もはやジャムとは呼べない感動が!おんせん県の最高峰コンフィチュール

低温スチーム製法でつくる「温泉コンフィチュール」

海外でも国内でも、旅先で見つけると、ついつい手が伸びてしまうジャム。旬のフルーツやその土地ならではの味覚をギュッと凝縮して瓶に詰め込んでいます。これまで様々なジャムを食べてきて、ついに最高峰を見つけてしまいました。おんせん県の別府鉄輪で見つけた「温泉コンフィチュール」をご紹介します。

フルーティーってこういうこと!ジャムの概念を塗り替える驚きの味わい

果物の香りと風味を活かした「温泉コンフィチュール」

ジャムといえば、パンに塗るだけではく、パンケーキやヨーグルト、アイスクリームなどに合わせたり、料理にも使えたりと用途も幅広く、冷蔵庫に常備しているという人も多いのでは。一般的なジャムはフルーツに糖類を加えて、ゆっくり煮詰めてつくるもの。フルーツと砂糖というシンプルな材料でつくるので、フルーツそのものの味はもちろんですが、その割合や火加減や加熱時間などによって味わいが変わってきます。

街中に湯けむりが立ち上る別府鉄輪温泉

今回見つけた「温泉コンフィチュール」が誕生したのは、温泉地として全国に知られる大分県別府市。「温泉コンフィチュール」を紹介する前に、おんせん県・大分県の“地獄”について少し説明します。大分県の中でも温泉の源泉数が世界一、湧出量は日本一という別府。街のあちこちに湯けむりが上がり、一般家庭でも温泉を引いている住宅があるほど温泉が身近な存在です。

温泉の蒸気で食材を調理する「地獄蒸し」

ここで人気の観光が「別府地獄めぐり」ですが、この“地獄”とは温泉の噴出口のこと。そこから、温泉の天然蒸気で食材を調理することを「地獄蒸し」と呼び、温泉地では宿泊施設などにある“地獄”で、野菜や卵、肉、魚介類などを調理して提供してくれたり、自分たちで“地獄”を借りて“地獄蒸し”体験ができたりします。

温泉や温泉の蒸気を使った調理が身近にあった別府鉄輪だからこそ地生まれたのが「温泉コンフィチュール」。そう、「温泉コンフィチュール」は鉄輪温泉の天然蒸気の40~95℃の低温スチームで“蒸して”つくっています。温度や時間は果物に合わせていて、それぞれのおいしさを引き出しているのだそう。

食べた瞬間、心を掴まれる予想を超えてくるジャム

大分県産の果物を使ってつくる「温泉コンフィチュール」

低温スチームの中では果物の酸化が少なく、栄養価が保たれます。また、果物そのものの酵素が働くので、素材本来の旨味と甘味を引き出しています。甘味や旨味が増し、フルーツがフルーツらしい味わいを残すこの調理法、「温泉コンフィチュール」がジャムとは思えないほどフレッシュでフルーティーな理由はここにありました。

「温泉コンフィチュール」は見た目にも果物の形状も残っている

また一目ぼれしてしまう美しい色や果物特有の香りがしっかりキープされているのも「温泉コンフィチュール」の特徴。ひと口食べたら虜になること間違いなし。いつものジャムとは別物です。温泉ミネラルとフルーツ酵素の力によるものなのだそう。

果物がそのままジャムになったような「温泉コンフィチュール」

スプーンですくってみるとわかりますが、果物の形が残っているんです。瓶の外からでもわかるこの形状もこの低温スチームだからこそ。食感も残っていて、例えば「ふじりんご」ならりんごのシャキシャキした食感、キウイなんて、すぐに崩れてしまいそうなのですが、ちゃんとキウイを食べている感じがするのがすごいですね。

果物の食感も残るのでりんごはシャキシャキ感が楽しめる

見た目で想像するのよりもはるか上をいく「温泉コンフィチュール」。これはぜひ実際に食べ手このおいしさを体験してほしいです。この特別感と見た目の美しさに食べる前から心を掴まれ、ワクワクしてきます。

フルーツ好きにこそ食べて欲しい!瓶に詰め込んだ果物の魅力

「温泉コンフィチュール」は果物の色もそのままで美しい

「温泉コンフィチュール」は旬の果物を使用して丁寧につくるため、時期によって種類がことなりますが、ほとんどの商品が大分県産の果物を使っています。そのまま食べてもおいしい果物を独自の製法で特別な商品に仕上げています。

この「温泉コンフィチュール」をつくっているのは、別府に明治32年に建てられた旧「冨士屋旅館」の4代目安波治子さん。現在は、明治期の建物をリノベーションし、1階にカフェとセレクトショップ、2階は「一也百(はなやもも)ホール」という音楽ホールになっています。丁寧につくられた「温泉コンフィチュール」はこちらのショップで扱っています。「一也百ホール」でクラシック音楽のコンサートが開催され、多くの音楽家との交流があることから、「温泉コンフィチュール」には音楽にちなんだ名前がついているのも素敵ですね。

見た目もきれいで飾っておきたくなる「温泉コンフィチュール」

見た目も美しく、ネーミングもおしゃれ、そして何より食べると感動的に美味しい「温泉コンフィチュール」。別府鉄輪まで出かけて温けむりの風景や温泉と一緒に堪能するのがおすすめですが、なかなか現地までは行けないというときはネットショップで購入することもできます。フルーツ好きにはぜひ食べて欲しい「温泉コンフィチュール」。ギフトを送る機会も増えるこの時期、大切な人への贈り物にもおすすめします。

はなやももオンラインショップ:https://hanayamomo.shop-pro.jp/

 

文/岡部 礼子