元乃木坂46生田絵梨花、2年越しに実現したミュージカル「四月は君の嘘」への想い

昨年末に乃木坂46を卒業した女優の生田絵梨花(25)が7日、東京・日生劇場で、ミュージカル「四月は君の嘘」の初日を迎えた。この舞台は、2020年7月に上演予定だったが、コロナ禍にあって、開幕直前に全公演が中止になったもので、約2年の時を経て、メインキャスト6名全員が再集結して実現した。


水色のドレスでヴァイオリンを弾くかをり(生田絵梨花)

原作は、2011年から2015年まで月刊少年マガジンで連載された新川直司の人気マンガで、その後2014年~2015年にフジテレビ「ノイタミナ」枠にてTVアニメ化され、2016年には広瀬すずと山崎賢人の共演で実写映画化され大ヒットした。

ミュージカル「四月は君の嘘」


公生(小関裕太)と星空を眺めるかをり(生田絵梨花)

今回は、ミュージカル界の将来を担う6人が抜擢された。元天才ピアニスト・有馬公生役に小関裕太と木村達成がWキャストで出演。天真爛漫で圧倒的な個性を持つヴァイオリニスト・宮園かをり役に、ミュージカル『モーツァルト』などの好演により、第44回菊田一夫演劇賞を受賞した生田絵梨花。その他、澤部椿役に唯月ふうか、渡亮太役に水田航生と寺西拓人(Wキャスト)が出演している。


『Speed of Sound』の曲に乗りながら、渡(水田航生)と自転車に乗るかをり(生田絵梨花)

物語は、母の死をきっかけにピアノの音が聞こえなくなり、コンクールはおろかピアノからも遠かっていた天才ピアニストの少年・有馬公生が、天真爛漫なバイオリニストの宮園かをりとの出会いをきっかけに、ピアノと母との思い出に向き合っていくストーリー。かをりとの出会いによってモノクロだった世界がカラフルに色づき始めていく公生だったが、かをりもまた、ある大きな秘密を抱えていた……。音楽家の卵たちが、大切な人たちとの出会いと別れを通してもがきながらも逞しく成長していく魅力溢れる作品となっている。


天真爛漫なかをり(生田絵梨花)に惹かれていく公生(小関裕太)

乃木坂46を卒業して初めての舞台となる生田は、天真爛漫で少しおてんば。なおかつ儚さと美しさを併せ持つかをり役として、失意のどん底にある公生を音楽の世界に再び導き成長させていく役どころを魅力的に演じている。生田演じるかをりの生き生きとした表情がモノクロだった公生の世界をカラフルに色づけていくのが舞台上から感じられ、それゆえに第二幕のとの儚く凛とした演技が胸に刺さる。

「四月は君の嘘」は、日生劇場は5月29日まで。6~7月には、群馬、愛知、兵庫、富山、福岡の5カ所で全国ツアー公演がある。

2年の時を経て上演が実現! 再集結した6人のコメント

小関裕太
「いよいよ初日が迎えられます。劇場に入り、ステージに立ち、開幕に向かって最終チェックをしながら今思い返すのは、開幕することなく中止になってしまった2020の景色。強い喪失感を抱いたあの日を、ステージの上で思い出していました。様々なメッセージが込められている今作ですが、この2年の想いもまたこの作品に通ずるものがあります。全力で演じ切りたいと思います。この作品を通じて1人でも多くの方に”色”が生まれますように」

木村達成
「ようやくこの日を迎えることが出来てとても嬉しいです。稽古から新しいものを1から作ることの楽しさと難しさを改めて体感しました。苦しみの中に愛を見つけ出す公生を作るのはとても簡単なことではありませんでしたが、このカンパニーに助けられ、愛を喜びに変える公生を作れたと思います。さあ!走り出そう!旅に出よう!」

生田絵梨花
「公演中止から2年。ようやく幕が開きます!!とても緊張している今ですが、あの頃の情勢や周りの大切な人たちを思い浮かべると、熱いエネルギーが込み上げてきます。カンパニーの仲間、お客さま、この作品に関わってくださる全ての皆さまが、一人で背負わず、共にこの瞬間を生きられるよう、精一杯務めたいと思います。皆さまの目に映る世界がカラフルに色づきますように!」

唯月ふうか
「中止を乗り越え2年の月日を経て、こうして初日を迎えられることが何よりも嬉しいです!お客様が加わり、「四月は君の嘘」がよりカラフルに色づく瞬間がとても楽しみです。ふっと背中を押してくれたり、人生を更に豊かにしてくれる言葉がこの作品には溢れています。ほんの少しでも、観て下さった方の活力になりますように。2年貯えてきたエネルギーを放出させて、作品をキラキラと輝かせられるように、私も全力で青春します!」

水田航生
「新作を作る楽しさと大変さ、そして悔しかった2年前の想いを、稽古中からカンパニー全員で共有してきました。日生劇場にて、待ちに待っていた「開幕」を出来る事が本当に嬉しく思います!ミュージカル「四月は君の嘘」の作品が持つ、今この時の輝き、尊さ、彩りを、青春の音に乗せて、お客様にお届け出来るよう、心豊かに演じていきます!アゲイン!!」

寺西拓人
「渡亮太役を演じさせていただきます、寺西拓人です。一度中止になり、ずっと心のどこかにあったこの作品が、2年の時を経て上演できること、心から嬉しく思います。この2年という期間が、僕らにとって、そして皆様にとっても無駄じゃなかったと思っていただけるよう、真摯に努めたいと思います。この作品を通して、なにか1つでも持ち帰っていただけるものがあれば嬉しいです。劇場でお待ちしております!」


Photo_石井健