画家を目指すスーパーキッズ6歳のママが語る“子どもの才能を伸ばすには?”
VERYのYouTubeチャンネルで話題のスーパーキッズ・武井 凪くん。1歳のころから絵に興味を持ち始め、年少さんの夏には画用紙160枚にも及ぶ絵を描き上げました。1年生になった今もキャンバスに向かい、筆を握らない日はないそうです。とにかく絵が好き、魚が好き、猫が好き! 夢中になれるたくさんの“好き”が育った背景には、家族の意識的な声かけや環境づくりがありました。ウェブでは、YouTubeに収まり切らなかった母・理奈さんのお話を紹介します。
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◎お話を伺ったのは・・・・・・
武井理奈さん
2014年に夫の転勤に伴い渡英。約6年間をロンドンで暮らし、その間に息子・凪くんを出産。愛猫2匹(ギネス・ピムス)と凪くんとの暮らしを綴ったSNSが世界じゅうで話題に。2020年に帰国。自身も昔から、絵画鑑賞や美術館へ行くのが趣味。凪くんと同じ絵画教室に通い、一緒に絵を楽しんでいる。
たくさんの絵本が息子の想像力を広げてくれた
―凪くんが絵に興味をもったきっかけを覚えていますか。
最初は美術館でした。息子が1歳を過ぎた頃まで夫の仕事でロンドンに住んでいたのですが、美術館が身近にあったのでよくベビーカーで訪れていたんです。私自身、絵の知識が深いわけではないけれど絵を見るのが好きだったから、それに付き合ってもらう感じで。静かな美術館で泣いてしまったらどうしようと最初は不安だったものの、絵を見たときの息子の反応が意外とよく、私もうれしくて美術館に行くのが習慣になっていました。その頃から、カラフルな絵にはとくに興味を示していた記憶があります。
―絵に興味を持っているとわかってから実際描くに至るまで、理奈さんが意識的にしたことは何でしたか。
息子の手が届く場所にクレヨンと画用紙を置いておいたら、自然と絵本のキャラクターや車や電車など、自分が好きなものを描くようになりました。もちろん2歳の頃は、何を描いているかわからなかったですけどね。でもとにかく自ら絵を描くので、未就学児が行けるような絵画の体験レッスンへ行ってみたんです。絵の具を弾いたり、型取りをしたのが明らかに楽しそうで、家でも進んでやるようにしました。年少の夏休みに絵を160枚描いたのを見届けてからは、“この子は絵が好きで、ずっと続けていくのかもしれない”と。以来、いろいろな絵があることをまずは見せたいと思いました。展示会や美術館へ行くのもそうですが、一番身近だったのは絵本を読むことです。内容以前に、息子がいい影響を受けてくれそうだなと思った絵本を惜しまずに買うということは、私の中で決めていたかもしれません。模写したり物語の続きを描いたり、キャラクターのスピンオフを絵にしたりと、絵本がきっと息子の想像力を広げてくれましたし、偏らずにさまざまな作品を見たことでだんだん息子の中で描きたい絵が定まってきたようにも感じます。
本より実物はすごいんだ!“本物”を可能な限り一緒に見たい



―たくさんの画集もありますね。これらは美術館で? どんなときに開いていますか?
私自身が昔から集めていたものも多いですが、今は息子と美術館へ行ったときに一緒に選んでいます。とくに構図や色づかいの参考に何度も開いているのは、ミロコマチコさんの画集です。群馬県の太田市美術館で開かれた展覧会「あふれる、うごめく、のめりこむ。」へ行ったときには、入り口からグッズ売り場まで3時間くらいかけて隅々まで見ていましたね。2023年に清澄白河の東京都現代美術館で行われたデイヴィッド・ホックニー展では自分でたくさん写真を撮って、家で見返して模写していたり。ホックニーの画集は、木や葉を描くときによく開いています。瞳の描き方は、ザ・キャビンカンパニーから。ザ・キャビンカンパニーの絵って、瞳孔が生き生きと描かれているんですよ。息子も「すごい!」と大興奮して、それ以来、息子が描く魚や猫の絵には瞳孔がくっきりと描かれるようになりました。岡本太郎からは、言葉を超えた世界観と大胆さでしょうか。川崎市岡本太郎美術館や青山のアトリエで生の空気を浴びて、本で見るよりも実物ってすごいんだ!ということを知ったみたい。作品を一緒に見たあとはいつも、どんなところが素敵だったのかをお互い話すようにしています。
―YouTube内で凪くんが「この絵はうまく描けて」と、自信を持って説明してくれたのがとても素敵でした。理奈さんが声かけで気をつけていたことはありますか。
描いた絵に対してマイナスな発言は絶対にしません。ただ、ここがうまくいっていないんだろうなというのはわかるので、「この色を使うといい感じになると思うんだよね」と、わかる範囲でいち意見として伝えます。けれど絵に関しては、素直に「そうだよね」と聞いてくれるタイプではない(笑)。そんなときに好きな画家の画集を見て、「こういう描きかたもあるんだね」「今度やってみようか」と、息子が憧れている人たちの力を借りてアドバイスすることもあります。
小学校受験中も絵を描き続けたけれど、止めてはいけないと思った

― 小学校受験を経て、現在は希望した小学校へ通っています。受験中の絵画との向き合いかたや小学生以降の時間の使いかたについて伺いたいです。
今思い出しても小学校受験は親も子も大変でしたが、息子の負けん気の強さのおかげで乗り越えられたと思います。受験を頑張っている間も好きな絵を描くことは続けていて、親はヒヤヒヤしていたけれど、この手は止めちゃいけないなと。受験と絵の両方、息子なりにバランスを取っていたんでしょうね。絵を描かなかったのは、小学校に入りたての数日間。疲れてしまって、「今日も描きたいけど、ここまでしか無理だ……」と言いながら、ソファで寝落ちしちゃうこともありました。今は慣れてきたようで、毎日ちょっとずつでも描くと決めているそうです。
小学生になってからは、学校から帰ってきて野球などの習いごとがある日は習いごとに。夕飯を食べるまでに宿題、というルーティン。宿題がない日は、録画していたテレビ番組を観て過ごしたり。『ダーウィンが来た!』『ドラえもん』『ギョギョッとサカナ★スター』が大好きなんですよ。さかなクンは、息子にとって大スターですから。そのあと先にお風呂に入るか絵を描くは、本人に委ねています。
―小学生になり、絵画以外のことにも興味を持ち始めているんですね。
そうですね。学校のお友達に運動が得意な子が多いので、いい影響を受けているのかもしれません。夫婦ともに“好きなことをしたらいい”という考えではあるのですが、夫は自分が野球をやってきたこともあり、息子にはスポーツをさせたいとどこかで思っていたようです。そんなときに絵が好きだとわかったので得意なことのひとつとして絵画を続けつつも、チームプレーの楽しさや大切さも学んでほしいと思っています。スケジュールを見ると息子本人は忙しいんですけど、今は興味を持って楽しんでやっているので見守りたいですね。
子どもの頃の夢は変わるかも知れない。
好きなものが見つかったときにはとことんやらせてあげたい
―この先もし、凪くんが絵画と距離をとることがあったらどうされますか。
考えたことはなかったけれど、自分が本当に好きなものであれば一時的に離れたとしてもまた戻ってくるだろうし、すべては息子の気持ちを尊重するつもりです。実際に今は幼稚園の頃に比べて運動量が増えているぶん、家で絵を描く時間が減っています。興味が移ることは成長の過程で起こりうると思っていますが、本人の意志でやりたいと言ったことを、まずはやらせてみる努力を親もしたいです。
―凪くんが何かに興味を示したとき、どんな風にそれを大事にされますか。
時間の許す限りまずは一緒に取り組んでみます。そしてどの分野にしても、本物をできるだけ見せてあげたいなと思っています。例えば魚なら、実物を見る、どんな感触なのか手で触ってみる、匂いを嗅いでみる。しつこいくらいいろいろな角度から見せることで、絵にも反映されていると実感しています。家の中や机の上でだけでは広がらない世界を、外の世界へ連れ出して自分の中に持ち帰る。その繰り返しなのかなと思います。
―――――さまざまなことに興味を持つ凪くんの視線を見逃さず、一緒に楽しんでいる母・理奈さんのお話、いかがでしたか?「大人になったら画家になって、ギャラリーを作って、個展をする! そこで配るグッズまで考えた!」と話す凪くんの将来を、これからも応援させてください。
VERYの公式YouTubeでは、凪くんとママのインタビューをお届けしています。凪くんがこれまでに描いた絵の数々を公開中なので、ぜひご覧ください♡
◎凪くんのインスタアカウントでは、彼の作品がもっと見られます!
Nagi’s artwork(@nagi_artwork) • Instagram写真と動画
◎凪くんちの猫ちゃんも大人気です!
Rina Takei(@rina_takei) • Instagram写真と動画
取材・文/藤井そのこ 編集/井上智明
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