「在宅勤務で妻の要求がエスカレート」パパの嘆きに東大人気教授がアドバイス!
家事育児は〝手伝う〟から〝シェアする〟時代に。頑張るパパの悩みに応える連載の第7回。RYUCHELL(りゅうちぇる)さんの愛ある叱咤激励と、ジェンダー論のプロ・東大人気No.1講義の瀬地山 角先生の分析を、ぜひ夫婦でシェアしてみてください。
前回の回答はこちら!
▶︎パパの「娘との接し方がわからない」悩みに東大人気教授が送った解決策は?
今月の悩めるパパ ⑦
原 和智さん(仮)/34歳。外資系IT企業勤務。趣味は釣りで将来は三浦半島に住みたいと思っている。息子が大きくなったら一緒に釣りに行くのが夢。妻とは高校の同級生で同窓会で再会し、結婚。好きな有名人は戸田恵梨香。
リモートワークが増えた自分に対して妻の要求がエスカレートしているのが負担です
コロナ以降、リモートメインの私とリモート不可の職種でフルタイムの妻。3歳の息子がいます。在宅で自由がきくと思っているようで、妻の要求がエスカレートしています。以前は保育園の送りは私、迎えも週1回は行き夕食も準備、掃除や洗い物も担当し、妻から不満はなかったのですが、今はできれば迎えは週3回、夕食ももっと作ってなど要望が増えました。在宅は楽ではないのに、妻は「すき間時間はあるはず」と言います。断ると機嫌が悪くなるのも理解できません。これ以上、負担が増えるのは勘弁してほしいのが本音です。
ジェンダー論のプロ・瀬地山さん
から悩めるパパへのアドバイス
夫婦それぞれの収入と
拘束労働時間を考慮して
タスクを割り振るべき
週1回の迎えや可能な範囲での家事分担という最初の条件がおかしかっただけで、正常な形に戻っているに過ぎません。在宅が増えたなら家事を増やしてほしいというのは当然の要求で、通勤がない分、夫の時間は増えてすき間時間もあるはずですから。今まで不満が出なかったのは妻が我慢していただけでしょう。まずは夫婦が家事に費やしている時間を比べてみてください。収入に倍以上の差があるならまだしも、そうでないなら対等に負担すべき。また通勤を含め、拘束労働時間は妻のほうが長いと思うので、それも加味した上でバランスを取りましょう。収入と家事のバランスの取り方にはふたつの方法があり、単純に収入の逆数で家事を分け合うか、収入差が大きくない場合は拘束労働時間を考慮すること。この時間を無視すると、負担感が偏ってしまいます。収入と拘束労働時間の兼ね合いでバランスを取るのが最もフェアな方法です。この家庭は今まで顕在化していなかった問題が、コロナを機に明らかになっただけ。話し合いなしにうやむやにしているから、お互いマグマが溜まっているのでしょう。この機会に夫婦でしっかり話し合ってください。
瀬地山 角先生
東京大学大学院総合文化研究所教授。専門はジェンダー論で、東大での人気講義No.1と評判。2児の父として10年間保育園の送迎をし、現在も普段の夕食作りを担当。近著に『炎上CMでよみとくジェンダー論』(光文社)。
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撮影/杉本大希 ヘア・メーク/megu スタイリング/曽我一平 取材・文/宇野安紀子 イラスト/N.Ryosuke 編集/井上智明
*VERY2022年4月号「りゅうちぇるの「パパの子育て悩み相談室」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。