映画『ファーストキス』公開!松村北斗さん「リリー・フランキーさんとは月イチで会っています」

The post 映画『ファーストキス』公開!松村北斗さん「リリー・フランキーさんとは月イチで会っています」 appeared first on CLASSY.[クラッシィ].

坂元裕二氏が脚本を務める映画『ファーストキス 1ST KISS』に出演し、役者として存在感を放つ、SixTONESの松村北斗さんが登場。役と向き合う中で感じたことや、舞台裏でのエピソード、近況などをたっぷりと話してくださいました。

――’24年は映画『夜明けのすべて』に主演、ドラマ「西園寺さんは家事をしない」では父親役を好演した松村北斗さん。今年は映画『ファーストキス 1ST KISS』で初の坂元裕二脚本作品に挑んでいます。主人公が過去に戻り、事故で亡くした夫ともう一度恋に落ちるラブストーリー。松村さんは夫の硯駈役で、29歳と45歳の駈を演じます。

「坂元裕二さんの作品や書籍が大好きで、どれほど影響を受けてきたかわかりません。この作品に参加できたことをとても誇りに思っています。出会いはドラマ『カルテット』でした。衝撃を受けました。平凡な言葉になっちゃいますが、ロマンチックだなって思ったんです。しかも自分の好きなロマンチックだなって。当時、バラエティ番組が好きで、ドラマはそれほど見ていなかったんですけど、『カルテット』にはすごくハマって、1週間が待てずにその週の話を何度も繰り返して見ていたりしました。『そんなに好きなんだ』って家族が珍しがっていましたね。ロマンの中に面白さも感じて、言語化しきれないほどの高揚感をすごく覚えました」

――そんな坂元さんの今作の脚本を読まれたときはどんな思いでしたか?

「普通に坂元さんが書いた読み物として面白いなって思って読んでいました。でもこの役を自分が演じるんだって思ったら急にページをめくる手が止まってしまって。『硯 駈という人物を自分が演じることができるんだろうか、いや、今は頑張って読まないと』という葛藤と感動の連続でした。普通に読んでいたら多分泣いていたなと思う場面でも『これって俺が演じるんだよね、これは大変なことだ』って感じで読んでいましたね」

――役作りは大変だったと思いますがどんなふうにされたのでしょうか。

「45歳は自分には未知のことで想像の世界でしかない。そこはかなり不安な気持ちがありました。自分だったらこうするだろうなというヒントがまるで使えないので、そこは作っていくしかない。なので、等身大の29歳の駈から考え始めました。現場で監督の塚原(あゆ子)さんによく相談しました。塚原さんは全部のセリフとシーンに意味があるし、どういう意味があるのかをきちんと探される方でした。自分も何げないセリフに対して相当深掘りして読み解いていくタイプなので、とても話しやすかったですし、台本の読み方、そのセリフの意味の探し方を教えていただいた感じです」

――硯 駈という人物は松村さんと似ている部分はありましたか?

「駈は考え方が空想的というか、劇中にも出てくるんですが、ハルキゲニアっていう古代生物が好きで、そこにロマンを感じて追い求めている人。恐竜の姿ってみんなの理想と想像で作っているってよく言われていますけど、ハルキゲニアも実際にいたのかの確証はないんです。駈はそんなファンタジック的な思考がある人なんです。そこはちょっと自分にも近いところがあるかもしれないですね。人知を超えた何かってすごくあるだろうなって思いながら生きているので。例えば、運命みたいなものってあるだろうなって思っているんですけど、でも運命って別に自分が思っているようなものじゃないのかなという気がするというか、どこか用意されているような気もしています。生き方とか動き方みたいなものは自分で選択できると思っていますが。そこが駈と近いというか、そういう思いは深く理解できますね」

――松たか子さんとは初共演ですが、どんな方でしたか?

「大変キュートな方でちょっと奇想天外なところもある方でしたね(笑)。芸歴も年齢も僕の方が下なんですけど、そういう歴みたいなものとは無関係に接してくださっている感じがしました。どんな状況におかれていても常にフラットな状態で会話をしてくれるので安心感がありました。まさに座長と言われる存在であり、僕らの中心にいてくれる人でした。一緒に撮影すればするほどいい感じに気持ちがほぐれてきて、シーンに入りやすくなっていきました。疲れて見える日がまったくなくて、いつも明るく現場に入ってきてくれるんです。その日のスタートが常に笑顔の方でした。そういうことって些細なことのようですごく大事なんだなって改めて感じました」

――松さんは「松村北斗さんは揺れているようで、最後の最後は場面の中に『えいっ!』と飛び込むことのできる勇敢な人」とコメントされていましたが、思い当たることはありますか?

「僕が監督の塚原さんにたくさん相談していたり、考え込んだりするのを見て、揺れているって感じたんだと思います。そんな僕を松さんが見守ってくれていたようにも思います。そのコメントは『揺れている部分は本番では出ていなかった、大丈夫だったよ』と安心させてくれるような意味合いもあるんじゃないかと思いますね」

――共演しているリリー・フランキーさんがラジオで「北斗くんは可愛いんだよね」と絶賛していました。

「はい、よく言ってくれますね。現場では『可愛い』の一点張りで(笑)。今回の共演以降、ご縁があってちょこちょこお会いするようになりまして、今は月イチで2カ月連続会っています。リリーさんの友人にお会いしたり、馴染みのお店に連れていってもらったときも『すごいいい子でさ』って紹介してくださいます」

――年齢が倍以上違いますがどんなお話をされるのでしょうか。

「リリーさんの年齢を知らなかったんですが、そうなんですか。僕は一緒にいてすごく楽しいです。リリーさんがお話し上手だから会話に困ることもないですし、逆に黙っていても何か喋らなきゃ、と焦ることもないんです。リリーさんがどう思っているかはわかりませんが、ご飯を食べて『ああ、美味しい』って言って余韻に浸って無言のときもあります。喋ることを用意していかなくても会える人ですね。普段は『イクラと筋子は結局どう違うんだ』って話になって一緒に調べたり、『鮭と鱒はどう違うんだ』みたいなたわいない話をしています」

――リリーさんのパブリックイメージはちょい悪で面白いおじ様的な感じですが、どんな印象を持っていますか?

「思ったよりやんちゃな感じではなかったですね。至って平和主義的な方で、冷笑的な笑いではなく、温かくて柔らかいことの方が笑えるよね、という方です」

松村北斗
1995年6月18日生まれ 静岡県出身 血液型B型●SixTONESとして、2020年1月「Imitation Rain」でCDデビュー。俳優としても活躍し、第46回日本アカデミー賞新人俳優賞と話題賞を受賞。最近の主な出演作はドラマ「西園寺さんは家事をしない」、映画『キリエのうた』『夜明けのすべて』『ディア・ファミリー』など。

映画『ファーストキス 1ST KISS』

ドラマ「カルテット」映画『花束みたいな恋をした』の脚本家、坂元裕二と映画『ラストマイル』『グランメゾン・パリ』の監督、塚原あゆ子が初タッグを組み、オリジナルストーリーで描いた恋愛映画。結婚して15年になる夫を事故で亡くした硯カンナ。第二の人生を歩もうとしていた矢先、タイムトラベルする術を得たカンナは過去に戻り、自分と出会う直前の夫の駈と再会。15年後に起こる事故から彼を救うことを決意するが……。脚本/坂元裕二 監督/塚原あゆ子 出演/松 たか子、松村北斗、吉岡里帆、森 七菜、リリー・フランキー他 配給/東宝●2月7日(金)より全国公開。

取材/竹島 泉 編集/新保めぐみ 再構成/Bravoworks.Inc