いま注目される「国際バカロレア」とはどんな教育?
最近は義務教育の代替案が増えてきました。いま注目を集める国際バカロレア認定のオルタナティブスクールを取材しました。
▼あわせて読みたい
義務教育の代替案にはどんなものがある【オルタナティブスクールの教育】
★ 長所を伸ばせば、どんな子どもだって 社会の役に立てるようになる
―― 国際バカロレア 日本大使 坪谷・ニュウエル・郁子さん
坪谷・ニュウエル・郁子さん
神奈川県出身。イリノイ州立西イリノイ大修了。早稲田大卒。1995年東京インターナショナルスクール(国際バカロレア(IB)認定校)設立、理事長就任。2012年、IB日本大使に就任。文部科学省とともに、IBの普及に取り組んでいる。
● 国際バカロレア(IB)とは?
国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム。1968年、世界の複雑さを理解し、対処できる生徒を育成し、生徒に対し未来へ責任ある行動を取るための態度とスキルを身につけさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学のルートを確保することを目的として設置された。年齢、資格によりPYP・MYP・DP・ IBCPに分類。世界150以上の国・地域で実施。
私が教育に携わったきっかけは、小学生のときの体験です。
あまり勉強が得意ではない同級生の女の子に算数を教えるよう教師に頼まれたのですが、その女の子は勉強は得意ではなかったけれど編み物が得意。手先が器用で忍耐強い彼女は、なんて素晴らしい長所を持っているんだ! と。同時に、勉強だけではなく、自分の長所を活かすことで誰でも社会に役立つことができるはず、と漠然と思いました。
自分の娘たちの教育を自分の手でやりたかったという理由もあり、結果的に学校設立まで至ります。日本の教育は学習指導要領に基づくもので、世界に誇る点は多々ありますが、私は「個々の好きや得意」を見出し、伸ばすのが「教育」の目的だと思っています。
IBを日本の教育に取り入れたかったのは「自分の好き」に自信を持たせ、自己肯定感を高めるプログラムに長けているから。誰もが長所を活かして輝き、尊重しあえる教育。IBに光を見出したのです(坪谷さん)
<東京インターナショナルスクール>
1985年設立のイングリッシュスタジオが前身。1995年設立。世界約50カ国の生徒が通う国際色豊かなスクールで、国際バカロレアを軸に生徒主導の探究型カリキュラムが充実しているインターナショナルスクール。
撮影/杉本大希 取材/竹永久美子 ※情報は2022年7月号掲載時のものです。
こちらの記事もおすすめ!
・ママが素敵なワンピを着ていたら、子育てだってうまくいく【探求学者・宝槻夫妻対談】
・【男の子の育て方 対談連載vol.12】過熱する中学受験のママの意識 vs. ジェンダーレスを地で行く高校教諭の授業 編
・「子どもに本当に必要な力」の育成をサポートしてくれるスクール2選