日テレアナ郡司恭子さん(35)「Audire」立ち上げから3年「自信がない日も、鏡に映った自分を好きになれる服を」

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アナウンサーとして活躍する傍ら、2022年に日本テレビの新規事業としてアパレルブランド『Audire』を立ち上げ、人気ブランドに成長させた郡司恭子さん。その最中には、不安や自信喪失もあったと言います。そんな“成長痛”とどう向き合ってきたのか。3年前にも行ったインタビューからは、また違った一面が見えてきました。この記事は前編です。

Profile

日本テレビアナウンサー・Audireディレクター。1990年6月26日生まれ、東京都出身。2013年に日本テレビ入社。2022年9月、日本テレビの新規事業としてアパレルブランド『Audire』を立ち上げる。「情報ライブ ミヤネ屋」ニュースコーナー、「夜バゲット」他を担当。

“究極の移動着”にはリアルな気づきを込めました

――『Audire』立ち上げから3年経ちましたが、立ち上げから実務や気持ちの面で変化はありましたか?

まず立ち上げたきっかけが、コロナ禍でアナウンサーとしての働き方が大きく変わり、時間的余裕ができたときに、自分でアクションを起こしている実感だけでも欲しくて、番組や新規事業の企画書を書き始めたことでした。
アナウンサーは情報を届ける仕事ですが、Audireも服というプロダクトを届ける仕事。メッセンジャーという要素が共通しているところに私らしい強みを感じています。「二足のわらじはどうですか」と質問をいただくことがすごく多いんですけど、今は自分を動かす両輪になっています。どちらもなくてはならない、ひとりの自分を別の角度から照らす2つのライトのような存在ですね。

3年間での大きな変化は「どんなメッセージを伝えたいのか」まで踏み込めるようになったこと。立ち上げ当初から“アナウンサー視点で”“はたらく女性の声を聴いて”という軸はありましたが、最初はブランドを知っていただくことに奔走する時間が長かった。ようやくメッセージにまで心を配れるようになって、アナウンサーから生まれたブランドなんだと自信を持って言えるようになりました。

――具体的には服にどんなこだわりを落とし込んでいますか?

「究極の移動着」と名打ったセットアップがあるのですが、これはアナウンス部内で出張に選ぶ服はどんなものか調査を行い、上がってきた4つの条件「柔らかい着心地」「フォーマルな要素がある」「手入れが楽でシワにならない」「キレイ見え」を落とし込んでいます。

アナウンサーって、取材などの立ち仕事もあれば、長時間移動や会議などの座り仕事もある。それでいて視聴者に伝える場面もある、でも着替える時間はない!という日常。
読者のみなさんもきっと出張があったり、出先ですぐプレゼンがあったり…と忙しい日がありますよね。そんな日の希望を全部叶えたセットアップなんです。地味にならないよう少しの動作で服も揺れ動いたり、清潔感を感じられたり…という点もこだわり。

私たちは商品を売りたいというよりは、働く中で気づいたことをメッセージとして服に落とし込んで、そんな気持ちをしっかり反映・届けられるようにしています。

アナウンサーに求められるのは「情報を邪魔しない服」

――アナウンサーさんがテレビの前に立つとき、どんなことに気をつけていらっしゃるんですか?

TPOをわきまえ、情報の邪魔にならないことです。
その時々で前に立つべき人や物が何なのか…自分がアシスタントならMCの方だし、時にはゲストかもしれないし、時には文字情報。本当に伝えたいことのノイズにならない衣装であることを、アナウンサーはみんな一番に考えていると思います。ポジティブに言い換えれば、本当に伝えたい情報を届けるための服、ですね。そのために必要な知的さや清潔感、信頼感も佇まいから感じていただけるように、私個人としてもAudireの服作りでも意識しています。

――そうしたルールの中で、ご自身がオシャレを楽しむポイントはどこですか?

以前から同じことを話しているのですが「鏡に映った自分を好きと思えるかどうか」です。Audireローンチからすごく大切にしている「ひとさじの自信」というフレーズがあります。この服を着ると、いつもの自分もちょっと好きになれるな、という前向きさ。
CLASSY.世代になれば、自分に自信がない時間を経験していると思うんですよ。でも、そんなときでも、鏡に映った自分に納得できるように何かを施すのが、私の楽しみ方です。

新しい番組に就くとき、商品を世に出すときは不安もあります

――郡司さんにも自信がない時期があったのかな、と少しびっくりしました。

自信がないと言うと重い言葉に聞こえますけど、新しい商品を世に出すときはやっぱり不安ですよ。これは受け入れてもらえるのかなって。アナウンサーの仕事でも、ずっと担当していた番組から離れて新しい番組に就くときは「私で務まるだろうか」と自信が持てないことはありました。

一日の中で見ても「今朝は眉毛がきまらないな」とちょっとだけ落ち込むときはあるし、年間の中で見れば「ステップアップしたい向上心があるからこそ自信が持てなくなる時期」があるし。「自信がない」も大小様々ですよね。

――そんなふうに自信をなくしたときはどうされていますか?

「こうあるべき」という考えを自分に押し込めないようにします。
たとえば、日常で迫られる選択にも大小がありますよね。そういうときは、選ばないほうにも、考えを巡らせるようにしています。すると「あっちにしておけばよかった」という後悔があまり生まれなくなるんです。

CLASSY.世代ってキャリア、結婚生活などタスクや選択に迫られることが多いと思いますが、この考え方があると、考え疲れしないで済む気がしています。

あとは「あのときの自分の幸せと比べない」。
20代の自分が思う幸せと、30代の自分にとっての幸せって変わるのに、ずっと20代に思い描いていた幸せを得られないことに苛まれていると、それも自信をなくすもとになるかなって。今の自分はどんなことで充足感が得られるんだろうと問い直し続けることも大事だなと思います。

information

Audire(アウディーレ)
日本テレビアナウンサーの声をもとに、現代社会を生きるあらゆる女性たちのはたらく日々に寄り添った、心地よいスタイルを叶えるブランド。2025/8/2(土)に東京・表参道で2025A/Wの先行受注会開催。詳細はAudireのオフィシャルサイトから。
https://audire.jp/blogs/information/202508_audireboutique

撮影/杉本大希 ヘアメーク/Rina 取材/野田春香 構成/越知恭子