腸と同じく乳酸菌が活躍!腟内フローラを整える「腟活」でデリケートゾーン悩みを解決
加齢とともに感じるデリケートゾーンの悩み…。もしかしたら腟内フローラの乱れが原因かも?多くの患者さんから悩みを聞く宮本亜希子先生に、腟内フローラに関する知識と、正しいケアの方法を教えていただきました。
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⚪︎教えてくれたのは…PILLクリニック新宿院長・宮本亜希子先生
兵庫医科大学卒業。産婦人科専門医。婦人科美容・アンチエイジングなど女性の悩みに寄り添う。性教育やHPVワクチンの普及、女性が”女性であることを楽しめる”ためのQOL向上にも尽力。3児の母でもあり、自身の経験を生かし診療やメディア活動も行なっている。
女性ホルモン分泌が下がる40代は、腟内の菌環境が乱れやすくなります
「私たちの体には、健康維持のために、腸だけでなく様々なところで常在菌が働いています。腸の細菌の集まりはお花畑が広がったように見えることから”腸内フローラ”と呼ばれますが、女性の腟内には同じく”腟内フローラ”が腟内を酸性に保ち清潔な環境を維持してくれています。腟で主に働くのはラクトバチルス属と言われる善玉菌の乳酸菌ですが、加齢により女性ホルモンの分泌が低下し腟内の菌環境が乱れやすくなると、悪玉菌が優勢になり様々な不調を引き起こします。40代のデリケートゾーン悩みは腟内フローラを整えることが不調を解消する手助けになるかもしれません!」
女性ホルモン低下で起こる腟トラブル「GSM」は腟内フローラの乱れが原因かも
「”GSM”とは、閉経などにより女性ホルモン(エストラジオール)の分泌が低下したために起こる、泌尿生殖器症状の総称です。もともとは閉経後に起こる萎縮性腟炎・老人性腟炎と呼んでいましたが、閉経前の方の症状や、泌尿器周りの症状も含める概念に変わりました。GSMの中には乾燥や性交時痛など腟内フローラの乱れが原因かもしれない症状があります。」
症状としては、
- 乾燥…かゆみや痛み、臭い。腟内をふかふかにする潤いがなくなりペラペラに。
- 性交時痛…腟内の乾燥により、ヒリヒリ感じる。性交後の出血。硬くなって伸縮性がなくなる。結果としてセックスにネガティブ感が生じる。
- 筋肉や膀胱の動きの低下…尿もれや頻尿に。
腟内フローラを乱すNGアクションは避けて
「腟内はとてもデリケート。生活環境によっても乱れやすくなります。本来備わっている自浄作用が低下することにより感染症にもかかりやすくなります。カンジダは真菌の一つで常在していますが、腟内フローラの乱れにより過剰に増殖することもあるので注意が必要です。」
NGアクション
- 抗生物質をむやみに長期間服用する。
- 洗いすぎて細菌叢を乱す。
- 長時間同じタンポンを入れっぱなしにする。
- ストレスを溜め込みすぎる。
など
腟内フローラ改善には食べ物の効果も期待できます
「腸の出口と腟の入口はとても近く、菌も行き来していると考えられるので、腸活同様のメニューと考えてもらってOK。生きている菌を摂取できるプロバイオティクス食品(チーズやヨーグルト・発酵食品など)と、菌の餌となり菌活動を活性化させてくれるプレバイオティクス食品(オリゴ糖やはちみつ、きな粉など)をバランスよく摂りましょう。また、プレバイオティクスの中でも、ラクトバチルス菌と相性のいいラクトフェリン(初乳に多く含まれる鉄結合性たんぱく質)が含まれた食品もオススメです。」
腟活に望ましい菌活食品
大豆系サプリやプラセンタも腟の菌活にGOOD
「女性ホルモン分泌低下によって腟粘膜や外陰部が萎縮し薄くぺらぺらの状態になり、あらゆる不快症状を引き起こすことを萎縮性腟炎といいますが、女性ホルモンを補うことで改善されることもあります。ゆらぎ期の女性の健康のために、エクオールなどの大豆系サプリを摂られるといいですね。また、腟の潤い不足にはプラセンタも良いでしょう。ホルモンバランスが整い、腟内環境が改善されることは、腟の菌状態を正常にすることに繋がります。」
サプリやエキスで効率よく腟活を
ホームケアは注意が必要!
腟内はおうちでは洗わず、何も塗らない方がいい
「腟内を洗いすぎる行為は腟内フローラのバランスを崩し、その影響で感染症になりやすくなることもあります。そもそも自浄作用のある場所でもありますし、腟内に関しては触りすぎないというのがポイント。ただし過剰でなければ、腟内の状態を確かめるのはいいですね。ケアアイテムを週2〜3回使用し自分をいたわることはQOLを高めることに繋がります。外陰部など外側を専用ソープで優しく洗ったり、保湿することはオススメしたいです」
乾燥や臭いが気になったら「家庭用腟ケア器」で腟内バランスを整える
「当院でも取り扱いがありますが、家庭用腟ケア器でセルフケアもオススメです。美容医療でも注目されているLEDライト照射で腟内環境の改善や、アンチエイジングも。またマッサージ機能もあるので腟の緩みへのトレーニングにもなります」
性交時痛にはダイレーターもオススメです
「女性ホルモン分泌低下による腟の萎縮や、性交しなくなることで、腟はペラペラになり伸縮性がなくなっていきます。また、筋力の低下もさまざまな不調の原因になるので、腟トレーニングもお勧めします。スマホのアプリと連動させて腟圧の数値が確認できるのも楽しいですよ」
ホームケア機器を活用して腟トレも
スピリチュアル系は信じるべからず
「❝子宮が冷える❞という言葉は医学的にはありえないもので、体の中の臓器ですから生きている限りは冷たくはなりません。そういう眉唾の話にはなるべく耳を傾けないでいただきたいですね。また、スピリチュアル系の腟内に挿れるものなどにも注意を。法外な値段であったり、使用方法によっては感染症などの原因にもなりかねません」
美容医療に頼ってみるのもアリです
「腟ハイフや腟レーザー」で機能改善を
「美容医療で活用されているハイフやレーザーは腟ケアにも応用されています。ハイフは超音波、モナリザタッチなどはCO2フラクショナルレーザーです。腟ハイフは、湯漏れ・尿もれ・性交時痛に対応するタイトニング効果がメインですが、機種によっては潤いに効果のあるものも。レーザーは、乾燥や臭いが気になる方へ。ご自身の症状にどちらを選択するべきかは病院でご相談ください」
pillクリニックで使用している腟ハイフ
腟炎には「ホルモン補充療法」も
「更年期前後にはさまざまな不調が起こりやすいもので、ホットフラッシュなど辛いものには症状改善のためにホルモン補充療法を選択いただけます。症状をみながらの投与となり急に止めることは難しいものになるのですが、症状の中でも腟炎だけであれば、女性ホルモンであるエストリオールを直接腟内に投与することで改善されることもあります。我慢せずご相談いただきたいですね」
女性として楽しんでもらいたい!
「最後に… 人生100年時代となり閉経後の生活もまだまだ長く続きます。年齢とともに悩みが出てきますが、うまく付き合いながら、楽しめるように!そのお手伝いをさせていただきたいですね。夜のご相談もOK!1人で悩まずお話しにきてください。」
pill クリニック 新宿院
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取材/竹永久美子
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