デジタル時代のIT子育てについて、いま話題の草野絵美さんに聞いてみた!
コロナ禍でオンライン授業がスタンダードになり、小学生から一人一台タブレットを持つ時代。IT教育が進む一方で、デジタルオンチな親世代は危険な面に目がいきがち。制限ではなく子どもの可能性を広げる活用法を探ります。
▼こちらもぜひ
ITリテラシーのプロが教える【子どもとネット】の対策法とは
小学生NFTアーティストのお母さんは、IT子育てのプロ!
◯ 草野絵美さん
1990年生まれ。Fictionera代表取締役。東京藝術大学非常勤講師、ミュージシャン。著書に『親子で知的好奇心を伸ばす ネオ子育て』、新著『ミライの科学にふれてみよう おうちじっけん号』(共著)(ともにCCCメディアハウス)。小学生NFTアーティストZombie Zoo Keeperの母。
昨年、夏休みの自由研究でiPadで制作したピクセルアートが数百万円で海外コレクターに購入され、「2021 Forbes JAPAN 100」に選出されたNFTアーティストの息子・Zombie Zoo Keeperは現在小学4年生。
私自身10歳の頃から趣味のことをSNSで紹介したり、大人になってからは母の特技を「SNSで広めるのはどう?」と提案したり。昔も今も私にとってインターネットは〝発表の場〟という認識。
長男のプロジェクトにも触発され、今年、自身のプロジェクト「新星ギャルバース」を発表。大平彩華が手掛ける平成初期テイストな8,888体のギャルのNFTアートは、世界最大のNFTプラットフォーム Openseaで取引総額世界一を獲得するなど、世界中から熱い注目を浴びています。
◯ NFTってなに?
ノン・ファンジブル・トークン=非代替性トークンの略。コピーが容易なデジタルコンテンツやアート作品などに偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータを紐づけることで唯一無二な価値を付与できる技術。
親が積極的にデバイスを使い、思考をアップデート
子どものリテラシーにも好影響をもたらす!
学校のリテラシー教育の穴を家庭で補うためにも、親が新しい技術に触れ興味を持つ姿を見せることが重要で、ITリテラシーはケーススタディの積み重ねだと考えています。
「こういう事件があった」「〇〇アプリが便利」と普段から食卓で具体的な事例やシーンを活発に会話にして、ITへの認識を整えたり活用することを意識してください。使用アプリも、その場限りのゲームではなく将来性があるものを親がおすすめするなど、情報のキュレーションをして。
普段から話しておくことで、たとえトラブルになっても真っ先に相談してくれると信じています。
デバイスごとに役割を分ける
そうすることで、 ルールを守れるようになる!
息子は赤ちゃんの頃からiPadなどに触れているものの、まだ個人用のデバイスを持たせておらず、その代わり役割をデバイスごとに振り分けています。絵を描くときはiPad Pro、ゲーム操作はiPad mini、調べものはMac PC、Netflixなど映像はTV、YouTubeは調べものをして専門性の高い解説を見る……などです。
親の管理の下、息子が目的と手段で使い分けています。動画1本分、タイマーで15分と設定して、親が知らせるのではなく、タイマーが鳴って知らせているから終了、と息子の使用時間を尊重し区切れるので、ダラダラ使わなくなり、ルールを守れるようになってきました。
仕事や悩みを親子でシェア
食卓トークから息子がNFTアーティストに
そもそもなぜ息子がNFTアートの世界に飛び込んだのかというと、ポケモンカードを買うおこづかいを増やすため。親子で一緒に考え、アイロンビーズやTシャツなど作品をメルカリに出品したもののなかなか売れず……。当時、私が食卓でよく話題にしていたNFTなら在庫を抱えなくていいかも、と行きついて。
私自身も小学生のとき、バービーやブライスドールの洋服を、自分のホームページを作って発表や交流の場としていた経緯もあり、息子の作品を発表する手段やブランディング、そして何より彼の好奇心や楽しめる環境を一緒に寄り添って考えた結果、世界で一躍注目を浴びるNFTアーティストが誕生したというわけなんです(笑)。
おうち博物館ごっこ。館長になりきって子ども自身が好きなものをキュレーション、展示することで好きを深掘りできる。
<草野さん>Tシャツ¥9,900サスペンダーパンツ¥10,800(ともにヴァンヌフ/ボヌール)
撮影/河内 彩 ヘア・メーク/沼田真実(ilumini) 取材/羽生田由香
おすすめ記事はこちら
・【中村仁美さん、くわばたりえさん】どうしたらいい?の答えを見つけたオススメ「子育て本」!・クリス-ウェブ佳子さん「母娘共通の関心・ファッション」でコミュニケーションしてます!
・子どもが島にホームステイ! 「海の子留学」で島ならではの体験を