【広末涼子さん連載vol.10】子どもの習い事を決めるときに大切にしていることとは?
【広末涼子さん連載vol.9】個性が違う兄弟間の進路や習い事。キャパシティ限界な母はどうする?
STORY[ストーリィ]
女優・広末涼子さんの連載「毎日が3兄弟ママで、女優」。
ここで取り上げた読者ママの悩みに対して、広末さんも一緒に考え、思うことを語っていただく、Junior STORY本誌連動企画です。
習い事の取り組み方も兄弟それぞれ。うまくなりたくないの?!
5月号読者ママたちの声
ママの声①
子ども11歳・9歳男子・6歳女子 H.Nさん 42歳
我が家は3きょうだい。長男と次男は性格が全く違う。長男と同じ学校ではなく、別の学校の方が合っているのではと思ったのですが、保護者会や学校行事のことを考えると同じ方が親は色々と都合が良い。また、習い事もそれぞれの性格や興味を優先したいのは山々ですが、送り迎えなどのことを考えて同じ習い事をさせています。本来は個性を見極めて教育するのが理想ではありますが、物理的に難しい。
ママの声②
子ども14歳・10歳男子 K.Iさん 45歳
上のお兄ちゃんは運動神経抜群、下の弟は絵や料理が好き、という特技はあるのですが、上の子のスポーツの引率がメインの生活で、下の弟も結局一緒のスポーツをやらせています。ある程度器用にこなすほうなので、下の弟もそこそこ上手にはなっているのですが、本当は思う存分絵をやらせてあげたい。けれど金銭面も教室の場所も今の生活からは正直イメージできない。このままでは下の子の得技を伸ばしてあげることができない……と二の足を踏んでいます。
自分の意思で「やりたい!」と習い事を始める子がどれくらいいるのだろう。そういう子の方が珍しいように思います。親の方から促したり、上の子が習っているからついでに下の子も……という親の都合だったりが実際は多いのではないでしょうか。だからこそ、子どもの意思で始めたいと言ったら、それは大きなチャンス。好きなことを見つけられるだけでもすごいことなので、物理的にも経済的にも許されるなら、そんな時は親としてはやっぱりやらせてあげたいですよね。
我が家では長男がサッカーチームに入っていたのですが、強いチームに入ると親のサポートが大変だと思ったので、あえて勝ちに行くようなチームではないところを選びました。予想通り親の出る幕もあまりなく(笑)でも長男としては試合で勝たないと面白くないし、私にもっと観に来て欲しかったのだと思います。結局、サッカーは辞めてしまいました。習い事は子どもに勝手にやらせればいいわけではなく、時には褒めてあげたり、ある程度つきあってあげて、続けたくなる環境を作ってあげるのも大切なのかもしれません。
子どもはよっぽど好きな習い事ではない限り、気分で「行きたくない」とか言い出しますよね。その気持ちも十分理解できるのですが、私自身、部活をやってきましたし、「継続は力なり」だと思っているので、やるからには絶対に上達したいと思うタイプ。子どもにもそれを伝えたいのですが……。
第二子は私とは正反対の性格なのです。楽器を習い始めて、先生が穏やかで楽しい方なので、レッスンを終えると「楽しかったー!」と満足げに帰ってくるのですが、それっきり。家で練習することもなく、もっとうまくなりたい、もっとやりたいというのがなかなか感じられないのです。練習せずに行っても上達しないから面白くないのではと思い、
「2日に1回は練習しない?」と聞くと
「それは決めたくない」と。
「決めたくないかぁ……。じゃあ、発表会に出るとかはどう?」
「それは出ない」
とこんな調子。発表会でもあれば、目標ができ、向上心にもつながるし、モチベーションもあがると思ったのですが、
「そんなのがなくてもモチベーションは自分であげる」と。
とにかくマイペースにやりたいタイプ。誰かと競ったり、それを披露したりするのは本望ではないらしいのです。
確かに間違ってはいない。習い事というのは必ずしも進級しなくてはいけないわけではないし、うまくなることだけが目的でもない。本人が好きで楽しめているならそれでいいのに、親としてはお月謝も払っているし、練習をがんばって壁を乗り越えた姿や成果を見たくなってしまいますよね。
負けず嫌いで向上心があって、四六時中、夢中になっているようなタイプの子もいれば、何にも勝たなくていい、自分のペースを守りたいという子もいる。兄弟でも取り組み方はそれぞれ違います。
子ども自身の興味を広げるのが習い事なのだから、親の価値観を押しつけたりせずに、それぞれに合う応援の仕方で背中を押してあげられるようにしたいですね。もちろん兄弟が多ければ、それぞれの希望通りにサポートしてあげることは難しいのが現実だと思うので、そこは親の都合とすりあわせながらちょうどいい終着点を見つけられるといいですよね。
【広末涼子さん連載vol.8】我が子の中学受験。親子で得たものとは?
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【広末涼子さん連載vol.7】思春期の中学受験。 母として何ができる?
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〈次回へつづく〉
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広末涼子
1980年高知県生まれ。14歳でデビュー後、CM、ドラマ、映画と数々のヒット作に出演。日本アカデミー賞をはじめ受賞歴も多数。プライベートでは、高校生、小学生、幼稚園児と各世代3人の子ども達のママ。書き下ろしエッセイ「ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち」(宝島社)が絶賛発売中。
文/広末涼子 撮影/渞 忠之 ヘア・メーク/千吉良恵子(cheek one) スタイリスト/竹村はま子 取材/小仲志帆
【衣装クレジット】ワンピース¥75,900(サトル ササキ/ガリャルダガランテ表参道店)サンダル¥27,280(エー エメリー/メゾン イエナ)ピアス¥58,300(MAAYA)