AIに仕事を奪われないための「キャリアフリーダム」に必要な4つの能力【専門家の見解は】

ChatGPTなど生成AI機能がより進化して身近になり、私たちの仕事をとりまく環境もめまぐるしく変化しています。自分がやりたいことを選び、自分らしく働くことができる「キャリアフリーダム」な状態を手に入れるために必要なことについて考えます。

知っておきたい!「キャリアフリーダム」に必要なこと

「キャリアフリーダム」に必要なのは、変化に応じて自分の意思で自由にキャリアを形成することができる力。詳しくお話を伺いました。

「キャリアフリーダム」に必要な考え方4つ

    「キャリアフリーダム」に必要な

    1.変化に対応できること
    時代は確実に変化していて、変化はさらに加速するでしょう。だからこそスキルや経験に加えて変化適応力を高める必要があります。世界に目を向け、世の中でどんな変化が起こっているか意識することも大切。今までの働き方にこだわりすぎたり、とらわれていると苦しくなる可能性も。時代の変化を素直に受け入れ「このほうがいいな」と自分が思える方向性を主体的に選択していきましょう。

    「キャリアフリーダム」に必要な

    2.主体的に考えること
    昇進や昇格を待つのではなく、自らが主体的に組織との関係性を築き、働きかけていく姿勢が大切です。ポイントは仕事の中で自分にとって大事なものを見つけること。充実感を覚えるのはどんな時で、それを増やすためにはどんなスキルや経験が必要かを意識して主体的に行動してみましょう。自分の仕事が世の中にどう還元されているかを知り、働く価値や意義を認識することも主体性を高めます。

    「キャリアフリーダム」に必要な

    3.年齢や枠にとらわれないこと
    30代になると仕事に飽きを感じたり、成長の実感が持てず、今後に不安を感じることも。定年退職後、80歳を超えてからプログラマーとして活躍された方が話題になりましたが、キャリア形成は何歳からでも可能。年齢や枠にとらわれることは、可能性を自分で閉ざすこと。「00歳だからもう遅い」という考えから脱却し、周りの声や一般的な意見にとらわれず、キャリアは自分次第で決めていけることを忘れないでください。

    「キャリアフリーダム」に必要な

    4.一人で考えずにいろいろな人と対話すること
    多くの人がキャリアについて一人で考えがち。一人だと価値観も考え方も偏ります。周りから意見をもらうことで自己認識が深まり、周りの人と話すことで視野も広がり、客観的に自分の現在地を確認できます。多様な考え方の人に意見を求めることで、常識や「ねばならない」にとらわれていることに気づくかも。日頃から人と仕事について対話することで自分の可能性、選択肢、柔軟性が広がり、不安を軽減する効果も。

仕事との向き合い方で使える〝ikigai〟チャートが話題です!

自分らしく強みを活かして働ける

自分らしく強みを活かして働ける場所をみつけるヒントに
自分にとって最も自己実現できるキャリアを見つけるためのヒントにしたいのが「ikigaiチャート」。「好き」「得意」「お金」「需要」の順番でチャートに書き出し、4つの要素を満たすものが生きがい(ikigai)を感じて生きていく核となり、キャリアを考える上でのヒントになります。特に仕事と切り離すことができないのが「お金」。自分にとって満足できるお金がどれくらいなのかを見直すことは、周りの価値観にとらわれず自分らしく働く上で重要です。

キャリアもファッションのように「自分に合うものを選ぶ」のが大切です

キャリアはファッションのようなもの、自分自身を表現でき、「選べるもの」なんです。ファッションなら試着をしたり、店員さんからアドバイスをもらったり、カラー診断を受けたりしますよね?
キャリアも同じく診断をしながら「自分らしく、自由に」選んでいくものなんです。多様な価値観に触れながら、仕事において自分が大切にしたいことや働く意義をしっかりと見直し、変化の時代の中で主体的にキャリアを選んでいきましょう。私たちの協会の代表である法政大学の田中研之輔教授は「キャリアは蓄積である」と言っています。現在と未来の目標とのギャップを見極め、今までの自分がどんなスキルを積み重ねてきたかを洗い出し、今から何を積み上げていくかを考えて、自分自身のキャリアをデザインしてみてください。

お話を伺ったのは…

お話を伺ったのは…プロティアン・キャリア協会/4designs(株)CGO・栗原和也さん
キャリア自律の推進・講師を務める。外資系IT企業で5,000名超の学生と対話した経験から、若い世代のキャリア支援に力を注ぐ。

イラスト/雨月 衣 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc