【京大卒 宝槻流スゴイ知育連載vol.7】宝槻家のスーパー経営者ママ、“たまちゃん” 初登場! 忙しいママが、親子でハッピーになれる子育ての秘訣とは?
一番大事なことって、実は「子どもの観察」!
こんにちは。妻の圭美(たまみ)です。探究学舎では取締役として組織と人材開発を担当しています。そしてプライベートでは中1の長男、間に3人の女子、5歳の次男と、5人の子どもを育てています。
私自身、教育学を学び保育士の資格もあるので、子ども1人、2人であれば大概の知識でカバーできる!と自負していたのですが……流石に5人ともなると、各々個性が違いすぎてお手上げ状態。この子はどんな子なのか? 何が好きなのか? とにかく毎日子どもを観察する日々ですが、観察していく中で、少しずつですが一人一人の異なる特性が出てきます。そして私たち夫婦は子どもたちの特性を、マルチブル・インテリジェンス理論に結びつけて考えるようにしています。
能力評価は知識思考力だけで測るものではなく 子どもの持つ様々な能力に価値の差はない
多重知能=マルチブル・インテリジェンス(以下MI)理論とは、アメリカ・ハーバード大学の教授、ハワード・ガードナーが提唱したもので、「人間の知能は単一ではなく複数あり、長所やプロフィールが個人によって異なるように誰しも知能も複数ある」とし、人間の能力を8つに分類しました。それは以下のように分かれています。
論理・数学的知能/論理的な考え方や、数字の持つ抽象的な概念を理解する能力。算数得意、数字好きというイメージ。
博学的知能/いろいろな情報を自分の知識を使って分類できる能力。動植物や自然現象などの様々な事象の関係性を分類するのが得意。
言語・語学知能/言葉の意味や構造をよく理解できる。文章を読んだり話をしたりするのが得意。
視覚・空間的知能/絵や図を見て全体をとらえる能力。組み立てや設計、絵を描くことなどが得意。
身体・運動感覚知能/「運動神経がいい」「手先が器用」などと言われるタイプ。
音楽・リズム知能/演奏、作曲、音程の聞き分けなどに優れた能力。音楽大好き系。
対人的知能/人の気持ちを読み取る能力。コミュニケーション能力が高く、友人が多いタイプ。
内省的知能/自分のことを客観的に把握して行動できる能力。マイペースなタイプ。
※8つの知能は誰の中にもあり、特に高いものがどれなのかは人によります。たいていの人は8つのうちの2つか3つに秀でて生まれてくると、この理論では考えます。
子どもたちに理論を当てはめていくと…… 自ずと、どの習い事が良さそうか分かってくる!
子どもたちが無意識にやっていることに、その資質や強みが如実に表れます。そこにインテリジェンス理論を当てはめていくと、同じ家族であっても、まったく異なる強みを持つことが分かってきます。そして、その強みや好みに合わせて、習い事も考えていくことにしています。
例えば、2番目の女の子は絵を描くのが好きで、知らない人と関わるのが少し苦手な内省的タイプ。一度集団の造形教室に入れてみたところ、自分のペースが守れないことにストレスを感じてしまい辞めてしまいました。漫画も好きで本人は描いていますが、吹き出しの字を綺麗にしたい!と書道を習いたくなったそうです。ひらがな練習帳を丁寧に書いて主人に嬉々と見せていました。書はアートにも繋がりますし、自分と向き合うもの。内省的な彼女に向いているかもしれません。私は書道を習うことで、いずれは中国の漢詩まで知識が及んでくれたら嬉しいと思っています。
3番目の女の子は、踊るのが大好き。「踊る」は運動感覚知能と音楽知能の組み合わせと考えます。お友達の影響もありますが、チアリーディングを始めました。
4番目の女の子はおっとりとした子ですが日常的によく考えている節があります。軽井沢という場所柄もあり、最近カーリングを始めたところ、彼女にぴったりはまったようです。
1番目の男の子は、運動が得意で、何をさせてもそつなくこなします。野球とサッカーをしていましたが、スポ根コーチのいた野球は本人が楽しめないということで辞めました。ゴルフ、カーリングと、本人が興味をもち、やりたい!と思う習い事はどんどんさせています。
子どもは別人格。 自分と切り離して子どもを観察すること
親として、子どもを観察にするにあたって注意してもらいたいことは、自分と子どもを切り離して考えることです。
ご自身が読み書きが得意で、子どもにまったくその素養がない場合、自分の子どもなのになぜ?と不満に思うことがあるかもしれません。それもそのはず、親子は別人格であり、得意不得意の分野もまったく違います。
親子ゲンカや子ども同士のケンカにも顕著に出てきますよ。口が達者なタイプ、黙り込む(内省的なタイプ)、すぐ手が出てしまうタイプ(身体的)。まずは親自身が、自分のタイプを知ることも大切。その上で、自分とは切り離し、一歩引いた目線で子どもの素養を見極めていってください。
そうすることで、親子共にストレスのない時間を送れたり、習い事に関しても回り道することなく選べるかもしれません。
結果的に子どもの強みを活かす≒子どもの夢中を引き出す習い事に繋がることにもなるのかな?と思っています。
みなさん、ぜひお試しを!
〈次回へ続く〉
【京大卒 宝槻流スゴイ知育連載vol.4】知育のプロが選ぶ、創造力を刺激するゲーム5選
STORY[ストーリィ]
【京大卒 宝槻流スゴイ知育連載vol.5】依存型ゲーム沼にハマった子ども、どうしたら自発的熱中にもっていける?
STORY[ストーリィ]
【京大卒 宝槻流スゴイ知育連載vol.6】何に対しても夢中にならない子どもには どうしたらいいの?
STORY[ストーリィ]
宝槻泰伸(ほうつき・やすのぶ)
1981年東京都生まれ。京都大学経済学部卒業。探究学舎代表。幼少期から「探究心に火がつけば子どもは自ら学び始める」がモットーの型破りな父親の教育を受け、高校を中退し京大に進学。代表を務める探究学舎は子どもたちの“驚き”と“感動”の詰まった授業として、三鷹市を拠点とした教室のほか、オンラインでも世界的な人気を集める。’19年「情熱大陸」に出演、’21年「TEDX」に登壇。5児の父。
取材/竹永久美子