2023年01月14日 18:30
/ 最終更新日 : 2023年01月14日 18:30
CLASSY.
「女嫌い=ミソジニー」の正体がわかるようになる!おすすめの本5選
誰もが感じたことのある女友達に対するネガティブな感情や、モヤモヤした気持ち。それって女は嫉妬深い生き物だから?それとも私の性格が意地悪なせい?いいえ。どうやら、モヤモヤの正体はもっと別のところにありそうです。
〝女嫌い=ミソジニー〟の正体がわかる本
「ミソジニーについてもっと知りたい!」と思ったら読んでみてほしい5冊を社会学者・上野千鶴子さん、漫画家・瀧波ユカリさん、作家・山内マリコさんに教えてもらいました。
【上野千鶴子さんご推薦】
『男同士の絆イギリス文学とホモソーシャルな欲望』
イヴ・K・セジウィック著
上原早苗・亀澤 美由紀訳 名古屋大学出版会
\ミソジニーが発生する元となるホモソーシャルについて一番よくわかる本/
「19世紀のイギリス文学を題材に女性嫌悪=ミソジニーと、その中心となる男性集団=ホモソーシャル論を展開。19世紀の価値観を象徴するマネの絵を採用した表紙にも注目」(上野さん)
【上野千鶴子さんご推薦】
『女ぎらい ニッポンのミソジニー』上野千鶴子著 朝日新聞出版
\日本にも根深く存在するさまざまなミソジニーを知ることができる/
日本にミソジニーを紹介し、浸透させた男女ともに必読の一冊。「セジウィックの論じたミソジニーをわかりやすく解説し、日本のさまざまなミソジニーを解剖しました」(上野さん)
【上野千鶴子さんご推薦】
『男尊女子』酒井順子著 集英社文庫
\女子校文化で育った筆者がミソジニーを逆手に取る女性の生存戦略を巧みに書き綴った一冊/
女性の中にある女性蔑視や男女差別意識をあぶり出す、20章のエッセイ集。「ミソジニーを逆手に取る女性の生存戦略や女性の意地悪さが実に上手に書かれています」(上野さん)
【山内マリコさんご推薦】
『女子の人間関係』水島広子著 サンクチュアリ出版
\精神科医の視点で女子のネガティブな感情を解説人間関係の実践的な対処案も満載な一冊/
「女子のドロッとした感情は、虐待やいじめを受けた人の感情に近く、女子全員が選ばれるという社会的に虐げられている存在だからこそ引き起こされているという解説に納得」(山内さん)
【瀧波ユカリさんご推薦】
『マウンティング女子の世界 女は笑顔で殴りあう』筑摩書房
\ミソジニーが引き起こすマウンティングをやめたい!というメッセージを込めて書いた本/
「私たちはなぜ女同士でマウンティングをしてしまうのか?という自戒を込めつつ、どうすればそれをやめられるのかを共有して話し合おうという提起をしたくて書いた一冊です」(瀧波さん)
教えてくれたのは...
社会学者・上野千鶴子さん
1948年富山県生まれ。認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長。日本を代表する女性学の研究者として、東京大学名誉教授時代の2019年には東京大学入学式の祝辞で日本におけるジェンダー問題に触れ話題に。2023年1月2日にはミソジニーの解説をした特別番組「100分deフェミニズム」(NHK)が放映予定。
作家・山内マリコさん
1980年富山県生まれ。最新刊は『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』。『あのこは貴族』など、女性の繊細な心の機微を描き出す作品が多数映画化。『一心同体だった』(光文社)10~40歳まで、それぞれの年代の女子の友情がロンド形式でつながっていく全8話の短編集。
漫画家・瀧波ユカリさん
1980年札幌市生まれ。ドラマ化もされた人気作『臨死!!江古田ちゃん』『モトカレマニア』をはじめ、『ありがとうって言えたなら』、育児エッセイ『はるまき日記』など著作多数。『わたしたちは無痛恋愛がしたい 2』(講談社)恋愛におけるジェンダー不平等、女性がのみこんできたモヤモヤを言語化。最新刊が好評発売中
取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc