介護をしない義姉が自由すぎてモヤモヤします【ジェーン・スー×HARUKOの人生相談Vol.30】
40代女性の気持ちを代弁するような明快な語り口が人気のコラムニスト、ジェーン・スーさん。新聞やラジオ、雑誌で多くの方のお悩みに答え、その胸のすくような回答には励まされる読者も多数。
一方、波乱万丈の人生経験を持ちながら、いつも前向きで飾り気がない人柄で、誰からも愛されるモデルのHARUKOさん。歯に衣着せぬ語り口で、仲間のお悩みにさっと答えてくれると評判です。
そんなおふたりに『STORY』読者の真剣なお悩みに答えていただきます!
<PROFILE>
ジェーン・スーさん
コラムニスト。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月〜木11:00〜)のパーソナリティを担当。毎日新聞をはじめ新聞・雑誌で数多くの連載を持つ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、第31回講談社エッセイ賞を受賞。近著に『これでもいいのだ』。
HARUKOさん
モデル。短大時代、『JJ』にて山田明子(はるこ)の名でデビュー。以来、数々のファッション誌で活躍。’03年に結婚後、九十九里浜に移住、長女を出産。’12年に離婚。HARUKOに改名し、現在『STORY』にて活躍中。趣味はサーフィンと読書。
~第30回~
介護をしない義姉が自由すぎてモヤモヤします
義理の姉が自由人過ぎてモヤモヤします。義姉は、海外で仕事をしていたのですが、コロナ禍で仕事を失い帰国。数か月ほど地方にある実家にいたのですが、ご両親と相性が良くないようで、また縁もゆかりもない離島に引っ越し一人暮らしを始めました。義母は要介護状態で、義父が一人で自宅介護しています。そんな親をおいて40過ぎの娘が自由にしていることが解せません。同居はしなくてもせめて近くの街に住むとかできないんでしょうか。ご両親はいずれうちの主人を頼ってうちの近所に引っ越してくる予定のようで・・・もちろんサポートはしたいと思いますが、義理の姉の自由ぶりを思うと、なんだかなーという気持ちになります。介護は実子の義務とも聞きますし、どうしたら協力的になってくれるでしょうか?
(東京都在住 41歳 会社員)
私は『自由人すぎてモヤモヤします』というこの言葉を読んで、自分が言われてるみたいでドキッとしました(笑)。でも、40歳まで海外にいて、帰ってきて、両親ともめ事を起こして、さらに、離島で暮らすっていう発想は、かなりぶっとんだ自由人だと思うんですよね。
そうですよね。相談者の方のお気持ちはすっごくよくわかりますけれど、この義姉さんは、頼りにならないと割り切ったほうがいいと思うんです。
それでも、義姉の行動が解せないというなら、お義姉さんに、一度「どう考えているんですか」というのは、聞いてみてもいいかもしれない。もしかしたら、協力的になるかもしれないし。それでも「知らないわ」という態度なら、気持ちを切り替えて他の方法を考えたほうがいいですよ。
そうそう。頼りにならない人は最初から介護の担い手としてカウントしない。介護でも、子育てでも、仕事でも同じなんですが、あてにならない人をあてにすると、最終的にもっとひどい事態を起こして結局自分が大変になっちゃう。 お気持ちは本当によくわかるんですが、それより、ご両親が、今後近くに越してくるかもしれないのなら、自宅のそばでどんな公的サービスがあるのかなどを、先回りして調べておいたほうがいいです。介護は、家族だけでまわそうとすると、必ずつぶれてしまうので、事前に研究しておくといいですよ。 この方、きっとご自分はずっと真面目にやってきて、我慢してきたのに、義姉さんはずるいと思うんでしょうね。よくわかります。でも、生き方は人それぞれなので、不満に思っている時間がもったいない。自分の持ち場でできることをするのをおすすめします。
当連載は毎週金曜日配信です。
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撮影/吉澤健太 取材/秋元恵美