意外と知らない「高齢出産の落とし穴」30代の妊娠&出産事情【現役産婦人科医に聞きました】

仕事が充実してきて、ライフイベントも多い30代は「選択」の連続です。そんなCLASSY.世代の「選択」を取り上げる不定期連載、第1回のテーマは「産む?産まない?」について考えてみましょう。

令和の出産事情はどうなってる?

    仕事が充実してきて、ライフイベ

    令和元年の平均初産年齢は30.7歳
    統計では女性の出生時平均年齢は上昇傾向にあり、晩産化が進んでいます。最新のデータである令和元年の第1子出生時の女性の平均年齢は30.7歳。女性の平均初婚年齢も上昇し、29.6歳となっていることとも関係がありそう。結婚生活に入ってから出生までの平均期間も長くなっていて第1子の出生までの平均が2.45年と過去最長に。
    ※出典 厚生労働省「令和3年度 出生に関する統計の概況」

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    一人の女性が出産する子どもの数は平均1.36人
    一人の女性が出産する子どもの数に相当する「合計特殊出生率」は令和元年のデータで1.36人。一人も子どもを産んでいない女性の割合も上昇傾向にあり、30歳の時点で子どもを産んでいない女性は平成元年生まれで56.6%。女性の未婚率も年々上昇しており、30歳の時点の未婚率は最新のデータで40.4%となっています。
    ※出典 厚生労働省「令和3年度 出生に関する統計の概況」

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    地域によって出産事情にも差がある?
    合計特殊出生率を日本全体でみると、令和元年のデータで1位の沖縄の1.82人をはじめ、36の県が全国平均の1.36人を上回っています。一方で最下位の東京は1.15人と地域差が。また、世界の合計特殊出生率ランキングでの日本の順位は191位。世界的にみても日本は出生率が低い国となっており、他の先進国も出生率が低い傾向にあります。
    ※出典 厚生労働省「人口動態統計」結果の概要
    Fertility rate,total(births per woman)THE WORLD BANK

「不妊治療」ってよく聞くけれど…

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    継続的に性行為を行っていて、20~30代なら1年、40代なら半年たっても妊娠しなければ不妊症の可能性を考えて。日本人は不妊治療の開始年齢が高めなのですが、確実に妊娠を望むなら30代後半で治療を始めてほしいところ。クリニックでの治療は最初に検査を行い、排卵を促す薬の内服や注射、排卵時期のアドバイス、人工授精、体外受精、顕微授精へと進んでいきます。不妊治療の保険適用枠がこの4月から拡大し経済的負担は減りましたが、高度な治療に進むほど費用も増大。まずはブライダルチェックなど受けやすい検査で妊娠できる状態かどうかチェックしてみては。

もはや珍しくない「高齢出産」について

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    生殖医療が進歩していることもあり、有名人が高齢で出産したニュースなどを見ると、お金をかければ40代でも妊娠できると思っている人が多い印象ですが、必ずしもそうではないことを理解しておきましょう。高齢出産には妊娠中や出産時のトラブル、染色体異常や流産率の増加などのリスクが。そして出産がゴールではありません。自分が高齢の場合は親の介護と出産、育児を同時に行う状況になってしまったり、子どもが小さいうちに更年期症状が出て体力的によりハードになってしまう可能性も。「高齢出産は当たり前」ではないことを忘れないでください。

お話を伺ったのは…

ママ女医ちえこ先生 現役産婦人

ママ女医ちえこ先生
現役産婦人科医として婦人科診療を行うかたわら、チャンネル登録者数13万人を超えるYouTubeチャンネルを運営。3児の母。著書に『子宮にいいこと大全産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)

イラスト/松元まり子 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc