ryuchellさんpecoさんがVERYに語っていた「夫婦じゃなくても一緒に子育てをする」決断への葛藤

ryuchell(りゅうちぇる)さんは自分のセクシュアリティで悩み、今年初めpeco(ぺこ)さんに打ち明けました。そして二人は、8月25日に夫婦という関係を卒業し、新しい家族のカタチを築いていくと公表。夫婦ではなくなるけど、これからも息子さんのパパとママとして、そして人生のパートナーとして、家族3人で一緒に暮らしていくことを選びました。今回の決断に至った経緯と今のお二人の気持ちをVERYだけに話していただきました。

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──夫婦関係を卒業して、これからも家族3人で暮らしていくという形を選んだ経緯を教えていただけますか。

 

りゅうちぇる まず僕自身のことをお話しすると、18歳のときにてこ(ぺこさんの愛称、以下同)と出会ってはじめて女性とおつきあいをしました。女性を好きになれたことで自分が思っていた人生とはまったく違う人生が想像できましたし、知らなかった喜びを教えてもらいました。そしててこと結婚して息子が生まれて、さらにテレビに出たりみなさんに注目していただくようになって。いつからか世の中の人が思い描く“理想の男性”“理想の夫”というものと本当の自分との差に苦しくなってきてしまったんです。結婚するときに墓場まで持っていくと決めていたから、てこには自分のセクシャリティを話してなかったし、一番言えないと思っていたなかで、自分自身で“夫”でいなきゃいけないと思ってしまうことにしんどくなってしまった。自分らしく生きることや、自分の気持ちを大切にすることを発信しながら、僕自身は自分を出せる場所がなくて。一番安らげる場所であるはずの家庭で本当の自分を出せなくて、理想の夫でいなきゃいけないと思い、すごく辛かったんです。でも、なによりも辛いと思っている自分が嫌で。なんでこんな幸せが目の前にあるのに本当の自分に勝てないんだろうとか、なんでこんな風に生まれてきたんだろうって。

 

──ぺこさんに打ち明けたのはいつ頃だったのでしょうか。

 

りゅうちぇる 今年のはじめです。てこに話すことによって全部終わってしまうかもしれない、仕事も全部なくなってしまうかもしれないといろいろ考えてすごく怖かったです。けど、てこは本当に優しい言葉で受け入れてくれて。

 

──話を聞いたとき、ぺこさんは率直にどんなお気持ちでしたか。

 

ぺこ りゅうちぇるは「騙しててごめんなさい」って言ったんですけど、騙されたなんて気持ちは一切なかったです。今まで辛かったよねっていうのと、本当に勇気の要ることだったと思うので、勇気を出して話してくれてありがとうって。あと、そんなにしんどかったのに生きていてくれて本当にありがとうって思いました。

 

──それまでにりゅうちぇるさんの様子が変だと感じたことは?

 

りゅうちぇる 特に去年の年末くらいは心がなくなっていくというか生きている心地がしなくて、すごく不安定になってしまって。

ぺこ りゅうちぇるがちょっと普通じゃなかったから、私も不安定になってしまって。けど、打ち明けてくれて、「なるほどね」と。全てがつながった感じでしたね。

 

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──今回の形になるまでにどんな話し合いがあったか、もう少し詳しく聞かせていただけますか。

 

りゅうちぇる 二人で本当にいろんな話を重ねたし、お互いの両親を交えて話もしました。その中で、自分のセクシャリティが発端で夫婦や夫でいることがどんどんしんどくなってしまったけど、息子と出会わせてもらえて、素晴らしい息子のパパでいさせてもらっていることはすごく誇りに思っているので、それは守りたいと伝えました。てこの幸せを夫として守れなかったのは本当に申し訳ないけど、パパとして息子を立派に育てていくことは必ず守りたかったので、ちょっと新しい形ではあるけど、家族としてしっかり守っていきたいという気持ちでした。

 

ぺこ 私はあらゆる知恵を絞り出していろんな提案をしました。りゅうちぇるが少しでも楽に生きられるようにと心から願っていたし、今もそう思っているので、どうにかバランスよくいられる方法はないかなって。それこそ沖縄に移住してもいいんじゃないかとも言いました。でも、りゅうちぇるは紙切れ一枚のことだけど、それをしないとやっぱり自分は次に進めないって。正直、今でもりゅうちぇる当事者の気持ちを100%理解は多分出来てないかもしれないけど、りゅうちぇるが少しでも楽に生きられて次に進もうと思えて、バランス良く新しい家族としてハッピーでいられるならそうしようと。私もなによりも息子が大事だし、パパとママがこれからも毎日一緒にいて、おうちが楽しくてハッピーな空気であることが私たちと息子にとっては一番だと思ったので、その居場所は守りたかったです。

 

──ぺこさんの幸せ、と言われてぺこさんはどう思いますか。

 

ぺこ りゅうちぇるはこの先のことを考えてそう言ってくれたと思うんです。でも、今の私にとっては、息子のママであることが何よりも大事で。あと、確かに私に話してなかった部分はあるけど、今までりゅうちぇるからもらった愛は全部本物だったって信じられるから。もともと私たちは夫婦であり親友でありきょうだいでありって全部の関係を持っている存在だったのが、その中から一つ、夫婦っていう関係がなくなるだけで、これからも人として大切だし大切にしてくれているし、家族としてパートナーとして私も守っていきたいし、守ってくれるっていうことは信じてます。

 

NEXT>>>「『こういう大人として生きていかなきゃいけない』って思いこんでいた」(りゅうちぇるさん)

 

──りゅうちぇるさんは以前から「炎上とか気にしてない」と言っていましたが、今回の公表に際しての気持ちはいかがでしたか。

 

りゅうちぇる 世の中にはじめて本当の自分のことを話すので、やっぱりすごく怖かったです。今までは自分の正体みたいなものを出さずに、「こういう大人として生きていかなきゃいけない」って思いこんで生きてきた気がします。それももちろん自分ではあるんですけど。今回、自分のことをはじめててこに話したらてこは味方でいてくれて、自分の気持ちが少しずつ生き返っていったんです。自分を認めてくれて、こういう形で進んでいこうと言ってくれたてこの存在はすごく大きいし、てこの優しさには感謝してもしきれないです。友達や仕事仲間がきっと大丈夫だよと言ってくれることにも勇気をもらってます。これからはもう本当の本当に何の嘘もないし、隠してることもなくなるし、本当の僕で闘っていく。まだ不安もあるけど、自分たちの選択を信じて、自分らしく、自分の色で生きて、輝いていく姿を息子にも見せたいなと思っています。

【ryuchell】デニムジャケット¥5,390(原宿シカゴ 竹下店)ハーフパンツ¥6,490(BUD)その他/スタイリスト、本人私物【peco】ブラウス¥5,390(BIG TIME下北沢)ベスト¥2,750(Little Trip To Heaven 下北沢)その他/本人私物

 

インタビューの続きは、9/7発売のVERY10月号に掲載されます。ここではお伝えしきれなかった葛藤やお互いへの今の気持ち、息子さんに伝えるタイミングのこと、今後の家族のあり方などをお話しいただいています。

 

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*Profile*

ryuchell(りゅうちぇる)さん
1995年沖縄県生まれ。モデル、タレント、YouTubeなどマルチに活躍。事務所の代表取締役も務める。著書に『こんな世の中で生きていくしかないなら』。育児セラピスト1級、食育インストラクターの資格も持つ。

peco(ぺこ)さん
1995年大阪府生まれ。原宿系ファッションのカリスマ読者モデルとして10代を中心に人気を集める。2018年男の子を出産。現在は子育てに専念する傍ら、育児や生活の様子を投稿したSNSが人気。

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撮影/吉澤健太 ヘア・メーク/megu スタイリング/曽我一平 取材・文/宇野安紀子 編集/井上智明