【STORYライター座談会】夫が「ありえへん!」――思春期の娘に自分の理想を押しつけないで!〈前編〉
STORYライターの小6男女双子の母、東 理恵です。
9月号(P.176~)で、「パパ、それはありえへん!」という企画を担当しましたが、ライター座談会ではまだまだ書ききれなかったことがたくさんありました。
そこで、こちらに座談会の続きをアップさせていただきます。
東 ねえねえ、パパは娘のファッションチェックする?
竹永 する。しかも、ちょっとネガティブな感じが多い。
娘がグレーでコーディネートをまとめると「全身コンクリートみたいな服だね」とか、トレンドのダボっとしたシルエットを着ていると「なんでそんな服を着てるの?」とか……。
パパとしてはモノトーン系より明るめで女の子らしい服を望んでるみたい。
片山 娘の服にコメントするのは良くない! 自分たちが子どもの頃とは文化や流行りが違うのだから。
東 コロナ禍で、家にいる時間が長いから余計に目につくのかもね。
片山 もう、家にいすぎて大変……(汗)。
自分は食後に食器を下げないのに、娘には「やれ」とか言うし。以前は家のことなんて気にもかけなかったのに、最近は細かいことに気がついて、目線が家族に向くようになってる。それまで休日しか会わなかった娘と、今は毎晩ご飯を一緒に食べるようになったからチェックをするようになった。
東 うちの夫もそう。自分は何もしないで座ったまま携帯ゲームしながら、娘に命令してる。
「ご飯を作るのを手伝え」だの、「片づけろ」だの。
竹永 家にいて、今まで娘の知らなかった部分がわかってしまって、小言が多くなったよね。
パパたちオジサンの「オバサン化現象」。
東 夫は、娘に対して品行方正な女の子の理想がありすぎ。
片山 父親がイメージする娘の理想は「三井のリハウス」の白鳥麗子なのよ!
娘ができた瞬間から、娘はそうなると思ってるのかもよ。パパたちは息子より、娘に対して理想が強いのかも。ゼロから育てられるから、自分のタイプの女の子に育てたい。でも実際には、完璧な「三井のリハウス」の娘なんて、いないじゃない!
東 白鳥麗子。いないいない(笑)。これ、40代以上じゃないとわからないかな(笑)。
黒髪ロングストレートの髪で、バイオリン弾いてた宮沢りえさんのCMね。
人前ではお行儀のいい子でも、家では服をポイして、脱ぎ散らかしたりしてる――それが現実よね。
竹永 みんな女子はそうだよ。
片山 家ではちょっとだらしないほうがいいんだよ。家の中でも理想的な娘を装っている子は、その反面、裏の顔があったりするって……。こわっ。
竹永 うちの夫は、娘が自分と同じだと思ってるみたいで……。自分がきちんとしてるから娘もそうだと思ってるみたい。
片山 うちは夫も娘もだらしない。でも夫は自分のことをだらしないとは思ってない。
だから娘のことを「なんであんなに部屋をぐちゃぐちゃにするの?」とか言ってるよ。
竹永 夫は娘のお風呂が長いことに腹を立てていて「5分で出ろ!」とか言う。早く寝てほしいって気持ちはわかるけれど絶体無理じゃない!?
東 そんなの髪も洗えないって(笑)。自分と同じと思うな!
片山 年頃の女子はいつまででも入っていられるよ。お風呂ぐらいゆっくり楽しませてあげてほしいよね。
東 リラックスさせてあげて!
歌も歌わせてのんびりさせたいわ。それよりも、夫には〈風呂上がりにパンツ一丁でうろうろするな〉と言いたい。年頃の娘の前でみっともない。読者にアンケートを取った時も、この意見は多かった。
たるんで、だらしない自分の体を見せてる一方で、娘には「最近デブってきてない?」「ドブス」だの酷いこと言うし……。
今の時代、そんなこと外で言うたら、とんでもないことになるっちゅーねん! デリカシーなさすぎてびっくりやわ。ありえへん。ホンマに。
片山 うちの夫も娘に、「お尻がでかい」「太ってる」って言うよ。〈そんなあなたの体型は人にコメントできるようなものじゃないよね〉と思う(笑)。
不思議だけど言えるんだよね、オジサンは。自分のことは棚に上げて。
やっぱり家族のことを下に見てるのかもしれない。
東 ひどいよね~!
〈後編に続く〉
撮影/西 あかり 取材/東 理恵
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