広末涼子さんも尊敬する漆紫穂子さんが教える、子どもへの効果的な声かけ
「中学受験は人生で一度きり」――。心と体が揺らぐ思春期に、数年間勉強に励み挑む中学受験は、それを見守る親も子どもも共に大きな試練。残り1カ月、運命の日を乗り切るための〝親の心得〟に迫ります。今回は、品川女子学院理事長 漆 紫穂子先生に伺いました。
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未来を逆算して 「A校に行ったらこんな楽しい!」とワクワクさせる 声かけを!
品川女子学院理事長 漆 紫穂子先生
同校を都内屈指の人気女子校に押し上げた手腕は教育界のみならずビジネス界からも注目の的。広末さんの連載で披露された品川女子学院・高校在学時の心温まるエピソードや言葉の数々が共感を呼ぶ。『女の子が幸せになる子育て』など著書多数。
受験直前の大事な時期、声掛けひとつで我が子のモチベーションは変わります。そこで意識したいのが、未来から逆算した声掛けです。
本校は20年前から「28project」と題し、28歳の自分を思い描いて、それを実現するために必要なことを未来から逆算して行動していくプロジェクトを実践しています。それも、子どもは絵の見える話をすると具体的にイメージしやすく、モチベーションが上がります。
ですから、ぜひお子様と一緒に受験後の楽しいことを想像し、夢のシミュレーションをしてみてください。「A校に行ったらどんな部活がいいかな」「B校の修学旅行楽しそうだね」というふうに子どもをワクワクさせ、イマジネーションを揺さぶる声掛けが効果的です。
また、子供の成績は波があるもの。直前期、結果が振るわなかった際も、点数や間違えたことを責めるのではなく、できたことに目を向けて未来から逆算した声掛けを意識できるといいですね。
ポイントは3つ。大きな目標は小さく分ける、「頑張る」など抽象的な言葉は具体的な行動に、そして、やり出すとできていない部分が見えて否定的になるので、そのときは、そこまでやったことを振り返って、「この調子でいけば大丈夫」と肯定的に。直前期は特に現状にばかり目が向いてしまい、未来に目を向けられていないことが多いので、意識的に子どもの想いに寄り添い耳を傾けて。
子供へのアンケートによれば、やる気のでる親の声かけは「褒める」、やる気を挫く声かけが「命令、禁止、比較」です。命令禁止の声かけをしていいのは、〝〇つ〟のつく年齢までといいます。10歳くらいからは、自分で決めることで成長します。
子ども自身の未来に関わる中学受験は、自己決定のいい機会です。これからの長い人生、中受はあくまで通過点ですが、そのプロセスには、必ず意味があります。あと一カ月、親子でやってよかったと思える受験体験にしてください。
撮影/田頭拓人 取材/奥村千草、松葉恵里 ※情報は2023年2月号掲載時のものです。
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