【漢字】「点袋=てんぶくろ」じゃない!実は読めない漢字の読み方5選|CLASSY.
もういくつ寝るとお正月……♪はやいもので、新年のカウントダウンに入りましたが、今年も年末年始の恒例企画をご用意。「お正月」に関係する言葉で、読み方がちょっと難しい漢字を集めてみました。
1.参詣
最初は、小手調べの「参詣」です。お正月の恒例行事は、まず「初詣(はつもうで)」という人も多いことでしょう。では、「参詣」は、何と読みますか?
これ、以外と「サンパイ」と読んでしまう人がいます。でも、「サンパイ」は「参拝」ですよね。正解は「サンケイ」でした。「参詣」と「参拝」は、どちらも「神社・寺などにおまいりすること」ですが、あえて違いを求めれば、「参拝」のほうはそこに「行った」だけではなく、「拝(おが)む」という行為が不可欠なのではないでしょうか。
2.御御籤
次は、「御御籤」です。急にグレードが上がりましたよ。特に「籤」は常用漢字外です。さて、何と読みますか? ヒントは、「前問からのつながり」です。お正月の初詣には、これが「付き物」かもしれませんね。
正解は「おみくじ」でした。「御神籤」と書くこともありますが、読み方は同じです。ところで、期待していない「凶」とかが出てしまった時は、「現時点の運勢が最低なだけで、もうこれ以上は落ちず、これから上昇していくもの」と考えませんか。
3.金団
初詣から戻ったら、お待ちかねの「御節料理」ですね(「御節(おせち)」は、過去の記事で出題しました)。では、その中の「金団」は読めますか? 今でも、お子さんたちの一番人気でしょうか?
正解は、「キントン」でした。さつまいもなどを煮てつぶした餡(あん)に、甘く似た栗や豆などを練り合わせた「金団」は、「お金がたまる」願いがかけられているとも言われます。常用漢字「団」の音読みは、「団体」「団地」などの「ダン」が一般的ですが、「トン」もしっかり常用漢字表に示されています。「蒲団(フトン)」「団栗(ドングリ)」の「トン」ですね。
4.紅白膾
「御節」つながりで、お口直しの「紅白膾」です。ここにも常用漢字外の「膾」があります。さて、何と読みますか?
「御節」の中でも、ひときわ「彩(いろど)り」を加えてくれる、正解は「コウハクなます」です。この「膾(なます)」は、もともと、生の魚介類を刻んで酢に浸した料理でした。「失敗した後に必要以上に用事深くなる」という意味の「羹(あつもの)に懲(こ)りて膾を吹く」や、「世間の人々の評判になって広く知れ渡る」という意味の「人口(ジンコウ)に膾炙(カイシャ)する」ということわざに登場する「膾」はこれでした。今では、大根や人参(にんじん)などの野菜のみで作られるものを指すのが普通です。「紅白膾」の「紅白」は、おめでたい「水引(みずひき)」のイメージですね。
5.点袋
最後は、お子さんたちがお待ちかねの「あれ」に付き物の「点袋」です。「点」の読み方がポイントです。さて、何と読みますか?
正解は、「ぽちぶくろ」でした。お年玉(もちろん「ご祝儀」にも..)のお金を入れる小さい「熨斗(のし)袋」のことです。この「点(ぽち)」とは、本来「小さい点」という意味を表す言葉で、「これっぽっち」の「ぽっち」にも関係があります。また、京阪地方の方言として「心づけ・祝儀・チップ」に意味でも使われてきました。「ぽち袋」「ポチ袋」と仮名書きが普通ですが、「点袋」がすんなり読めると、ちょっと「粋(いき)」じゃないですか?
年末恒例企画の「難読漢字 お正月編」はいかがでしたか? 皆様、どうぞよいお年をお迎えください。では、今回はこのへんで。
《参考文献》
・「広辞苑 第六版」(岩波書店)
・「新明解国語辞典 第八版」(三省堂)
・「明鏡国語辞典 第三版」(大修館書店)
・「新字源」(角川書店)
・「難読漢字辞典」(三省堂)
・「当て字・当て読み 漢字表現辞典」(三省堂)
文/田舎教師 編集/菅谷文人(CLASSY.ONLINE編集室)