『0歳児から保育園は“かわいそう”じゃない』復職ママに専門家がズバリ!
復職し、慣らし保育真っ最中。「こんなに小さいのに、保育園に預けて大丈夫かな」、そんな不安や、つい子どもを不憫に思ってしまう気持ちもあるかもしれません。外野から「かわいそう」なんて言われたら、なおさら。そんなすべてのママたちへ、エールを送ります。
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「0歳から預けてごめんね」
マインドをリセットしよう
復職ママ&こどもの【リアルなこえ】聞きました!
子どもも親も、きっとすぐに慣れます!
短い時間にギュッと愛を詰め込んで
【ママのこえ】
家族みたいに育ててもらった感じ。今でも0歳からの仲間とは連絡を取っています(9歳のママ)
毎日連絡帳や、帰りに先生と話をすることで自分の子の意外な一面や成長ぶりが分かります。預けてよかったことしかない!(4歳のママ)
保育園のおかげで仕事にも、育児にも集中できています。一緒に育てている感があって心強い(2歳のママ)
保育園の先生は育児のプロ。連絡帳などを拝見すると目配りが素晴らしく、発達で心配なところは親の気づかないところまで細やかに見ていただけてすぐ安心できました(3歳のママ)
卒乳ができていなかったので、最初は心配で数時間ごとに母乳をあげにいこうかと思っていました。無理してでも早くお迎えに行ったり。でも預け始めたら早々にミルクにも慣れ、一人で見ているより安心と思ってフルで預けるように(3歳のママ)
【こどものこえ】
お散歩したりお店やさんごっこしたりするのが楽しい(5歳)
保育園の先生は、今でも妹のお迎えに付き添ってしょっちゅう会いにいく大好きな存在(10歳)
お兄さんお姉さんや赤ちゃんも一緒に遊んで楽しかった(7歳)
先生大好き。ママも好き(3歳)
おやつおいしいよ。好きなのはおにぎり(3歳)
専門家がママの不安を払拭!「子育ては時間の長さではなく“質”」
保育の専門家に聞きました
最初は心配していたお母さんも、
顔がだんだん明るくなるんです
小学館アカデミー茗荷谷保育園
蓮田淳子園長
結婚を機に一般企業を退職。5年間の専業主婦を経て保育士として復帰。保育士歴25年。
特に初めてのお子さんの場合、大きな不安を抱えて入園される方がほとんど。「こんなに小さいのにいいのかな」とか「離乳食やミルクが進んでいない」など子育ての悩みがある方も多いです。預けても泣いてばかり、ミルクを飲まないなども本当によくあることですが、ほとんどのお子さんは1カ月ほどで慣れちゃうもの。たとえミルクを飲まなくても水分や離乳食を摂れておしっこが出ているか、顔色が良いかや元気に遊んでいるか、体重が増えているかなど総合的に先生たちが判断していますし、認可なら嘱託医の健診もあるはず。
そうやって見ていくと、ほとんどの子は大丈夫。最初は躊躇していたお母さんも、だんだん保育時間が延びて、顔が明るくなってくるんです。帰り際先生と話をすることでその日の様子も分かり、悩みも相談できるので孤独な育児にはなりにくいと思います。一緒に成長を喜べる仲間が早いうちからできると思って、安心して預けていただきたいですね。ご入園される方、おめでとうございます!
心理学の専門家に聞きました
子育ては、時間の長さではなく質
料理も掃除も二の次、スキンシップを!
諸富祥彦先生
筑波大学大学院博士課程終了、英国イーストアングリア大学などを経て明治大学文学部教授。教育学博士。臨床心理士、上級教育カウンセラーなどの資格を持つ。著作やテレビ出演など多数。
「0歳から保育園に預けたほうがいいですよ」というデータはないのですが、「0歳から預けたらマイナスになります」というエビデンスもまったくありません。お母さん・お父さんは、子育てのアマチュア。でも保育園では一定の質の保育を受けられます。小さな子どもにとって一番大切なことは「精神的に安定した大人が、養育の中心にいる」ということです。それが親か保育士であるかは実はそれほど重要ではないんです。保育園に預けたことで育児の孤独感が解消されたり、親へのメリットもとても大きいです。それでももし「0歳から預けてごめんね」と思っているなら、3歳児神話のせいでもあるかもしれませんね。3歳児神話はエビデンスがないから神話なわけで、保護者の気持ちが安定するなら、何歳から預けても大丈夫なんです。外野の声に反論すると、余計に強く言われる場合があるので切り返そうとせずに無視すればいい。我が家も、一人娘を0歳から保育園に預けました。すくすく育って、成人していますよ。
もし0歳から預けたくないけれど復職のために保育園に入れざるを得なかったという方には「子育ては、時間の長さではなく質である」という言葉を贈りたいです。スキンシップの時間が少なくても、集中して愛を注げば大丈夫。スキンシップと、目を合わせて大好きだよと伝えることが何より大事。料理や掃除・洗濯は二の次、お惣菜でも外注でも構わないし、家が散らかっていてもいい。せっかく一緒にいられる時間を、料理や家事に使うのはもったいないと思ってしまうくらい。そうした気持ちで、本当に手のかかる数年間を乗り切ればいいと思います。これを読んでいる方は、0歳から預けることに不安や負い目がきっとあるのでしょう。でもそういう気持ちがあるからこそ、一緒にいられる時間を大切にして愛を注ぐことに集中できる側面も。それに保育園に預けることで、子育ての悩みが軽減されることも多いです。ということはもう、大丈夫。安心して4月から復職してくださいね。おめでとうございます。
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撮影/須藤敬一 取材・文/有馬美穂 編集/羽城麻子
*VERY2024年3月号「「0歳から預けてごめんね」マインドをリセットしよう」より。
*※本記事は過去掲載記事を元に再編成したものです。掲載中の情報は誌面掲載時のものです。