【花總まり×瀬奈じゅん】スペシャル対談!宝塚トップを務めた2人が考える「ウェルビーイング」
韓国の大ヒット映画『SUNNY』が世界初舞台化、東京・大阪で上演されることを機にお届けしているキャストの花總まりさん・瀬奈じゅんさんスペシャルインタビュー。後編では2人が考える〝ウェルビーイング〟について話をうかがいました。
―― CLASSY.が発信しているウェルビーイングな考え方についてお聞きします。花總さんは前回の取材で「ポジティブになんとかなるよ、と考える」と話していました。
花總 今も同じことを考えていました(笑)。
――そして、「固定概念を取り去って」
花總 そうそう!
-「あまり後ろは振り返らず、勝手に作った前も見過ぎず」
花總 そうそう!
―「『今今今!』。今を大切にして、そんな今を繋げていきたい」と答えていました。今も同じ考えで過ごしていますか?
花總 変わらず、今を大切に生きています! 加えて、「世の中、良いも悪いもない!」と思っています。
瀬奈 「良いも悪いもない!」を、もう少し詳しく教えてください。
花總 昔は怒りの感情を持ったときに、自分が怒った原因は何だろうと探していました。でも、これは自分に起きた出来事を悪いことだったととらえる作業なのではないかと思ったんです。「なんで、なんで?」と時間をかけて考えて悪いことだと決めつけるくらいなら、深追いする必要はないんじゃない?と思うようになりました! 生きていたら良い事も悪い事も起こります。わざわざ悪い事に固執するなんて、時間がもったいないです(笑)!
瀬奈 悪い事を深追いすると、過去にとらわれてしまいそうですね。
花總 そう、後ろはあまり振り返らないほうがいいの(笑)! 瀬奈じゅんちゃんはどんな考え方をしていますか?
瀬奈 私は気が進まないことより、楽しいとかワクワクすることを選択していきたいと思っています!
花總 私もワクワクすることのほうが好き! 今回の舞台も「何より楽しもう!」と2人で言っているものね!
瀬奈 今、宝塚音楽学校受験生のクラスを受け持っているのですが、ウェルビーイングについて話したことがあるんです。花總さんが話してくださったことと、重なる部分があるなと思って聞いていました。
花總 生徒さんたちに、どんなことをお話ししたか聞かせて!
瀬奈 周りをハッピーにしたいなら、まずは自分がハッピーでなければいけないと思うんです。そのためにはすべての物事のとらえ方が大切だと思っていて、生徒たちには『星の王子さま』の朗読劇を観に行ったときの話をしました。飛行士が最後に…。
花總 うん、そうなの!
瀬奈 花總さんはミュージカル『リトルプリンス』で花を演じられましたよね?
花總 話し終わってないのに共感しちゃって、ごめんなさい! お話を続けて!
瀬奈 (笑)。飛行士が最後に星を見上げて「王子さまはお花と仲良く暮らしているだろうな」と思うのか、「お花はなくなって王子さまは寂しがっているだろうな」と思うのかは、飛行士の考え方次第。どう考えるかで物語のエンディングが決まるんです。物語に限らず、自分に起きたことを良いほうにとらえるか、悪いほうにとらえるか決めているのは自分です。「私の人生はハッピーエンドになる?バッドエンドになる?」と考えることがあるかもしれませんが、自分の考え方次第でハッピーエンドにできる!ということです。お花を演じた花總さんの意見もお聞きしたいです。
花總 本当にそうですよね、考え方次第で180度違ってくるから。私も良いほうにとらえて、ハッピーエンドにしたいです(笑)! それと、自分だけが物事を悪いほうにとらえて悩んでしまうことってありますよね。周りからしたらまったく問題ないよ、ということを。
瀬奈 周りはまったく気にしていないということ、よくあります。
花總 悩むと視野が狭くなるから、誰かに話して自分を見つめ直すのもいいですよね。
瀬奈 私は朗読劇に行ってウェルビーイングな考えを再確認したので、舞台を観に行くのもいいと思います。
花總 ハッピーになれる、うってつけの舞台がありますよね(笑)!
瀬奈 観ると前向きな気持ちになれるミュージカル『SUNNY』ですね(笑)!
花總 前編インタビューの最後と同じになってしまいますが…。
花總・瀬奈 ミュージカル『SUNNY』、是非観にいらしてください(笑)!!
ミュージカル『SUNNY』
‘11年の韓国の大ヒット映画『SUNNY』を今回世界で初めて舞台化! バブル経済絶頂期の’80年代と現代の日本。’80年代ヒット曲にのせて、淡い青春時代と大人になってそれぞれの事情を抱えている彼女たちの今が交差する。■脚本・演出:西田征史 ■振付:akane ■出演:花總まり、瀬奈じゅん、小林綾子、馬場園梓、佐藤仁美/渡邉美穂、須藤茉麻/片桐仁/川村咲季、横岡沙季、古沢朋恵、伊藤友惠、伊藤彩夏、池田晴香、飯沼帆乃佳、菊田万琴、 浅倉智尋、鈴樹志保、井阪郁巳、寺田彩乃 ■公演日程:〔東京〕6月26日(月)~7月5日(水)東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)〔大阪〕7月9日(日)~13日(木)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
花總まり
’91年宝塚歌劇団に77期として入団。’94年に入団3年目というスピードで雪組トップ娘役に就任。’96年、日本初演となる『エリザベート』でタイトルロールを演じ、’98年に再演。’06年退団。トップ娘役就任期間は12年を超え歴代最長記録となる。’15年東宝ミュージカル『エリザベート』で再び主演を務め、’16年、’19年、’22〜’23年公演でも主演を務める。今年4月の『おかしな二人』など多数の舞台作品に出演。
瀬奈じゅん
’92年宝塚歌劇団に78期として入団。卓越したダンスで下級生時代から注目され、‘05年に月組トップスターに就任。’09年退団。退団後は東宝ミュージカル『エリザベート』、ミュージカル『アンナ・カレーニナ』のタイトルロールをはじめ、『ラストダンス~the musical越路吹雪~』、ミュージカル『エニシング・ゴーズ』等の舞台作品や、ドラマ『今日から俺は!!』等の映像作品でで活躍。8月にブロードウェイミュージカル『ビートルジュース』に出演。
撮影/木村 敦 ヘアメーク/野田智子(花總さん)、藤原リカ<Three PEACE>(瀬奈さん)スタイリング/戸野塚かおる(花總さん) 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)