内田恭子さんの“活躍ニット”はロエベ!どこにでもカッコよくハマる理由

知性のある上品なファッションと聡明なキャラクターで人気の内田恭子さん。VERY NAVYで、彼女が愛する「モノ、コト、場所」を通じてその〝審美眼と価値観〟を知るエッセイ連載。今回はロエベのニットのお話です。

内田恭子さんの

my LEGEND++vol. 11++

ロエベニット

 新しいニットを買うときの気持ちってなんだか好きだなあ。それこそふんわりと暖かいニットに包まれた気分で、これから始まるひんやりとした新しい季節に心がときめいていく。この優しいふんわりを身につけて、紅葉がきらきらと輝く公園(気分は勝手にセントラルパーク)を散歩したり、お気に入りのブーツと合わせて、これみよがしにカフェでお茶をしたり(気分は勝手にレ・ドゥ・マゴ)と、エンドレスな妄想だけが膨らむ。美味しい香りだけで何杯も白いご飯がいけそうな気がするように、こんな妄想だけで、何枚もニットを買いそうな自分がいるから危ない危ない。

 ロエベのモコモコニットも、冬山のコロラドのロッヂで、スキー後にパチパチと燃える暖炉の前でワインを飲むという妄想にピッタリ(笑)。それどころかこのニットは冬山の暖炉だけに留まらず、冬の街中でも、友人の家での集まりでもどこでも妄想が広がる優れもの。アンゴラのモコモコと違って、一手間がかかったモコモコがどこにでもカッコよくハマる理由なのかもしれない。ゴールドの細かいスパンコール糸と繊細なレースを織り合わせて作られているので、出しゃばりすぎない程よい主張がとてもいい。そしてストレッチがとてもよくきいているから、このボリュームにして着膨れしないし、カジュアルにもフォーマルにもボトム次第で活きてくる。そして何よりもモコモコニットにありがちなチクチク感がないし、毛が飛びまくって、鼻がむずむずすることもないからありがたい。シーズンが始まる前から既に私のワードローブのMVPを確実にとりつつある一枚。

 ところでニットといえば子どもの頃よく母がセーターを編んでくれていたのをふと思い出す。自分で好きな毛糸の色を選んで、毎日少しずつ出来上がっていくのを楽しみに、母の手の動きを見ていたな。ちょっぴり感傷的な気分で「手編みのセーター編んであげようか」なんて出来もしないことをボーイズに聞いてみたら、「いらない」と即答。母親の力量をよくご存じです。ぐすん。

Profile

内田恭子さん

1976年生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、結婚を機にフリーランスに。現在は幅広いメディアで活躍する一方、上品かつ高感度なファッションも話題に。12歳と9歳の2児のママ。

モデル・文/内田恭子 撮影/渡辺謙太郎〈CaNN〉 ヘア・メーク/佐藤健行〈HAPP’S〉スタイリングアドバイザー/三上津香沙〈DBless〉構成/松井美雪 編集/羽城麻子

VERY NaVY11月号『内田恭子さんのMy LEGEND vol.11 ロエベのニット』より。詳しくは2022年10/6発売VERY NaVY11月号に掲載しています。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。*すべて内田恭子さんの私物です。