高松空港開港35周年 パブリックアートの宝庫!ファミリーでアートを楽しむ小豆島の夏旅|Mart

香川といえば、うどん!いえいえ、それだけではありません!近年瀬戸内国際芸術祭で話題を集めている小豆島をはじめとする数々の島には瀬戸内国際芸術祭に出展されているアートも数多く点在して、景色の美しさと相まって訪れる人をうっとりさせてくれるもので溢れています。特に、今年は高松空港開港35周年ということもあり、アートに関してのイベントもたくさん企画され、アート県として注目されている今一番熱いエリアなんです。今回は、香川の島の中でも、「瀬戸内の地中海」とも言われている小豆島で、自然とアートが響き合う非日常的な空間を巡る旅を紹介します。

有名アートがお出迎え!唯一無二のアーティスティックな空港

旧貴賓室は国内線出発ロビーの待合所として旅客の方であれば誰でも利用可能。

羽田空港から約80分で到着する香川県の玄関口・高松空港。空港を中心にその周辺に点在する有名アート作品が織りなす空間は決して他では味わうことのできない優雅で癒しの雰囲気が広がります。

まず目に入るのが、ターミナルビル1階・国際線の到着ロビーにある作品「Welcome」(作家名:ヴェロニク・ジュマール/2013年)です。

天井から垂れる金色の幕は塔のようでその作品名の通り、高松に降り立った人々を暖かく出迎えてくれます。風によって反射する風景もゆらゆらと揺れてさらに存在感を放っています。

窓全体にフィルムが張られているのも実は作品で、同じ作家による「Funny Blue」(作家名:ヴェロニク・ジュマール/2013年)というもの。フィルム表面は雲のような柄に見えて、フィルムを通して見ると、角度によって色々な色に見えるユニークなもの。

また、ぜひ立ち寄ってほしいのが国際線出発ロビー。20世紀を代表する家具デザイナー ジョージ・ナカシマのチェアやテーブルが置かれており、出発前・到着後のひとときをゆったりと過ごすことができるんです。ジョージ・ナカシマの家具を製作しているのは、ナカシマが家具づくりを始めた場所であるアメリカ・ニューホープの工房と、ここ高松市の桜製作所だけという大変なレアもの。人の行き来がありながらも落ち着いた空間なので、アート作品に囲まれながら名品チェアで一息ついてこれから始まる旅の計画を練ってはいかがでしょう。

時間があったら是非立ち寄りたいのが、空港を出てすぐの広場にある「Time and Space」です。アメリカ・ニューヨークを拠点に、晩年は高松市牟礼町にアトリエを構えた有名彫刻家、イサム・ノグチによるものです。

高松市牟礼町は、良質な花崗岩である庵治石( あじいし)の産地・庵治町に近く、石を加工する技術や職人集団が数多くいたことで知られています。この作品はノグチのパートナーであった高松市の石匠・和泉正敏氏の手によって1989年に完成されました。遺跡のようにも思える大きな作品は、庵治石の塊を積み重ねたもの。作品を通じて大地との一体感をこんなにも自然に感じられるのはこの土地ならではの特権かもしれません。


小豆島は絶景に溶け込む自然×アートの宝庫♡

高松空港からいざ小豆島へ!島旅するなら超お得なチケットを利用すべし。

なんと小豆島まで、高松空港から高松港へのリムジンバスとフェリーの乗船券が往復分セットになって大人¥2,900なんです。小豆島の主要港(土庄港・池田港)どちらでも使え、差額を支払えば、土庄行きで運航されている高速艇にも乗船できちゃいます。しかも有効期限もたっぷり1週間あるので、しっかり島の滞在を堪能できます。高松空港ターミナルビル1F 到着ロビーインフォメーションセンター横の自動券売機で購入することができます。

お問合せ先/高松空港インフォメーションセンター、営業時間8:30~21:40(最終便到着まで)

フェリーで土庄港に着くと、金色に輝くオリーブがお出迎え!

日本で初めてオリーブ栽培が成功したことで有名な土地の象徴にふさわしいオブジェ。オリーブの葉を王冠のかたちに仕立てた彫刻「太陽の贈り物」は韓国を代表する現代アーティストのチェ・ジョンファ氏の作品。金色に光り輝く円環からは海が眺められ、この風景ごとアート!

3年に1度開催される芸術の祭典「瀬戸内国際芸術祭」で、その大きな会場になる小豆島には会期外でも作品を鑑賞できる素敵な場所がたくさんあります。バスもありますが、ぜひレンタル自転車で走って風を感じながら、自然の中に溶け込むアート巡りを楽しんでみてください。

今回は本当にたくさんあるエリアの中から、ここだけは外して欲しくないおすすめエリアを3つ紹介します。

①港からも散歩がてら歩いても!街自体がアートの「迷路のまち」

土庄港から徒歩15分、ここ小豆島の土庄・本町は、「迷路のまち」と呼ばれ、かつて瀬戸内海の海賊や強い海風からまちを守るため複雑な路地が作られたと言われています。路地へ入ると三叉路が何十カ所もあり、まさに迷路。自然のつくり出す奇跡のようなアートとも言えるエンジェルロード、妖怪美術館などを周りながら、ローカルスーパーや地元の飲食店に立ち寄り、地元で人気のお菓子や雑貨屋さんでお買い物。古い建物をリノベーションしたギャラリーやカフェの数々も要チェック!時間を忘れてタイムスリップしたような空間に心解き放たれます。小豆島で唯一まち歩き観光が楽しめるエリアです。

小豆島から1日に2回引き潮の時間前後2~3時間ほどだけ現れる真っ白な砂浜の道、「エンジェルロード」。 「大切な人と手をつないでエンジェルロードを渡ると願いがかなう」といううわさがあり、デートスポットとしても人気。エンジェルロードがあらわれる時間に合わせての営業される小豆島国際ホテルのカフェも要チェック!

呉服屋の蔵や倉庫など古い建物を活かした妖怪美術館。伝統的な妖怪から現代に生まれる妖怪まで、展示作品は900点以上とか。夜、懐中電灯で探検しながらじっくりと鑑賞するのもおすすめ!ここでしか味わえない新しい感覚を体験できること間違いなし!


②日本のエーゲ海と呼ばれる異国情緒たっぷりの道の駅 小豆島オリーブ公園

小豆島といえばオリーブ!白いギリシア風車がトレードマークで、映画「魔女の宅急便」のロケ地としても有名な公園です。公園内で無料で貸出しているほうきにまたがり、主人公キキの気分で記念撮影する人も♪ 海を見下ろす小高い丘には約2000本ものオリーブの木や130種類ものハーブが植えられ、美しい海とのコントラストが絶景です。

オリーブの葉の粉末を使ったご当地オリーブソフトは必食!限定のエキストラバージンオリーブオイルをかけたものもクセになる美味しさ!

オリーブを使った商品がオイルをはじめ、お菓子からクラフト、コスメまであらゆるメーカーのものが揃い、オリーブラバーにはたまらない施設です。

オリーブ公園と地続きの小豆島オリーブ園で日本最古のオリーブの原木&オリーブ100年の森。

 

 

小豆島は醤油の名産地としても歴史がある。醤油・佃煮工場が軒を連ねるエリア、「醤の郷」。明治時代に建てられた工場やもろみ蔵は今も健在。雰囲気ある街並みをゆっくり散策したい。


オリーブ公園からバスで10分、醤の郷の一角にあるオリーブ畑の中にあるオリーブの身のような大きなオブジェも必見!この空間に馴染んだ白い楕円にリーゼントがユニークすぎます。人と人とを繋げたいとの思いで、側面にくぼみを作り、野菜や果物を置いて無人販売所として使われていたとのこと。小豆島を代表するアート作品の一つ(作家:清水久和氏)


③親子三代で遊べるテーマパーク 二十四の瞳映画村

「二十四の瞳」は、小豆島出身の女流作家である壷井栄が書いた小説で、1954年と1987年に映画化されました。その1987年版の映画の撮影に使用された、ロケ用のオープンセットが残る場所です。海に面した約1万平方mの敷地には、昭和初期をイメージした民家や漁師の家などが軒を連ね、ノスタルジックな雰囲気が漂っています。壺井栄文学館や松竹座映画館をはじめ、1950年代の映画ギャラリーを備えたキネマの庵、食事処、喫茶、みやげ物店などもあり、昭和の時代にタイムスリップしたかのよう♪大人は懐かしく、子供には新鮮な体験が楽しめること間違いなしです。

瀬戸内国際芸術祭作品の展示は「漁師の夢」と「愛のボラード」の二つの作品を見ることができます。

消しカスアートで有名な入江早耶さんの作品。部屋にずらりと飾られた魚の絵や魚拓は、「この家の漁師は実は魚のコレクターで、たくさんの魚を集めていた」というストーリーを表現しているそう。中央のケースのなかには、魚の絵を消しゴムで消し、その際の消しカスを使って、人魚や弁財天を造形したものが飾られている。

海沿いの駐車場にたたずむ『愛のボラード』。『オリーブのリーゼント』を手がけたアーティスト、清水久和さんによるもの。海と空に映える真っ白な巨大立体オブジェで、思わず触れたくなるなめらかな曲線美が印象的。船を繋留するための岸壁にある柱(=ボラード)をモチーフにしているそのだそう。

SNS映えする壁画アート「恋のダンスパーティ」や、往年のスターが壁画パネルになった「シネマ・アートウォール」なども見逃せません!

アクセスは、渡し船を利用するのがおすすめ!「小豆島オリーブ公園」を下った目の前の船着き場から渡し舟が出ており、車移動の半分の時間、約10分で行くことができます。




 小豆島は夏旅にもってこいです!ここには古き良き時代の日本の夏があります。高松から日帰りでも十分楽しめますが、1泊2日の滞在にして美しい海での海水浴、バーベキュー、虫とりなど夏の大自然と戯れる体験もおすすめです。

今年の夏休みは家族で小豆島に出かけてみませんか?

高松空港35周年記念限定のお土産が早くも話題に!
自分でお菓子を詰めて作るオリジナル「アートお菓子BOX」


今年開港35周年を迎える高松空港。アート県香川での思い出をお土産でも楽しんでもらえるようにとの思いで、香川にゆかりのある有名アーティストの方々と連携して作ったアートBOXに香川の人気銘菓を各々が好きなように詰め合わせられるお菓子ビュッフェが7月15日から始まります。お菓子は香川の人気銘菓のミルク饅頭「讃岐おんまい」(ルーヴ)をはじめ、10数店舗のお菓子がお目見えする予定です。
この企画を皮切りに、高松空港のアート化企画が本格加速化していきます。地元アーティストだけでなく、学生の作品も積極的に取り上げていくそうなので、ますます高松から生まれるアートから目が離せません!

撮影協力/高松空港、香川県観光協会、小豆島観光協会 取材/atrio