嫌なことをいつまでも考えてしまうときはどうすればいい?【ジェーン・スー×HARUKOの人生相談Vol.40】

40代女性の気持ちを代弁するような明快な語り口が人気のコラムニスト、ジェーン・スーさん。新聞やラジオ、雑誌で多くの方のお悩みに答え、その胸のすくような回答には励まされる読者も多数。
一方、波乱万丈の人生経験を持ちながら、いつも前向きで飾り気がない人柄で、誰からも愛されるモデルのHARUKOさん。歯に衣着せぬ語り口で、仲間のお悩みにさっと答えてくれると評判です。
そんなおふたりに40代女性たちの真剣なお悩みに答えていただきます!

<PROFILE>

ジェーン・スーさん

コラムニスト。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月〜木11:00〜)のパーソナリティを担当。毎日新聞をはじめ新聞・雑誌で数多くの連載を持つ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、第31回講談社エッセイ賞を受賞。

HARUKOさん

モデル。短大時代、『JJ』にて山田明子(はるこ)の名でデビュー。以来、数々のファッション誌で活躍。’03年に結婚後、九十九里浜に移住、長女を出産。’12年に離婚。HARUKOに改名し、現在『STORY』にて活躍中。趣味はサーフィンと読書。


~第39回~

◇ 嫌なことをぐるぐるいつまでも考えてしまいます

嫌なことをいつまでも気に病んでしまうことで困っています。仕事でミスをしてお客さんからクレームが入ってしまったとか、子どもを強く叱ってしまったけれど、怒りすぎだったかもとか、ママ友に自分が言った言葉で相手を傷つけてしまったかもとか、そんなに大事ではないことでも、夜寝しなになると気になってしまい、寝付くことができません。そのうちに、頭の中に残っていたいろいろなネガティブなことが次から次へと湧きだしてきてモヤモヤが広がってしまい、朝方まで眠れないことが何日も続いたりします。気分転換をしようと、散歩をしていても、いつの間にか同じような嫌なことをぐるぐる考えていて、ちっともさっぱりできません。どうしたら、小さなことを気にしすぎるのを直すことができるでしょうか。
(東京都在住 Y.Mさん 41歳 会社員)

 

ジェーン・スーさん

これは難しいですよね。私も同じようなことよくあります。HARUKOさんはどうですか?

HARUKOさん

私もそういうモードに入っちゃうことたまにあります。年に何回かあるし、人生を振り返ってみて、かなり長い期間そうなってしまっていた時期もありましたね。そんなときは、まず今、自分が「そういうモードに入っているんだ」ってことをわかっておくことが大切だと思うんです。この方は、自分の状態に気付いているから、まだいいほうだって思いますね。

ジェーン・スーさん

Y.Mさんのお悩みは、本当に誰にでもあることだけど、あまりによくあるなら、その頻度を減らせるといいですよね。「あの時、挨拶しても返してもらえなかったのは、多分私があのときにこうしちゃったからで、そういえば、このときもこうだった」、とぐるぐる考えちゃうというのは、他人の振る舞いを見て、自分で勝手にその人の気持ちを推測して、自分に低い評価をしている、という行為だと思うんですよ。他人の行動を自分を否定するための道具にしているようなもの。でも、実は全然関係ないかもしれないですよね。相手は何も思ってないかもしれない。子供きつく叱ったのを反省することは、お母さんならだれでもあるだろうけれど、自分はダメな母親だって評価するために、𠮟ったときの映像を使っているのかもしれない。自分はダメという説得材料にしている。つまり、自尊感情が低いっていうのが一番の問題なんじゃないかな。だから、自尊感情を上げる方法を探したほうがいいかもしれない。失敗しても「別に私の価値は変わらない、まあこういうこともあるよね」と思えるのは自尊心が健やかだからですよね。

HARUKOさん

そうそう。最近はYouTubeでも、美輪明宏さんとか斎藤一人さんみたいに、「私が生きていてもいいんだよね」と思わせてくれるようなコンテンツがいっぱいあるから、そういうのをみたり。スーさんのラジオやポッドキャスト聞いて、他の人のお悩みを聞いたりすると、私の悩みなんてちっぽけと思ったり、私と同じって思って安心できたりするかもよ。

ジェーン・スーさん

ありがとうございます。

HARUKOさん

私は、サーフィンで波にもみくちゃにされると、なんで悩んでたんだろう?って思えてくる。散歩は Y.Mさんの気分転換の方法としては合ってないんじゃない?私も散歩はつまらないもの。もっと、バーンと感情が上がるようなことしてみたらどうかな。ジェットコースターに乗ってみるとか。ホラー映画見るとか。

ジェーン・スーさん

そう。今、目の前のことに真剣いならないと、命が危ないくらいなことをやれば、モヤモヤが吹っ飛びますよ。サーフィンもまさにそうだけれど。

HARUKOさん

あ、私いま、お悩みモードに入っているな、というのをまず客観視して、韓流ドラマ見るでも、なんでもいいから、非日常で没入できるものにのめりこんでみるといいと思いますよ。

当連載は毎週金曜日配信です。
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撮影/吉澤健太 取材/秋元恵美

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