感情を突き動かされる!韓国「ドロドロ愛憎劇ドラマ」4選
「最近、感情をつき動かされたことがないかも・・・」そんな風に思うことありませんか? 平穏なことはいいことだけれど、時々欲しくなる刺激。それを、韓国ドラマが叶えてくれます。今回は、見始めたらジェットコースターのような展開でとまらない”どろどろ愛憎劇”の韓国ドラマ4選。うなるような脚本と演出、そして名俳優達の演技で、想像の斜め上をいくような展開もなぜかハマって夜更かししてしまう珠玉の作品を紹介します。
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泣いてストレス発散! 号泣必須の韓国ドラマ4選
1.『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』シーズン1、シーズン2
<STORY>
建築家になることを夢見るムン・ドンウン(ソン・ヘギョ)は高校時代、同級生から壮絶ないじめを受ける。親にも担任にも裏切られ、自主退学に追い込まれ後、これからの人生を復讐に捧げることを誓う。16年の年月が経ち、ドンウンは偶然を装い、自分をいじめたパク・ヨンジン(イム・ジヨン)、チョン・ジェジュン(パク・ソンフン)らに再開、華麗なる復讐劇が始まる。一方、大学の先輩チュ・ヨジョン(イ・ドヒョン)と出会い・・・
<ここが見どころ!>
『トッケビ』『太陽の末裔』などで知られる脚本家・キム・ウンスク作家、大スター、ソン・ヘギョの『太陽の末裔』以来の7年ぶりのタッグ、しかもラブストーリーではなく社会派復讐劇とあって、配信前から注目されていた本作。壮絶で生々しいいじめの描写、あまりにも不幸な主人公の生い立ち。と目を背けたたくなるような描写、展開にも関わらず、見始めるとノンストップであっという間に最後まで見てしまうのは、張り巡らされた伏線とその見事な回収。随所に散りばめられた、それでも人間は人間に救われるという希望。俳優達の役割に徹した憑依したような不気味な演技に依存性があり、陰と陽で魅せるただのドロドロ愛憎劇なだけではないから。「いじめ」が社会問題となっている韓国でその壮絶さを視聴者につきつけ、意見を問うかのような製作者、俳優の気概を感じる作品です。
2.『夫婦の世界』
<STORY>
女医として充実した毎日を送るチ・ソヌ(キム・ヒエ)は、優しくかっこよく家庭を大事にしてくれる映画監督の夫イ・テオ(パク・ヘジュン)、可愛い息子と一緒に正に完璧と思えるほどの幸せな毎日を送っていた。ある日、帰宅した夫のマフラーから自分のものではない長い髪の毛をみつけ浮気を疑い始め、日常のバランスが崩れ始める・・・
<ここが見どころ!>
イギリスで大ヒットした『女医フォスター 夫の情事、私の決断』(BBC)のリメーク。『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』がもっていた視聴率28%という記録を破り、韓国ケーブル史上歴代最高視聴率1位を記録したメガヒットドラマ。完璧だったはずの主人公の毎日が、ふとしたことをきっかけに崩れ落ち、信じていた世界が崩壊しすべて嘘だったことに気が付かされ、すべて一変していく怒涛の展開は、序盤から見るものを引き込んでいきます。とにかく腹が立つ夫イ・テオの言動に、「私だったらどうするだろう? 」と考えながらも強く立ち向かう主人公にスリルと爽快感を味わえ、人間の執着、複雑な感情、家族の形についても考えさせられます。本作で愛人ヨ・ダギョンを演じブレークしたハン・ソヒ。男性を翻弄するそのあまりの美しさも物語に華を添えています。
3.『SKYキャッスル~上級階級の妻たち~』
<STORY>
富、名誉、権力を手にする者だけが住む高級住宅街「SKYキャッスル」。SKYキャッスルに整形外科医の夫と娘2人と暮らすハン・ソジン(ヨム・ジョンア)は、なんとしても娘をソウル大学医学部へ入学させるべく受験を成功させた隣家のイ・ミョンジュ(キム・ジョンナン)から合格の秘訣として高額で入試コーディネーターを雇ったことを聞く。そんな中、ミョンジュが猟銃自殺をはかり、ミョンジュの夫スチャン(ユ・ソンジュ)も病院を辞め失踪。更に、SKYキャッスルの住民とは考えが異なる新たな住民が引っ越してきて波乱が起こり始める・・・
<ここが見どころ!>
実際に自殺者もでるほど、韓国で社会問題となっている過剰なお受験戦争や格差社会。それらを風刺し警告をならすテーマを軸に、スリリングな展開、時にコミカルに、キャッチーなセリフや新鮮な映像技術が話題となり、視聴率1%台からスタートし、最終回では驚異の視聴率23.8%を記録し社会現象を起こしたブラックコメディ。タイトルの「SKY」は最難関大学(突出していて雲の上の存在と言われている。)と言われるソウル(S)、高麗(K)、延世(Y)各大学の頭文字。SKY以外は認めないという風潮さえある上流社会に一石を投じた刺激的な展開がこのドラマのハマってしまう魅力です。富裕層内でのマウンティング、受験コーディネーターの存在、受験によって歪んでしまう親子関係や子供の人格・・・韓国あるあるとも言える社会状況を凝縮したよう演出がいくつも散りばめられ、韓国エンタメにハマっている人なら、見ておくべきとも言えるのではないでしょうか。放送当時は、BTSのRMなど人気スターもハマっていることも話題に!
4.『MINE』
<STORY>
様々な事業を行い国内でその名を轟かせる財閥・ヒョンウォングループ。長男の妻チョン・ソヒョン(キム・ソヒョン)と次男の妻である元女優、ソ・ヒス(イ・ボヨン)は、大邸宅の中で誰もがうらやむ生活を送っていた。ある日、ソ・ヒスの夫が息子の家庭教師を解雇し、新しい家庭教師カン・ジャギョン(オク・ジャヨン)が雇われる。ミステリアスな雰囲気を持つジャギョンが現れてから徐々に息子は変化し、事態が急変していき・・・
<ここが見どころ!>
財閥の後継者問題、女性問題を軸に、人間の嫌な部分があぶり出され、嘘をつき裏切りの連鎖が続いていくサスペンス。膨大な資産をバックに自分勝手なふるまいを見せ、なんでも自分のものと信じて疑わない傲慢な財閥の面々。信じて裏切られてお金や地位を取り巻く思惑や陰謀が常にうごめく中、夫も使用人も子供も信用できない世界で生きいくことは、どんなに資産が潤沢にあっても果たして幸せなのか。一見ハラハラドキドキ系だけの物語かと思いきや、人にとって何が幸せかを問われているかのような衝撃を心に残します。また、このドラマが新鮮なのは今の時代の女性達の新しい生き方を描いているところ。ジェンダーへの問いかけ、男性に守られる存在ではなく自ら立ち向かっていく強さ、自立した姿などスリリングな展開の中に、凛々しくかっこいい女性の描き方は、作品が私たちの味方のようにも感じ勇気づけられます。また本作は、登場人物のハイセンスなファッション、ヒョンウォン家のロケーションも見どころの1つ。ディオールやドルチェ&ガッバーナ、ロエベなどのハイブランドから、韓国の新進気鋭のデザイナーズブランドまで、生活感を全く感じさせない華やかで洗練されたファッションは見ているだけで楽しめます。アラフォー女性だからこその主人公ソヒョンとヒスの大人の美しさにも、魅了されるはず。ヒョンウォン家のロケ地として使われたのは江原道にある「ミュージアムSAN」。安藤忠雄さんが設計した自然と芸術が調和した建築は一見の価値ありです。
文/味澤彩子
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