんの可能性を感じるし、それと同時にもっと頑張らないといけないなと気が引き締まる気持ちにもなる。これからもさらに大きくなれるよう、努力を続けたいと思っています。
information
I Don’t Like Mondays.『kiriがないですわ』
I Don’t Like Mondays.の2025年第2弾シングルが7月30日に配信リリース。夏の恋模様を爽やかに歌った一曲。自身初となるZeppツアー「I Don‘t Like Mondays. “TOXIC TOUR 2025”」が10月5日の札幌公演を皮切りに、全国5都市で開催される。
ストリーミング : https://idlms.lnk.to/kiriganaidesuwa
Spotifyキャンペーン詳細 : https://idlms.com/news/detail.php?id=1126905
Spotify限定プレイリスト「#アイドラで夏が始まる」
■I Don’t Like Mondays. “TOXIC TOUR 2025”
https://l-tike.com/idlm/
撮影/島津美紗 ヘアメーク/Chika Keisuke, Assistant Yoshino Saito 取材/小林揚 編集/越知恭子