【宮沢氷魚さん】「ようやく評価を気にする段階から解放されつつある」インタビューで見せた“仕事観の変化”とは?
ファッションモデルとしての活躍はもちろん、NHK朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』をはじめ、俳優としても多くの作品で存在感を発揮している宮沢氷魚さん。多忙な毎日を過ごしながらも、自身の道を着実に邁進できている理由とは? 仕事に向き合う等身大の姿勢に、その答えがありました。
プレッシャーに応えたいから、今はすべてが仕事中心の毎日
——役者として着実にステップアップされていますが、さまざまな役柄や作品に挑戦する中で、プレッシャーを感じることはありますか?
プレッシャーは毎日感じています。ありがたいことに、キャリアとともに重要な役や重みのある役を任せていただくことが増えたので、ひとつひとつの仕事に対する責任感や背負うものはより大きくなってきていると思います。その期待に応えるためには、自分の体力や考え方、生活もそっちに寄せていかないと成立しないと思うから、結果的に仕事に使うエネルギーも高まっていますね。生活スタイルとか自分のリズムみたいなものも、より一層仕事中心で考えるようになりました。この仕事って、どうしても代わりの効かない仕事じゃないですか。自分が体調を崩したり、撮影に行けなかったりしたら、周りに迷惑を掛けてしまうので、朝起きてから寝るまで、仕事のペースを乱さないように生活することが、今はライフスタイルの中心になっていますね。
毎朝5時半起き。朝時間の有効活用が何よりのリラックス法
——仕事第一の生活の中を過ごす中で、どうリフレッシュしていますか?
家でNetflixとか配信ドラマを見たり。あとは、僕、毎朝5時半に起きるんですよ。現場の入り時間が遅くても、5時半に起きてコーヒーを豆から挽いてゆっくり飲んで、朝日が昇るのを見て、余裕を持って準備するんです。そういう時間がリラックスに繋がっていますね。以前は出発の1時間前に起きてバーっと準備して出掛けていたのですが、そうすると現場に着いてもまだ身体が起きていなくて(笑)。朝時間の有効活用って大事だなと思っています。
周囲からの反響は見ないー年齢を重ねて変化した評価との向き合い方
——さまざまな作品への出演が増えるにつれ、周囲からの反響も大きくなっていると思います。周りからの評価には、どう向き合っていますか?
今までは結構周囲からの反応を気にしていたのですが、最近は見なくなってきましたね。キャリアを重ねると評価されるポイントも増えるぶん、いいことも悪いことも目にするようになって。それを毎日気にかけていたら、際限ないなと思い始めたこともあって、今はなるべく自分から情報を探しに行くことは控えています。ようやく評価を気にする段階から解放されつつありますね。
——では、お仕事へのモチベーションはどんな風に保っていますか?
公開する映画や控えている仕事があることは、モチベーションのひとつになっています。特に映画は撮影してから公開までに時間があるので、そのぶん自分のなかで作品への期待も高まって、多くの人に知ってもらうための準備に向き合う原動力にもなります。感覚でいうと、2カ月先の旅行を計画して、それを待ち望んでいるワクワクするじゃないですか。その気持ちに近いですね。
“してもらう側”から“する側”へ。現場での心境が変化した理由
——23歳で俳優としてのキャリアをスタートし、28歳を迎えました。年齢を重ねて、周りから求められることが変わってきていると感じますか?
20代中盤までは現場にも年上の方が多く、サポートしていただいたり、甘えさせていただく部分もあったのですが、今では年下が増えてきて、自分が現場の雰囲気や芝居を引っ張る側にいるんだなと感じています。“してもらう側”から“する側”になり、視野を広げて周りのケアをすべき時期に入ったのかな、と。僕自身も余裕があるわけじゃないので、そこまで細やかに気を配れてはいないんですが(笑)。それでも、自分だけじゃなく周りにまで気を配れるようにはなったと思うから、それは大きな変化ですかね。
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9月9日(金)全国ロードショー
『グッバイ・クルエル・ワールド』
主演に西島秀俊を迎え、豪華キャスト共演で描くクライムエンタテインメント。年齢もファッションもバラバラ、互いに素性も知らない5人組の強盗組織が、ラブホテルで秘密裏に行われていたヤクザの資金洗浄現場を襲い、1億円近い大金の強奪に成功する。強盗たちは金を山分けし、何食わぬ顔でそれぞれの日常に戻っていった。しかし、金を奪われたヤクザが裏金で現役の刑事を雇い、強盗組織を本気で追い始めて—-。金に群がるクセ者たちの大波乱の物語。宮沢さんは、ラブホテルの従業員で事件に巻き込まれていく男・矢野を演じる。
<衣装詳細が入ります>
撮影/永峰拓也 ヘアメーク/スガタクマ スタイリング/庄 将司 取材・文/坂本結香 編集/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)