【山田裕貴&松本まりかスペシャルインタビュー】信頼しあう二人が大人のラブストーリーで共演!
主演の山田裕貴さんが「こんな芝居がやりたかったんだ!!」と何度も叫んだという映画、『夜、鳥たちが啼く』。相手役を務めるのは山田裕貴さんが絶大な信頼を寄せている松本まりかさん。ドラマ、映画で共演を重ねている2人が今回の作品の見どころを語ってくれました。
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――今作についてのコメントで山田さんは「『こんな芝居がやりたかったんだ!!』と何度も叫びました」、松本さんは「この作品を語るに足る言葉が見つかりません。皆さまに届く頃には言葉になりますように」と語っていました。お二方それぞれにとってのこの作品の魅力をお聞かせください。
山田 まず、なぜ僕が「こんな芝居がやりたかったんだ!!」と叫んでいるかをお話しします。僕の職業は〝芝居をすること〟ではありますが、〝芝居にしないこと〟が目標なんです。声、動き、表情すべてが〝本当にそこにあるもの〟として映し出されてほしいと思っているから。今回の作品では僕が求めていた〝本当〟がいっぱいあったので、「こんな芝居がやりたかったんだ!!」と叫びました。
松本 「こんな芝居がやりたかったんだ!!」って、二人でも話したよね。
山田 試写の後に話しました。
松本 そうそう、試写の後に話したね! 私は中学の頃から仕事をしていますが、映像のお仕事はなかなかいただけませんでした。映像とは縁がないんだなと諦めていましたが、本当はすごく憧れがあったんです。30代になり、テレビドラマの『ホリデイラブ』に出演してからテレビに出始めることになりますが、しばらくキャッチーな役が続いていたんです。そんな時に純文学作品に声をかけていただいたので、「こういう作品からも声がかかるようになったんだ」と、とても嬉しかったです。そして相手役は山田くんだと聞き、あぁ面白いなって思いました。山田くんとの初共演は私の人生を変えるきっかけになった『ホリデイラブ』ですし、やりたかった芝居ができると思った今作では相手役なので、私にとっての重要なポイントに山田くんがいる感じです。
山田 本当だ、ポイントとなる作品で共演できているのが嬉しいです。僕が「こんな芝居がやりたかったんだ!!」と叫べたのは、相手役がまりかさんだったことがとても大きいです。まりかさんだったから〝本当〟を出すことができたと思っています。何と言えばいいんでしょうか…まりかさんの居方というのかな、芝居しているけど芝居じゃないようにできるのがありがたいです。相手の方に合わせたり、相手の方がやりやすいようにしたりすることもありますが、そういうことを考えずにできる方です。
松本 私も相手役が山田くんだったので安心しました。でも、それと同時に未知数だなって思ったんです。たとえば、この作品にはラブシーンがあるんですけど、山田くんのラブシーンって観たことないですし、作品に関わらず山田くんってそんなことする気配もないよなって(笑)。
山田 最初は男としてまったく見てもらえてなかったですよね(笑)。
松本 人間としての面白味は感じていたんですが、男としては未知数でしたから(笑)。でも、この作品では山田くんから男をしっかり受け取りました(笑)! そのギャップはすごかったですね、いい意味で。だからラブシーンでは、性的なことを超えて本能的に響き合えたんじゃないのかなと思っています。彼が発しているエネルギーと、私の欲しているエネルギーが合致した感じというか。山田くんじゃなかったらあんな気持ちになれなかったと思うような、初めての体験でした。
山田 僕も相手役がまりかさんだったからできた、初めての体験はたくさんあります。一番は「ここまで心を開いてくれるんだ」という安心感ですね。これによって芝居のしやすさが全然違ってきますから。相手役の方から言葉は飛んでくるのですが、心が飛んでこないと感じてしまったこともあり、そうなると「僕がもっと相手の心に響くことをしないと」と思い、〝考えた芝居〟になってしまいます。でも、まりかさんだと自然と心が通い合った会話ができるので、僕が求めている〝本当〟になるんです。それと、再度確信したのはマインドが似ているということです。僕が「こうなんですよね」と話すと「私もそう!」と共感してくれることがとても多いので、僕という人物をよく理解してくださっているなと思います。
松本 テレビなどを観ていて思う山田くんのイメージは明るくて熱くて真面目で、といった感じだと思いますが、「それだけじゃないな、むしろそれ以外のほうがたくさんあるな」と思っています。
山田 そうなんです。普段の僕は全然違うんです。まりかさんとすごく語り合ったわけではないのですが、何か理解してくれているなというのを端々に感じることができるので。今回の作品をやるうえでとても信頼していました。
松本 あまり語り合わなかったのも、よかったのかもしれないね。語ったからってわかり合えるってわけでもないし。
山田 そうですね。話は最初に戻りますが、こんな関係だったからこそ〝本当〟が表現できたんだと思います!
山田裕貴
‘90年生まれ。愛知県出身。’11年『海賊戦隊ゴーカイジャー』で俳優デビュー。’22年エランドール賞新人賞を受賞。主な出演作に『HiGH&LOW』シリーズ、『あゝ、荒野 前篇・後篇』、『あの頃、君を追いかけた』、『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』、『東京リベンジャーズ』、『燃えよ剣』、『余命10年』、『耳をすませば』など。今後も『東京リベンジャーズ2』の公開やNHK大河ドラマ「どうする家康」の出演が控えている。
松本まりか
‘84年生まれ。東京都出身。’00年ドラマ『六番目の小夜子』で俳優デビュー。’18年ドラマ『ホリデイラブ』で注目を集める。主な出演ドラマは『教場Ⅱ』、『それでも愛を誓いますか?』、『名探偵ステイホームズ』など。主な出演映画は、『MIRRORLIAR FILMS Season2』、『極主夫道 ザ・シネマ』、『妖怪シェアハウス―白馬の王子様じゃないん怪―』、『ぜんぶ、ボクのせい』など。ドラマ『最高のオバハン中島ハルコ』に出演中、’23年放送のNHK大河ドラマ『どうする家康』に出演。
『夜、鳥たちが啼く』
自分を諦めきれない小説家と愛を諦めかけたシングルマザー。いびつな「半同居」生活がもたらす仄かな光。主人公の小説家を山田裕貴、相手役のシングルマザーを松本まりかが演じる。原作:佐藤泰志「夜、⿃たちが啼く」(所収「⼤きなハードルと⼩さなハードル」河出⽂庫刊) 監督:城定秀夫 脚本:高田亮●12月9日(金)全国公開 © 2022 クロックワークス
【山田さん着用衣装】ジャケット¥81,000〈ユウキハシモト〉ブーツ¥43,000〈アポクリファ〉ブレスレット¥92,400〈セブンバイセブン〉(すべてサカス ピーアール☎03-6447-2762)カットソー¥23,100(ダイリクd.dairiku@gmail.com)パンツ¥69,300 ベルト¥26,400(ともにシュープ/ワンダーラスト・ディストリビューション☎03-3797-0997)ネックレス/スタイリスト私物
【松本さん着用衣装】ブーツ¥28600(モリーニ/ジャック・オブ・オール・トレーズ☎03-3401-5001)ヘアピアス¥16500(フミエタナカ/ドール☎03-4361-8240)ドレス/スタイリスト私物
撮影/木村 敦 ヘアメーク/小林純子<山田さん>、福岡玲衣(TRON)<松本さん> スタイリング/森田晃嘉<山田さん>、Yurika Nakano<松本さん> 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)