今、子どもの骨が危ない!子どもの疲労骨折が3倍に増加している理由とは?骨を丈夫にする方法をご紹介!
コロナ禍で骨がスカスカ!? 今、子どもの骨が危ない!
未だに続く新型コロナウイルスの猛威。その影響もあり、今、子どもの疲労骨折が3倍に増加しているのはご存知ですか?今回はその原因と、子どもの骨を守る対策方法についてご紹介します。
コロナ禍における疲労骨折の増加に関して監修
都丸 洋平(とまる ようへい)先生 プロフィール
小児整形外科 「千葉こどもとおとなの整形外科」勤務
平成20年 筑波大学 医学専門学群卒業
資格・所属学会日本整形外科学会 専門医小児整形外科学会 会員
●コロナ禍が子どもの疲労骨折増加に繋がっている可能性
疲労骨折が3倍に増加した理由の一つとして考えられるのは、5度に及ぶ新型コロナウイルスの感染拡大の波により、子どもたちは休校、短縮授業、体育や部活動の回数削減・内容縮小などを繰り返したことによる体力の低下です。
ICT教育の導入で授業のデジタル化が進む一方、遅れをとっているのが子ども達の体づくりです。この2年間、動かない、外に出ないことが多くなり、成長期の子どもの体づくりにはマイナス面が多かったことが事実です。
「千葉こどもとおとなの整形外科」の小児整形外科医、都丸洋平医師は、「一時的に新型コロナウイルスの感染がおさまり、本格的に部活動を始めた学校は多いと思います。そこで、気をつけたいのは子どもの骨折です」と話します。
ステイホームによる骨折といえばシニア層を思い浮かべますが、実は子ども達にも大きな影響を及ぼしていたんです!「当院を受診した子どもの患者さんで比較すると、コロナ前の2019年は疲労骨折が0.2%だったのに対し、2020年は0.67%でした。疲労骨折の割合が、コロナ禍では3倍に増加しました」
【理由1】運動不足により、子どもの骨がもろくなった可能性
骨折の増加ではなく、疲労骨折というところがポイントです。1回の大きな外傷でおこる通常の骨折とは異なり、骨の同じ部位に繰り返し加わる小さな力によって、骨にひびがはいったり、ひびが進んで完全な骨折に至った状態をいいます。コロナ禍でなぜ、子どもの疲労骨折が増えたかということ、「1つは、運動不足により骨がもろくなったことが考えられます。疲労骨折は、通常スポーツ選手などが短期的に集中トレーニングを行ったときに生じるのが特徴ですが、子どもに起こる理由としては、骨がもろくなりひびが入りやすい状態にあるからだと思います。通常の部活のトレーニングの負荷を支えるだけの骨量が足りていないようです。」
【理由2】日にあたる機会が少なかったことも一因である可能性
「骨は、髪の毛や肌などと同じく常に新陳代謝を行っています。古くなった骨は壊され、新しい骨が作られ、これを骨代謝といいます。新しい骨は、運動など負荷がかかることで形成が促進されるため、運動不足になると骨代謝が鈍くなり、骨がもろくなります。また、運動不足に加え、日光にあたらなかったことも骨代謝の鈍化の1つと考えています。骨は主に、カルシウムとコラーゲンで構成されています。日光にあたることにより体内で合成されるビタミンⅮは、カルシウムの摂取効率を高め、コラーゲン生成に役立ち、骨の発育促進の働きがあります。日光にあたることが少ないコロナ禍では、ビタミンⅮ不足が起こっていた可能性も考えられます。」
●気づきにくい疲労骨折は、早くケアを行うことと予防が大事
「疲労骨折でやっかいなところは、骨折と違い捻挫と間違えやすいことです。疲労骨折が起こりやすいところは、足の甲にある中足骨や脚のすねの骨(脛骨、腓骨)です。慢性的な痛みがあれば、早めに医師に相談しましょう。また、日頃から食事などで、骨代謝を行いやすい体づくりをしておくことも大切です。また骨は重力の負荷がかかることと振動を与えてあげることで丈夫になっていくという性質を持っているので、骨の健康に良いと考えられる一つの運動はジャンプすること。お子さんや若い人だったら、手軽に自宅の前でできる『なわとび』がおすすめです。」
「レモン+カルシウム」で丈夫な骨作り
通常の部活や体育の授業が始まった今、保護者の方ができることは「骨を丈夫にする食事」を子ども達に食べさせてあげることかもしれません。「丈夫な骨づくりの食事として、カルシウムが豊富に含まれる食材に加え、レモンを加えることがポイントです。」と話すのは県立広島大学教授の飯田忠行先生。最近の研究では、レモン+カルシウムで子どもの骨密度が高まることがわかっています。
レモンのカルシウム吸収効果についての監修
飯田忠行先生 プロフィール
レモンの健康効果の専門家
博士(医学)・県立広島大学保健福祉学部理学療法学コース教授。次世代健康支援研究センター長も兼任し、広島県戦略作物であるレモンの効果検証を行っている。専門は応用健康科学、地域健康疫学、公衆衛生学、老年医学。
●クエン酸がカルシウムの吸収効率をアップ
レモン果汁に含まれるクエン酸は、カルシウムをキレートして腸からの吸収を促すことがわかっています(※2)。キレートとは、“溶けやすい形に変えるチカラ”のことです。カルシウムはとても吸収しにくいミネラルで、豊富に含まれ牛乳でも吸収率は40%程度、小魚は30%程度です。そこで、レモン果汁と一緒に摂り吸収率を高めることが重要になってきます。
小魚料理にレモン果汁をかける、牛乳とまぜてラッシーにするなど、カルシウムを含む食品と一緒に摂るようにしましょう。
●レモン果汁で簡単調理、手が回らないときはカルシウム入りレモン飲料を!
毎日、レモンを使った料理を作るとなると負担が大きいかもしれません。レモンのスライスをハチミツに付けてストックしておく、レモンをジャムにするなど保存して活用するほか、手軽使えるレモン果汁やカルシウム入りのレモン飲料なども積極的に利用してみましょう。レモン果汁なら、ドレッシングや飲料としてアレンジが豊富にあります。また、カルシウム入りのレモン飲料ならば、部活の練習に持たせてあげることも可能です。