マディソンブルー・中山まりこさんの“シャネルヒストリー”「初めて購入したネックレスは今も」
どうしようもなく心惹かれる、数々のアイコニックなデザイン。それと同じように、ココ・シャネルのマインドへの共感やリスペクトの思いも、ブランドの魅力。気づけばずっと恋焦がれている…そんなシャネルの求心力について語っていただきました。今回は、マディソンブルーの中山まりこさんです。
*掲載中のシャネルのアイテムは私物です。ブティックへのお問合わせはご遠慮下さい。
追いかけても追いつけない
永遠に憧れる女性像が
「シャネル」にある
マディソンブルー デイレクター、デザイナー
中山まりこさん
1980年代後半からスタイリストとして活動後、2014年に「マディソンブルー」を立ち上げる。シャネルをかっこよくカジュアルに取り入れた着こなしは、多くの女性たちの憧れの的。
#OOTD
jacket,bag,bangle etc.: CHANEL
tops,pants: MADISONBLUE
若い頃から身につけるほどに奥深いデザインに尊敬が止まず、追いかけ続けている存在がココ・シャネル。
女性が働くことも困難な時代に〝凜とした女性の生き方〟や〝真のエレガンス〟を、自らの生き様をもって証明したココ・シャネル。彼女が残した数々の名言は私の人生に大きく影響を与え、ブランドの根底にあるスピリットを理解したい一心で、長らくシャネルを買い続けています。
初めてのシャネルは、学生時代に購入したイミテーションパールのネックレス。当時、シャネルのブティックは日本になく、ファッション界で活躍するスタイリストや女優の方たちが、ヨーロッパで入手したものを身につけている姿を見て憧れを抱くように。「専門学校の卒業式は絶対にシャネルのネックレスをつける!」と心に決め、デパートの今では考えられないほど小さいコーナーで手に入れたもの。ヘインズのTシャツにエルメスのスカーフ、501のデニムにシャネルのネックレス。「日焼けせずしてパール似合わず」と、日焼けのためになけなしのお金を集めてバリ島にも行きましたね。次に影響を受けたシャネルとの出会いは、ニューヨークのマディソンアベニュー。ベビーカーを押した女性が、スーパーの買物袋と一緒にシャネルの2.5 5を持っていて「スーパーに買物に行くのにシャネル!」というライフスタイルが衝撃的でした。「マディソンブルー」というブランド名は、このエピソードに由来。30代でココ・シャネルのリトルブラックジャケットの着こなしを真似したいと挑戦したものの肩パッドのついたノーカラーのデザインは若い体にはまったく似合わず。50歳を目前に再挑戦したところ、肩パッドはデコルテ周りが痩せてきた大人の体を素敵に見せるもの、ノーカラーの衿元はパールを飾るためにあるのではと自分なりの解釈に辿り着きました。デザイナーとして、ひとりの女性として、絶え間なく探究心を刺激され、纏うたびに新たな発見がある「シャネル」。本当のエターナルってこういうことなんじゃないかなと思うんです。
専門学校の卒業式に身につけたというシャネルのネックレス。「イミテーションパールを日常に楽しむという新たな価値観を提示したココ・シャネル。一緒に購入したイヤリングは片方行方不明ですが今でも大切に保管しています」。 キルティングボックスのなかには、ボーイ シャネルや2.55など、4つのミニサイズのシャネルのアイコンバッグが♡ 「見た瞬間あまりの可愛さに大歓声をあげたほど。幼い頃、ドールハウスを開けたときのようなトキメキが蘇りました」。
「ノーカラージャケットは難易度が高いけれど、衿付きならいける!」と30代前半で購入したシャネルのブラックジャケット。黒でデニムに合うジャケットを探し、出会った1着。チェーンネックレスもシャネル、〝重ね技〟を見習いたい。
撮影/谷口 巧〈Pygmy Company〉(人物)、西原秀岳〈TENT〉(静物)取材・文/櫻井裕美 編集/羽城麻子
VERY NaVY5月号『[大特集]NaVY的「麗しのBAG & SHOES」Part2 憧れが止まらない!「エルメス愛」&「シャネル愛」』より。詳しくは2022年4/7発売VERY NaVY5月号に掲載しています。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。