【細田佳央太さんインタビュー】「〝ウェルビーイング〟は僕の大きな目標と重なる考えだと思っています」
幼い頃から演技のお仕事を始め、大河ドラマ『どうする家康』の信康役も好評の細田佳央太さん。有観客では初めての舞台出演にしてタイトルロールを演じる『メルセデス・アイス MERCEDES ICE』上演を前にお届けしているインタビュー、後編では細田さんのパーソナリティと〝ウェルビーイングなこと〟についてお聞きしました。
――CLASSY.ONLINEには初登場の細田さん、ご自身の性格の長所と短所を教えてください。
短所は気分屋なところです。ずっと直したいと思っていますが、直っていないです。長所は…何でしょう? 一応、物事をちゃんと考えるところですかね。石橋は叩いて渡りたい派です。長期的にも考えて、何歳までにはこんなことを実現していたい、ということを思い描いたりもします。いま21歳ですが、一番近い目標は25歳になったときに仕事のペースが今以上になっていることです。
――周りの方からはどんな人だと言われますか?
ドライな要素が強いようで、急に人に関心が無くなったりします。自分が怒る前に相手を突き放すタイプです。周りもこれを認めているのか、僕がドライなことを言っても驚かないです(笑)。なんか、言葉にするときついですね(笑)。でも、こうなったのは失敗した経験があるからなんです。以前、共演の方達に自分の考えをわかってもらおうと話したことがあるのですが、上手くいかなかったんですよね。お世話になった監督にそのことを相談したら「あなたは今後もずっと皆の面倒をみられるわけじゃないよね? 最後まで面倒をみる覚悟がないのに言ったのだとしたら、自分の考えを押し付けただけの無責任な行動だよ」と言われました。僕はよかれと思ってやったことでしたが、相手のためになるとは限らないということを初めて知りました。それから、押し付けてこじれてしまうよりは距離を置きたいと考えるようになったんです。でも、これからも長く付き合っていきたいとか、本当にわかってもらいたい相手には本気でぶつかっていくと思います!
――「これをしているときが一番楽しい!」のは何ですか?
くらだない話をしているときが一番楽しいかも! 現場でちょっとした恋バナとか聞くの、大好きです(笑)。コロナ禍の規制が緩和されて皆で食事に行くことができるようになって、芝居の話をする機会が増えたのもやはり嬉しいです。聞くより話すほうが好きなんですが、話すことでストレスを発散しているんだと思います。くだらない話だけでなく(笑)、疑問に感じたり憤りを覚えたりしたときは信頼している人に話しています。話すことで自分が何に引っかかっているのか頭を整理することができるんです。自分の考えは正しいのか、周りはどう感じるのか確認したいんだと思います。
――CLASSY.が発信しているウェルビーイングな考え方について、細田さんが実践されていることなどがあれば教えてください。
ウェルビーイングな考え方って、とても素敵ですよね。僕の大きな目標と重なる考えだなと思っています。その目標というのが、僕が死ぬまでにこの業界の労働環境を改善したい!ということです。ハードなスケジュールが当たり前になりすぎているんですよ。睡眠時間なしと睡眠時間8時間だったら、どちらのパフォーマンスがいいか精神的に余裕ができるか一目瞭然なのですが…改善されていません。スタッフさん含め誰もがきついと感じて変えたいと思っているのだから、まずは監督や演者が主張していくべきなのではないかと考えています。最近は先輩方が声をあげてくださっているので、賛同したいと思っています。賛同した僕の存在や言葉に説得力が生まれるように、自分の立ち位置を確立していかないといけないと思いながらお仕事をしています。そして、近い将来、自分一人がではなく皆が恵まれた環境になることを願っています。
――フィジカル面で行っているウェルビーイングなことはありますか?
心と身体を癒すために、睡眠、食事、お風呂の3つを大事にしています。睡眠は長いほうがいいですが、短い場合は質にこだわります。地方が続くときは愛用のパジャマやホットアイマスクを持参して自分がリラックスできるように心がけています。食事は忙しくてもできるだけ抜いたりせずにきちんと食べています。ロケでお弁当が続くこともありますが、帰宅したらお風呂で体を温めることを忘れません。バスソルトを入れた湯舟に浸かるだけで疲労の回復が全然違います。疲れた顔でカメラ前には立てませんから!
――自分を甘やかしたりご褒美をあげたりすることはありますか?
先々にまとまったお休みをいただけたので、旅行したいと思っています。温泉に行きたいんですよね。奮発していい所に行きたいです!
――温泉やお風呂がお好きなんですね。
昔から温泉好きというわけではないのですが、今すごく入りたい!という感じです。「遊びに行く?」と聞かれたら「行かない」と答えますが、「温泉に行く?」と聞かれたら「行きたい!」と即答します(笑)。
――「これがあれば頑張れる」というものは?
いろんな方向性のモチベーションを持っていると思います。臨み甲斐のある役の依頼をいただけたら自己肯定感を高めることができ、仕事の結果に伴った評価をいただけたら次に向けて頑張れます。プライベートで飲みに行く予定があればハッピーな気持ちになりますし、飲まなくても好きな人と会う約束をしていたらその日に向けてワクワクしながら過ごせます。些細なことにもありがたみを感じることができる性格だと思っているので、その感性を失うことなく頑張っていきたいです。
せたがやこどもプロジェクト2023≪ステージ編≫
『メルセデス・アイス MERCEDES ICE』
せたがやこどもプロジェクト2023≪ステージ編≫である本公演は、各回150名(合計1500名)限定で18歳以下のお客様を無料でご招待(先着順、要予約・発券手数料、当日要証明書)。リドリー作品ならではのどこか奇妙で不思議な世界へと子どもたちを誘いながら、この夏休みに子どもにも大人にも心に残る演劇体験をお届けします。【原作】フィリップ・リドリー【翻訳】小宮山智律子【演出】白井晃【出演】細田佳央太 豊原江理佳 東野絢香 篠原悠伸 名村辰 大場みなみ 斉藤悠 今泉舞 松尾諭【日程】8月11日(金・祝)~20日(日)【会場】世田谷パブリックシアター
細田佳央太
4歳で活動を始め、多数のドラマや映画に出演。‘19年には1000人超の応募者の中から抜擢され、映画『町田くんの世界』で主演を務める。最近の主な出演策は映画『花束みたいな恋をした』『子供はわかってあげない』『女子高生に殺されたい』『線は、僕を描く』『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』、ドラマ『もしも、イケメンだけの高校があったら』『クレッシェンドで進めなど』『ドロップ』など。NHK 大河ドラマ『どうする家康』での松平信康役も好評。
【細田さん着用衣装】ジャケット¥44,000シャツ¥24,200パンツ¥26,200 <すべてトゥモローランド>サンダル ¥46,200<パラブーツ × ランドオブトゥモロー>(すべてトゥモローランド 0120-983-522)
撮影/平井敬冶 ヘアメーク/菅野綾香 スタイリング/岡本健太郎 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)