二階堂ふみさん・特別インタビュー「私たち日本人は、もう少し休む時間を作ってもいいのかもしれない」

公演中の舞台『鎌塚氏、羽を伸ばす』をはじめ、多方面で活躍しつつ、アクティビストとして自らの意見をしっかりと表明する――今の日本では稀有な存在とも言える、二階堂ふみさん。誰にでも分け隔てなく、丁寧で優しくて。本当に強い人はこういう人なんだな、と腹落ちした取材でした。

自分も周りも幸せにするウェルビー女子な生き方、教えてもらいました

適切に休みを取って、いいパフォーマンスをあげていきたい

6年前の夏、1カ月かけて海外を
ジャケット¥115,500(forte_forte/コロネット)オーバーオール¥23,100(Lee/エドウイン・カスタマーサービス)タンクトップ¥7,700(ENOF/ZOZOカスタマーセンター)スムースブラ¥7,500(TW/LYDIA)〈左手人差し指〉ボールリング¥33,000シルバーリング¥27,500(ともにLORO)サンダル¥104,100〈輸入関税込み・参考価格〉(Piferi/ファーフェッチ カスタマーサービス)その他リング、ピアス、ネックレスはすべて二階堂さん私物

6年前の夏、1カ月かけて海外を旅しました。途中パリにも滞在したのですが、ちょうどバカンスでどこもお店が開いていなかったんです。知ってはいたけれど、衝撃的な風景でしたね。でも現地ではそれが当たり前で、公園では普段は会社員と思われる男性が子どもとピクニックしていたりして、とてもいい景色に感じて。もう少し私たち日本人も休む時間を作ってもいいのかもしれないな、と思うきっかけになりました。以前に比べると、この業界の労働環境も少しずつ変わってきていると感じます。中でも舞台は公演時間が決まっているので、健康的なサイクルになる場所。映像の世界でも現場レベルで変えようという意識は高まっていますが、必ずしも現場は予定通りに進むものではないし、納期に向けて帳尻を合わせるためにスケジュールがタイトになることもあります。私はありがたいことにマネージャーさんが運転してくれるのでその間に休めたり、休憩時間に食事をいただける身ですが、お昼代が出ない現場では若いスタッフはお金がなくて食べられないということもあって。そういう現状を少しでも改善したくて多めに差し入れたりしていましたが、もっと根本からの改善が必要だと考えています。俳優部だけではなく、他の部もみんなが睡眠・食事・休息がきちんと取れて、いいパフォーマンスをするという健全な環境が理想ですね。

PROFILE
1994年生まれ。沖縄県出身。2009年、映画『ガマの油』でスクリーンデビュー。以来、映画『ヒミズ』、『翔んで埼玉』、『人間失格 太宰治と3人の女たち』NHK大河ドラマ『西郷どん』、TBS『プロミス・シンデレラ』など数多くの作品に出演。2020年には、NHK連続テレビ小説『エール』でヒロインを演じ、同年の「第71回NHK紅白歌合戦」では紅組司会を務めた。現在は、舞台『鎌塚氏、羽を伸ばす』に出演中。

ヒロインとして再登場、大好きな

ヒロインとして再登場、大好きなシリーズです
シリーズ2度目の出演となる、舞台『鎌塚氏、羽を伸ばす』。演じる〝綿小路チタル〟は、ミステリー好きのキャラクターなのですが、私自身も小学生の頃から探偵ものが好きで赤川次郎シリーズを愛読していたので共通点を感じています。『鎌塚氏、羽を伸ばす』8月は、富山、愛知、島根、岩手、新潟、大阪で公演予定。

撮影/YUJI TAKEUCHI(BALLPARK) ヘアメーク/足立真利子 スタイリング/柳田真樹 取材/坂本結香 再構成/Bravoworks.Inc