将来に対する漠然とした不安について、相談できる友達がいません【ジェーン・スー×HARUKOの人生相談Vol.48】
40代女性の気持ちを代弁するような明快な語り口が人気のコラムニスト、ジェーン・スーさん。新聞やラジオ、雑誌で多くの方のお悩みに答え、その胸のすくような回答には励まされる読者も多数。
一方、波乱万丈の人生経験を持ちながら、いつも前向きで飾り気がない人柄で、誰からも愛されるモデルのHARUKOさん。歯に衣着せぬ語り口で、仲間のお悩みにさっと答えてくれると評判です。
そんなおふたりに『STORY』読者の真剣なお悩みに答えていただきます!
<PROFILE>
ジェーン・スーさん
コラムニスト。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月〜木11:00〜)のパーソナリティを担当。毎日新聞をはじめ新聞・雑誌で数多くの連載を持つ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、第31回講談社エッセイ賞を受賞。
HARUKOさん
モデル。短大時代、『JJ』にて山田明子(はるこ)の名でデビュー。以来、数々のファッション誌で活躍。’03年に結婚後、九十九里浜に移住、長女を出産。’12年に離婚。HARUKOに改名し、現在『STORY』にて活躍中。趣味はサーフィンと読書。
~第48回~
◇ 将来に対する漠然とした不安について、相談できる友達がいません
特に親しい友達がおらず、休日も一人で過ごすことが好きです。38歳でそれまで付き合っていた方を別れてからは、「おひとりさま」を楽しんでいて、外食も旅行もひとりでしますし、休日は、ひとりで家でゴロゴロしていても、寂しいと感じることもありませんでした。ところが、最近、更年期もあるのか、体調がよくない日が多くなりました。また、管理職になってからは仕事上のストレスも増える一方です。そのせいか、役職定年後はどんな感じで働くのだろうとか、その先この会社にい続けるのか、とか、老後はどうしようといった漠然とした不安が湧き上がってきて、ため息の塊になってしまいます。それなのに、私には、相談できる友達や上司や彼氏や家族がいないじゃないか、と、今更ながら気づいて、目の前が暗くなりました。でも、いまお付き合いしている方がいたとしても、私は、こういう不安を相談することはできないような気がします。
スーさんやHARUKOさんはお友達がたくさんいて、相談できる人も家族もいらっしゃるとは思いますが、私のような場合は、不安や悩みはどこに相談したり、打ち明けたりしたらいいと思われますか?
(札幌市在住 悩める38歳さん 人材派遣業)
友達に相談する場合でも、相手の状況をあれこれ考えて、気を使って話すものじゃないですか。どんなに親しくても、なんでもかんでも全部話せるわけではないですよね。
ひとりでいるのが好きなのに、困ったときに相談相手になってほしいからという理由で、気苦労しながら、友達と過ごす必要はないですよね。
でも、ここに相談してくれているという時点で、解決したいという意思があるわけですよね。で、それは、明確な悩みではなくて、漠然とした不安ということなので、カウンセリングを頼んでみるのがいいんじゃないでしょうかね。話を聞いてくれて、整理してくれるというとカウンセラーですよね。
この方、すごく自分のことをわかっていますよね。すごく心が強くてしっかりした女性だなって感じました。だから、ちょっと自分の弱い部分が出てきたときに、「私、友達いないじゃん」と思って心細くなっちゃったんでしょうね。
ただ、例えば、将来のお金のことが心配だから、ファイナンシャルプランナーに相談して、明確なプランなどを出されてしまうと、「そんなの私できない」って思って逆に不安が増大するかもしれないので、話を広く聞いてくれるカウンセラーみたいなのがいいと思います。肩ひじ張らずに自分のことを話せる専門家にお金を使うのって、大人のたしなみとして「あり」だと思います。相性もあるから、何回か試してみて、自分に合う人を探すといいですよね。
なるほど。友達に相談しても、その人が自分がほしい回答をしてくれるとは限らないしね。むしろ、お金を払って話せる赤の他人のカウンセラーになら、なんのしがらみもなく、飾らずに話せるし、意見をもとめても、きっとフラットな立場でものを言ってくれますよね。 あと、私、電話占いとか好きで、ときどき占ってもらうんですよ。友達は、2週に1回くらいの割合で電話してるっていうんですよ。これは、もうストレス発散のためにしゃべっているというレベルかもしれなくて。それでもいいんじゃないかなと思います。人に話すだけですっきりするし。
当連載は毎週金曜日配信です。
お二人に相談したいことを募集中です。storyweb@kobunsha.comまでメールでお送りください(お名前はイニシャル等匿名で掲載します)。採用された方にはQUOカードをプレゼントいたします。
撮影/吉澤健太 取材/秋元恵美