青山祐子さん「やる気スイッチはどこ?」
4月から夏休みまで子供たちは日本の小学校、幼稚園へ通い始めました。
次男は小学1年生。桜が咲く中、入学式にも参加できました。
ランドセルを背負って、3兄弟が一緒に路線バスで通学。言葉も習慣も香港とは全く違う環境ですが、親の心配をよそに、さっそく新しい友達ができ楽しんでいるようです。
長女は、漢字の宿題と音読を自分から進んで頑張るようになり、音読も日本語の会話も急速に上達しています。
一番心配なのが5歳の次女ですが、幼稚園であったことを、少しずつ日本語で説明してくれます。私の日本語を娘が真似して何度も繰り返す様子に、友達ともっとたくさん話したいという思いが伝わってきます。
子供たちの新しい環境への適応力にはとても感心します。
学校で頑張ってる分、休日は家族や親戚と過ごし、ダンス大会やスケートボードのXゲームを見に行ったり、家族で初めてカラオケに挑戦したりして、日本を楽しんでいます。
さてこの連載でお伝えしている、困難を乗り越える力の源「自己肯定感を高める取り組み」で私が子育てに取り入れていること、
今回は「子供自身の存在を認める」ことからのアプローチです。
子供の自己肯定感は実績だけでは育まれず、親など自分にとって大切な人に、自分自身の存在をしっかり認めてもらうことがとても重要だそうです。
自分の大切な人に認めてもらいたいからこそ、成功しようと頑張る原動力が生まれるのです。
そのために親ができることは、
1、子供の評価は結果と切り離す。
うまくできたことを一緒に喜び、ともに失敗を悔しがる。でも、どんな結果になっても、子供自身の存在を愛していることを伝える。
(成績がいいから愛されていると受け止められないように注意)
結果よりも頑張った取り組みを評価する。
子供が課題をクリアするのを待つより、課題に取り組んでいる最中に励まし勇気づけることが肝心です。
2、間違いや失敗は責めない
「悪い行動はあっても、悪い子供はいない」
弱い子、悪い子という評価のレッテルを貼ると、子供自身が自分はそうであると暗示をかけてしまいます。「バカ!何やってるの!」は禁物ですね。
失敗は将来へ向けての貴重な学びの機会です。失敗を非難すると、失敗を恐れて挑戦できなくなってしまいます。
先日、長男が参加している小学校のサッカークラブの試合でこんなことがありました。
5年生は昨年から勝てていません。
試合では、体格が一回り大きな同級生と対戦し、いい粘りを見せましたが、一つゴールを奪われた後、ガタガタと崩れ大敗。次の試合も消極的でシュートもできないまま負けてしまいました。
そこで監督が、「失敗しても良いんだよ。シュート打って、ゴールを決めたいだろ。勝ち負けは気にすんな。自分たちのやりたいプレーに挑戦するところがみたい。失敗を恐れず楽しんでこい。」とアドバイス。子供達からも「シュートを打ちたい!」と声が。
少しシュート練習をしていいイメージをつけて試合へ送り出します。
すると次の試合、積極的にボールを奪い、シュートが放たれ、チーム全体が活気付きました。惜しくもゴールは決められず負けましたが、子供達の表情はもっと頑張りたいとやる気に満ちています。
最後の試合は5位6位の順位決定戦。
今度こそ!とやる気に満ちた選手達から、待望の先制点が生まれ、さらに勢いづき追加点。久しぶりに一勝を勝ち取り、みんな大喜びでした。
私は子供の気持ちをうまく切り替えた、監督の言葉の力に感動しました。
最後に、子供は一人一人個性的で、特別な素晴らしい存在です。
「皆平等」は皆が同じ様になるのではなく、一人一人の個性は違っていいのです。
「これは私の考えだけど、あなたの意見を聞かせて。」と子どもの考えを尊重し、
「愛してる」と無条件の愛情を表現することは、子ども自身の存在を認める上で欠かせません。
日々の会話だけでなく、時に激励の手紙やビデオメッセージを子供に送ると効果的です。子供が実際に上達していることを具体的に褒め、子供の存在を感謝し、子供の行いが他の人の力になっていることを加えてもいいでしょう。
もうすぐ子供の日。
伝えきれていない子どもへの愛情をプレゼントする良い機会になるといいですね。
<追伸>
CURIOOkidsまもなく開校します!