“環境アクティビスト”吉川ひなのさんが教えてくれた 「“世界を幸せにする好循環”のために今すぐできること」
10代の頃からミューズとして愛され、今はハワイで旦那様と3人のお子さんとともに充実した毎日を送る吉川ひなのさん。著書『私が幸せになるまで』(幻冬舎刊)にも綴られているオーガニックな暮らしから、現在は“環境アクティビスト”としての活動をスタート。これからの時代を幸せに生きるための考え方を、サステナビリティ初心者でも簡単に実践できるように教えてもらいました。
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オーガニックを選ぶことは個人の贅沢ではなく社会貢献
――ハワイでオーガニックな暮らしを発信しながら、サステナビリティを学ぶオンラインサロンを主宰したり、オーガニックなコスメや子ども服ブランドをプロデュースしたり。食生活では畑で採れた野菜や平飼いの鶏の卵を食べているだけでなく、肉食をやめペスカタリアンに。仕事でもプライベートでも、環境に対する取り組みを始めたきっかけは何ですか?
「長女が生まれたときに、安心できる安全なものを食べさせたい、使いたいと思って身の回りのものを見直しました。そうしたら、成分や添加物など、気になることが次々に出てきて。ひとつのことを知ると、そこからまた2つ3つのことを知ってその繰り返しでいろいろなことを知るようになって。どんどん世界で起きている事実を知っていくうちに、世界の見え方がまったく変わってしまったんです。それがきっかけで、世界がみんながもっと幸せで平和で優しくて…未来を恐れることのないような地球にしたいという思いが強くなりました」
――具体的には、どのようなアクションから取り組んだのですか?
「はじめはたくさん調べて、納得できる物や食べ物を選ぶことから始めました。何かを買うって売り主の考えに賛同して1票を投じること。だから、オーガニックを選ぶことはファッションでも流行でも贅沢でもなくて、社会貢献だと私は思っています。環境問題や社会問題に関して、すでに問題が大きすぎるから私ひとりの力では何もできないって諦めてしまいそうになるけれど、そうじゃないんです。まだまだ事実を知らない人たちがたくさんいる。だから、知っている人を少しずつでも増やしていくことで『このままじゃダメだよね』って一念発起する人が増えて、きっと世界を変えていける。だから、本当に微力だけれど自分の考えやできることを伝えていこうって思っています」
みんながちょっとずつ意識することできっと未来は変わっていく
――ひなのさんはどうやって情報をキャッチアップしていますか?
「環境について勉強する、と思うと面倒に思えるかもしれないけれど、動画配信サービスにたくさんドキュメンタリーがあるからぜひ見てみてほしいです。事実を知ると、いてもたってもいられない気持ちになると思います。まず知ってほしいのが、お肉のこと。例えば、地球上に飢えに苦しんでいる人が10億人近くいるのだけれど、食肉用に飼われている家畜たちの飼料を全部人間に回せば30億人分の飢えをまかなえる量になるんだそう。衝撃でした。家畜たちの扱われ方も、知ると本当に悲しくなる事実がたくさんあります。でも、現実です。といっても、いきなり肉食をやめるのも難しいですよね。だからたとえば事実を知った上で、週に3回食べていたのを2回にしてみるとか、最近増えているヴィーガンのお店を楽しんでみるとか。できるところから始めてみれたらいいのではないかと思います」
――まずは今起きていることを知ることが大事ですね。
「他にも、児童労働や海以外のゴミの問題など…。知れば知るほど問題は山積みだけれど、買い物する量を少し減らすとか、みんなの意識をちょっとずつ変えていけたら! できることから少しずつアクションを起こしていけば、『このままだと2050年に起こるであろう悲惨な予想』をきっと変えていけるはずだ! と思っています」
環境を考えて暮らすこと=人生そのものを豊かにしていくこと
――無理のない範囲で環境問題に向き合う、それでは地球全体をよくしていくには意味がないんじゃないかと思うことがあります。
「たとえばマイクロプラスチックの問題を知って、私がもう絶対にプラスチック製品は買わないって決心をしたところで、海のゴミは増え続けるし意味なんてないんじゃないか。そう私も思ったりします。でも、そうじゃないんです。みんなが少しずつやれば、きっとすごく大きなことになるからって思い直してほしい。私自身も、はじめは家の中で、ちっちゃくいろんなことを実践することから始めたんです。結果、今の環境に配慮した生活が出来上がっていきました」
――環境に配慮したライフスタイルをはじめるのに、まずは何から始めたらいいでしょうか。
「私もまだ全然完璧じゃないんです。それに、最初にやり始めるときはちょっと大変かもしれない。今までのルーティンを変えなきゃいけないから。たとえばラップを使う量を減らしたいと思っても、代わりに何を使えばいいかわからないだろうし、生ゴミをコンポストで処理するのはうまくできるのかな…とか。でも、逆に一歩踏み込めばそれが当たり前のルーティンに意外に変わっていくし、何よりいいことをしているような達成感を日々たくさん感じられるようになるんです。生ゴミを捨てることがこんなに楽しめるようになるなんて、すごく一石二鳥だなって思って。続けるモチベーションになっています。環境を考えて暮らすことで、自分が心地よく満たされて、人生そのものが豊かになっていくような感じです」
環境問題と向き合うことは「自分との絆」を深めていく行為
――環境に優しい生活をしていきたい!と思った時、まず大事になるのはどんなことでしょうか。
「自分に対しても人に対しても優しくあること。このSNS時代、簡単に人に意地悪な気持ちを送れたりするけれど、自分に回ってきた意地悪は自分の番で止めるんだぞ、みたいな少しの勇気が行動につながっていく気がします。人に優しく生きていると、夜寝るときに満たされた幸せな気持ちになれるんです。その積み重ねが自分の人生を作っていくと思っています。誰も見てないし、別に私が我慢したところで、地球なんて何も変わらない…と考えるのではなくて、自分の行動でもしかしたら誰かが幸せになるかもしれないと想いを馳せる。そういう気持ちを大切にしてもらいたいなと思います」
――今すぐにでも始められそうですね。
「起きてから寝るまで、人に対しても物に対しても、すべてに対して優しさだけでいられた日は、夜ベッドに入って眠る前、すごく満たされた気持ちになれるんです。だから、結局は自分との向き合い方との問題なのかもしれないです。ひとつひとつのことに誠実に生きていると、本当に自分のことが好きになってくるし、自分との絆が深まってくる。人間って、結局全部最後は自分のためなんですよ。“誰かのため”と言ってすることも、それを“自分が”嬉しいと感じるからやっているんですよね。だから自分のためも人のためも結局イコールなんです。そうやってひとりひとりの幸せが高まったら、地球全体の幸せも高まって、どんどん平和になるそんな連鎖が起こってほしい。みんなが優しい、そんな幸せな世界、最高じゃない?」
ABOUT「hinarea(ヒナレア)」
吉川ひなのさんがプロデュースする、すべての女性と地球に寄り添うナチュラルスキンケアブランド「hinarea(ヒナレア)」。日本各地で丁寧に栽培された希少なオーガニック植物エキスを配合し、全品コスモス認証に基づいて処方。さらに、障害者雇用を健常者と同レベルの賃金で実現したり、廃棄ロスを防ぎながら品切れしないサイクルを見出して実践するなど、環境に配慮した工夫を凝らし、地球にも体にも優しいものづくりを実践している。
「hinalea」から新たに3つのスキンケアアイテムが登場!
ひなのさんが手がける「hinalea」にこの春、3つのスキンケアアイテムが仲間入り。パワフルなアロエベラやカレンデュラなど自然由来の成分にこだわったスキンケアは、肌と心にハリを与えてくれること間違いなし。植物由来100%の香りに癒やされながら、気持ちも体も満たされるスキンケア時間を過ごしてみては?
PROFILE
吉川ひなの(よしかわひなの)●10代前半で芸能界デビュー、以来モデル・タレント・女優として大活躍し、結婚を機にL.A.、現在はハワイへ移住。生来の料理上手やこだわりを生かしたオーガニックな暮らしを実践し、その生活で得られる幸せを綴った著書『わたしが幸せになるまで』(幻冬舎)は、累計55,000部を超える。
取材/中尾のぞみ 編集/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)