與真司郎さん×ヘアメイク森ユキオさんが語る「令和版メンズ美容」の大切にしたいポリシーとは
STORY9月号に初登場し、自らの人生について、心の内を話してくれた與 真司郎さん。STORYwebでは、「美容」を通じて仲よくなったという本誌でもおなじみのヘア・メイクアップアーティスト森 ユキオさんと、美容のこだわり、思いなどを、対談してもらいました。
與 真司郎さん
1988年生まれ。2005年、男女混合パフォーマンスグループ「AAA」のメンバーとして活動を開始。翌年にはレコード大賞新人賞を受賞。人気絶頂の2019年頃からソロ活動をスタート。その後、アーティスト活動を一時休止。2023年にゲイであることを公表。この夏、久しぶりのZeppツアーを開催、話題に。現在は、アーティスト活動の他ライフスタイルブランド「446 -DOUBLE FOUR SIX- 」を立ち上げ、ブランドプロデューサーとしての顔も。その美しいヴィジュアルで美容法が話題となり、10月号でSTORY初登場!
森 ユキオさん
ROI主宰。さり気ないトレンド感、モデルへの似合わせ、確実に美人になれると言われる唯一無二のテクニックで、数々の人気モデル、女優、文化人から常に指名を受ける人気ヘア・メイクアップアーティスト。自身も年齢を感じさせない美肌の持ち主で、現場ではスタッフや出演者の美容相談会が開かれるほど。科学に基づいた豊富な知識で、化粧品の開発も行う。
心と体あっての美肌だから、美容は健康をケアするのと同じ。やり過ぎず、気負わず、運動睡眠とバランスよく整えていきたい by與 真司郎
――お二人の出会いを教えてください!
與さんが美容に詳しく、僕と話が合いそう、と共通の知人であるカメラマンさんからの紹介で知り合ったんですよね。 僕は、テレビや雑誌を拝見していて肌がきれいな印象があって、実際会ったら想像以上にきれいだった!どんなケアをされているのだろうって気になりました。
最初はライブに来ていただき、控室でお話させていただいて。美容業界で有名な方なのに、すごく腰が低いというか、優しいオーラが溢れていて、色々相談したいって思いました。森さんがプロデュースされている「ステムボーテ」を母が使ったら原因不明の肌荒れが治り、それ以来、信頼して美容のことを相談しています。今日は久々に会えたので、会ってすぐ顔にできた帯状疱疹の跡のケア法について、質問攻めにしてしまいました(笑)
――「美容」が共通ワードのお二人。美容の情報が溢れる今、お二人の「美容」のポリシーを教えてください!
ポリシー1つめは、科学に基づいた正確なエビデンスのある知識のもと、少しの(時間の)ケアで最良の結果、効果のあるケア法を選ぶこと。みんな忙しいし、時間がないので、すべてをスキンケアに費やすのって無理だと思うんです。
僕は今時間があるので、つい一生懸命に向き合ってやってしまうんですよね…。 僕のポリシー1つめは、心と体と肌は繋がっている、ということを意識すること。健康をケアする感覚で肌と心をケアしています。今の理想は健康的な肌と表情、そして雰囲気。トータルバランスがいい人が、結局素敵だと思うんですよね。
たしかに肌が荒れてくるとネガティブな思考になり、心が揺らいだり、乱れたりすることがありますよね。つい美容に向き合いすぎて、自分が本来もっているものを生かす方向ではなく、別のものになりたいという願望がある人は注意したほうがいいかもしれません。
ポリシーの2つめは、やり過ぎないこと。僕は、完璧主義になりやすいのでつい、やり過ぎてしまいます。でも、思ったほど周りの人達って自分のヴィジュアルの状態なんて気にしてないんですよね(笑) だから、今は気負わず、負担にならない範囲で美容と向き合っています。 3つめは睡眠を大事にすること。睡眠がとれてないとイライラするし、肌もザラザラしませんか? すっきり寝た日は顔色が明るくなるし、肌質もよくなり、気分さえも上向きに。質のいい睡眠は、これからの僕の課題でもあります。
僕の2つめは「コツコツ時間をかけてやることは、すべてにおいて勝る」です。先ほども言ったように、1回のケアには時間をかけなくてもいいと思うんです。短くて最良の結果をだせるケア法でいい。ただそれを長く続けることが大事だと思います。今は、美容医療のような即効性のある施術があるから、結果を急ぐ人が多いのですが…。 即効性のあるもので思い切ったことをやり、すぐに結果をだすと、それが切れた時にすごく老けて見える。オンとオフが生まれるというのでしょうか。 逆に、時間をかけて少しずつ改善していくような継続させて効果が得られるケアはオン、オフが生まれないので、突然若返ったり老けたりしない。例えば、美容医療の前にホームケアでも可能なヒト幹細胞培養液でのターンオーバーを促すようなケア法なら極端に若返らなくても、常にキープができる。みんな「強い」言葉や効果に飛びつきがちですが、その持続性を考えて、一度立ち戻ってもいいと思います。 それとアイテムをたくさん使って過剰にケアをすると、肌が元に戻ろうと余計な油分をだそうとして、余計乾燥肌に。そしてまたそこにクリームを加えたくなるというような、悪循環が起こってしまうこともあるんですよ。
僕、実は拭き取り化粧水、保湿化粧水、美容液、クリームとたくさんアイテムを使っているから反省中。2アイテムぐらい削ろうか思案中です。
真司郎くんは元の肌がきれいなんだからアイテムはもっと減らして大丈夫!ちなみにヘアケアも同じで、沢山のシャンプーを使って、しっかり2度洗いなんてしてしまうと、油分が出にくい人は頭皮が乾燥して抜け毛の原因になることも。シャンプーは少ない量を使うことをおすすめしますし、(洗うことでトラブルが起こすこともあるので)1日に朝晩2回のシャンプーはやりすぎかなと思います。
肌は内側のうるおいが大事。シンプルなケアを by森 ユキオ
森さんの豊富な知識と経験から今、おすすめのスキンケア法ってなんですか?
若い人の肌は、28日で皮膚の細胞を再生し、ターンオーバーを回しています。それが年を重ねて50、60歳になると80日ぐらいかかるようになるんです。中には年に3回しかターンオーバーができていない人も。肌に浸透する成分の大きさは表皮で分子量3000以下、その更に奥の真皮では分子量500程度と言われていて、スキンケアが肌に浸透するのはなかなか難しいのが現実。ヒト幹細胞培養液は真皮層にある真皮幹細胞に働きかけターンオーバーを促すことができると言われています。そういった再生医療を美容で利用するのも選択のひとつです。例えが極論ですが、みかん。いくら外側の皮のケアをやっても、中が腐ったらしぼんで美を保てません。肌も同じで内側のターンオーバーが整っていれば、表皮のケアはシンプルでもハリ感のあるお肌になれる、という理論です。
僕はインナードライで、保湿するためにアイテムを増やしていたけれど、それって表面を潤しているだけだったのかもしれません…。
肌科学から考えると化粧水はマストではないと思います。美容ローションかクリーム1つでも良いかと。表皮に関しては、適量の油分でシンプルにケアする。高温多湿の日本では、それくらいでちょうどいいと思います。
そんなに少ないケアは少し勇気がいるな(笑)でも、紫外線からは守った方がいいんですよね?
紫外線はビタミンDを生成しますが、こと美肌という観点からだと、シミ、シワ、たるみなどエイジングの原因に。なので、日焼け止めは塗ることをおすすめします。 人って神秘的な生物なんです。肌の表皮も素晴らしいバランスで保てるようにできている。 ポリシーの3つ目でもあるのですが「運動と睡眠」も美肌を育てる上ではとても大事。運動をすると質のいい睡眠がとれますよね。 運動で代謝を促して、質のいい睡眠で細胞を修復させる。質のいい睡眠をとる上では、水素にも注目しています。 真司郎くんは、日ごろから運動をしていると思うので、シンプルケアで美肌は保てると感じています。そういえば、少しのストレスは若返りには効果的なんですよ。完全にストレスがないと人って老けてしまう。
僕はライブとかでいつも適度な緊張感があるので、ちょうどいいかも! 水素って摂取しても意味ない説、聞くことありますが…、本当のところはどうなんでしょうか?
それは、水素をきちんと閉じ込められていないもので摂取しているから。水素って老化とか病気の原因の9割と言われる悪玉活性酸素を抑制するのに副作用がないんです。そして宇宙で1番軽くて小さい分子なので体の中のどこにでもいき、腸内環境も改善に導き、腸と密接な関係にある自立神経も整う可能性が高いです。
――STORY世代は時間がない人が多いのですが、お二人のおすすめの隙間美容法を教えてください
僕は直接的なスキンケアではなく、心と体を整えることに時間を使います。例えば、少しイライラする時は、深呼吸を1~2分したり。電車やエレベーターの中でも簡単にできます。10分ほど時間があったら、YouTubeを見てヨガをすることもあります。驚くほど心が整うんですよね。
時間の使い方がすばらしい、さすがですね。健康=美だと思うから、そこへのアプローチをします。普段、僕はあまり座らないようにしていて。人は構造的に座ることに向いていないそうです。座ってばかりいると、筋力が弱まり、足が悪くなり、年齢を重ねると歩けなくなったり。周りを見ても、歩いている人、立っている人には若さがあり、それが美しさに繋がっていると感じます。立っているだけなので簡単です(笑)。
僕は散歩も大好きなんですが、散歩している時って頭が整理されてアイデアもわく。美容にもいいなら一石二鳥ですね。僕は今、先日できてしまった帯状疱疹の跡が少し気になるのですが、どんなアプローチがおすすめですか?
消えない跡やシミなどは美容医療でレーザーのカウンセリングを受けてみてよいでしょう。ただしレーザー後は紫外線が、オゾン層に穴が開いたところに降り注いでいるようなものなので。レーザーで処置する場合は、必ず秋にやってください。傷跡の治り方って、人それぞれ体質があって、すぐ元に戻る人もいれば、黒くシミになってしまう人も。色素沈着しやすい人は1年以上消えない場合もあります。もうひとつは肌の奥のケアができるポレーションを使ってケアをしていくのも効果的かと思います
運動やインナーケアでまずは健康を保つ自然な美容法を実践したい by與 真司郎 それぞれの美しさが必ずある。同じ美しさを目指さず、年を重ねることを受け入れて by森 ユキオ
――まだまだ偏見のある男性の美容。お二人は、どうお考えですか?
僕は美容歴38年。デヴィッド・ボウイとかに憧れて、小学生6年生の時にヘア・メイクアップアーティストになると決めた。これまでの経験の中で、男女の差や年を重ねることなどの多様性を科学的なことで整理するのはおかしいと感じているんです。美しさって色々なパターンがあり、どんな美しさでいるかは自由。それなのにある1つの指針を目指すのは健康的ではないと思うんです。だから、美容をすることに対してボーダーレスになってきた今の世の中は素晴らしいと思います。ただ、世の中に間違っていることも含めて情報が溢れすぎていて、取捨選択することの難しさもある。男性も肌を整えたり、美容もすべきだとは思いますが、正しく実践できている人がまだ少ない印象。メンズ美容の疑問をなくしていく上で、與さんのような影響力がある人のポジティブな発信は、大事だなと痛感しています。
僕の周りは、美容の意識が高い人が多いから、男が美容をすることは当たり前になっていますが「男が美容なんて…」とネガティブな気持ちを持っている人がいるのなら、「男が美容をして何が悪い?」と聞きたい。だって、美=健康だと思うから、健康を意識してケアすることは当たり前のことだと思うんです。ただ、今日対談させていただいて、自分のケアは少し過剰かも、と感じました。スキンケアもサプリメントもアレもコレも、と手を出してしまっているので…。 これからの目標は美容においてシンプルにそぎ落とすこと。人生を楽しんで自分の生き様を表現できるような自然な美しさでありたいです!
過剰に色々なものを隠して成功していった50歳以上の例なんてないと思うんです。影あってこその光。年を重ねると肌だけでなく体がすべて老化してくるので、運動、睡眠、食事、バランスよくケアしないと本来の自分をなくし、人工的になってしまう。きれいに年を重ねることを受け入れた人がいちばんきれいだと思います。僕自身、ある程度は努力して健康的な美しさは保ちたいとは思っていますが、美容ばかりでは人生が健康的ではない。正しい知識をもち最良のシンプルなケアをし、大切な時間を友達に会うとか、趣味をするとか、自分磨きに使い、総合的に魅力的な人間でいられたらと考えています。
撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY) ヘア・メイク/佐藤真希 スタイリスト/SUGI(FINEST) 取材/味澤彩子
おすすめ記事はこちら
▶森ユキオさん流【NEWAとステムボーテで最大限キレイを引き出す方法】