山崎まさよしさんが語る名曲『セロリ』の秘話も…【話題のグルメドラマ放映記念・特別インタビュー】

7月から放映が開始した話題のドラマ「三ツ矢先生の計画的な餌付け。」(毎日放送)。有名料理研究家と若手編集者が料理を通じて次第に想いを通わせていくヒューマンラブストーリーで、監督はドラマ「きのう何食べた?」の野尻克己さんが務めます。主役は年齢を重ね存在感と円熟味を増すシンガーソングライター・山崎まさよしさん&王様戦隊キングオージャーでの好演も記憶に新しい酒井大成さん。食事は健康と美に密接に繋がるもので、美ST世代には料理をするのが日常的という人も多いはず。お2人が食事で大切だと感じていることや、記憶に残る料理についてなど、共感必至のインタビューをお届けします。

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(左)山崎まさよしさん・53歳(右)酒井大成さん・26歳

《山崎まさよしさんプロフィール》
1971年12月23日生まれ。滋賀県出身。シンガーソングライター。 1992年から横浜を中心に弾き語りによるライブ活動をスタートさせる。1995年9月にシングル「月明かりに照らされて」でデビュー。 1997年1月に発表したシングル「One more time, One more chance」のヒットで一躍ブレイクを果たす。本作では有名料理研究家・三ツ矢歩を演じる。


《酒井大成さんプロフィール》
1998年4月1日生まれ。福岡県出身。2021年末から2022年にかけて行われた「レプロ30周年主役オーディション」に合格。『イカロス 片羽の街』(2022)にて映画初出演、BSテレビ東京にて放送された「親友は悪女」(2023)にて初のドラマ出演を果たす。2023年、スーパー戦隊シリーズ第47作目となる「王様戦隊キングオージャー」にて、主人公のギラ・ハスティー / クワガタオージャー役を演じ、テレビドラマ初主演を果たした。本作では若手編集者・石田友也を演じる。

味だけじゃない。誰かとともにした食事は、空気感や会話まで記憶に刻まれる

酒井さん(以下酒井) プライベートでは料理って実は全然しなくて。料理にフォーカスしたドラマに出演させてもらうのは初めてなんですが、料理にすごく興味が湧きました。三ツ矢先生が作ってくれた料理の中で一番のお気に入りはカツ丼。仕事の休みの日とかに作ってみたいですね。

山崎さん(以下山崎) 僕は昔居酒屋の厨房で働いていたんですよ。ひとり暮らしも長かったし、必要に迫られて料理はしていた感じ。そこそこ料理は好きで、今でもたまに作ったり。子供の遠足用のお弁当とか、奥さんに頼まれて作ったりします。

酒井 山崎さんがお弁当作るんですね!どんなものを?

山崎 冷凍食品に頼り気味なんだけどね(笑)。あとはお弁当以外だと、パスタとか、簡単なものを。

酒井 食べるって、五感を刺激するものだなぁって、改めて思うんです。香りや食感、味、そういったものが過去の記憶を呼び覚ますというか、楽しかったことや切なかったことなどを思い出して、色んな感情が湧いてくる。誰かとごはんを食べるって、時間や空間も共有すること。コミュニケーションの一環ですよね。ドラマでも僕が演じる石田は三ツ矢先生と何度もごはんを一緒に食べるけれど、それはすごく重要で、大切な時間だったんだなと思います。

山崎 料理が記憶に訴えかけるものだっていうことは本当にそうだよね。ドラマの中で三ツ矢先生の作る料理を石田くんは初めて食べるわけだけれど、味はもちろん、その時に交わされた会話やお互いの空気感のようなものが記憶に刻まれていくというか。「おふくろの味」という言い方があるけれど、例えば味噌汁でも、それが美味かろうが不味かろうが、おふくろが作ったということが記憶に、思い出に残る。普段ドラマでは食べ物は「消え物」って呼ばれてて記憶に残らないことが多い。でも今回はそういうのが題材になっているから、一つ一つの料理が記憶に残ったんだよね。

酒井 本当にその通りですよね。僕の中では「おふくろの味」で思い浮かぶのはカレー。やっぱり他のごはんとは違うというか、愛情がちゃんと入っているから、ふとした時に思い出したりします。

山崎 僕もオカンの手料理は思い出すなぁ。正直、美味しいかどうかは半々といった感じだったんだけど(笑)。ワカメご飯に塩っ気の強い味噌汁とか出してきて、「肝臓いわし(痛める)たらどないすんねん!」って言ったら、「ほなバナナで中和しいや」って言われたことがあって。味と一緒に、そんな記憶まで思い出したりするよね。

ごはんは毎日をゴキゲンに過ごすためのおまじない。山崎さんと酒井さんの“おまじない”は…

酒井 僕は特に日常的にやっているおまじないってないんです。そこまで信心深いわけではないんですが、大事な時とかは神社にお参りとか行くくらいですね。あとはやっぱり、なんだかんだ日頃の行いが大事かな、と思っているので、気づいた時にちょっとだけ良いことをするようにしています。徳を積む、みたいな感じに(笑)。

山崎 僕もこれといってはないんだけれど、毎日の同じルーティンが調子をキープするポイントかなとは思ってます。朝起きてコーヒーや冷たい水を飲むとか、決まったストレッチを決まった時間にする、とか。そういうことで日常の回転をスムーズにしていることはありますね。

音楽も食事も、誰かと共有してともに思い出を作っていく点で通ずるもの

酒井 僕が演じさせていただいた石田は学生時代に野球をやっていて、野球選手を目指していたけど挫折した過去があるんです。僕自身も学生の頃サッカーをやっていて「プロは無理だな…」と挫折した過去があるので、「これから何をしたらいいんだ?」という葛藤はすごく理解できました。それは石田のバックボーンにもなっていると思います。

山崎 あーでもないこーでもないと試行錯誤することは音楽も料理も同じだし、誰かと共有できることも、体に取り入れていくことも同じなんですよね。「セロリ」をはじめ、僕が作る曲には食べ物の描写が多いんですが、同じ物を食べるってすごく親密なことだと思うし、そういうニュアンスが曲のインスピレーションになることも。役作りだと、何かをクリエイトする三ツ矢先生の姿勢は理解できるし、ついでに年齢もほぼ同じ。歳をとって食が細くなったから最近少し痩せて、外見も似てきたのでは?と感じています。役作りについて特別語れるわけではないけれど、強いて言えばそれが結果役作りになったと思いますね(笑)。

 

撮影/平井敬治 ヘア・メーク/島徹郎(juice)〈山崎さん分〉、茂木梨沙〈酒井さん分〉 スタイリスト/庄 将司 取材/キッカワ皆樹 編集/浜野彩希

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