結婚、出産、仕事の重責、更年期の訪れなど、環境や体、心に変化が訪れやすい30〜40代の女性。不調を感じても忙しくてそのままにしてしまいがちですが、本当は誰かに相談したいはず! Mart読者から寄せられたお悩みの解決法を、産婦人科医の高尾美穂先生に教えてもらいました。
【Q】イライラしたり落ち込んだりと、 メンタルが安定せず 不安を抱えてしまいます。
【A】更年期障害だけのせいにせず解決できることから取り組んでみて
更年期障害やPMSには、イライラする、怒りっぽくなる、気持ちが沈むなどの症状があります。そのため30〜40代女性のなかには、イライラする「これって更年期障害やPMSのせい?」と考える人も。もちろん、その影響もあると思います。でもまず取り組みたいのは、イライラする原因を把握することなんです。
この年代の女性は、さまざまな悩みを抱えています。受験、反抗期、教育費の不安など、子どものことについての心配も尽きないですよね。しかもそんなときには、パートナーに親としての自覚を持って、自分と同じように悩んだり、子ども優先で考えたりしてほしいと思うもの。ところが、いつまでも子どもが生まれる前の自由気ままな気持ちのままでいるパートナーもいるかもしれません。そんな姿を見ると、ついイライラしてしまう、という気持ちはよくわかります。
そのほかにも、ママ友とのつき合い方や、仕事と私生活の両立など、さまざまな現実に直面します。このようなことが積み重なるなかで、更年期障害やPMSなどが起こると、頑張って何とかするにも限界があり、どんどんしんどくなってしまうのかもしれませんね。
そこで大切なのは、話し合いや努力でどうにかなることは、積極的に解決するように動いてみること。例えば子育てや家事をこなすうえで、体力的にきついことはパートナーにきちんと伝え、手伝ってもらうなど改善していきましょう。できることを解決していくことで、メンタルの状態も安定していくはずです。
そうはいっても、どうしても自分の力ではどうにもできないことはありますよね。それはもう「しょうがない!」とあきらめて手放し、そこに立ち止まらないことも大切です。解決しない、無理だとわかっていることを悩み続けても、どんどん気持ちが追い詰められていくばかり。ときには潔さも必要です。
そしてどんなことでもいいので、新しいことをどんどんインプットしてみてください。考えることがたくさんあると、ひとつのことに固執しなくなり、悩む暇がなくなります。気持ちも分散され、毎日を前向きに過ごせますよ。
【高尾美穂先生のアドバイス】
撮影/中林 香 イラスト/モリナオミ 取材・文/酒井明子 編集/倉澤真由美