【卒婚40代読者インタビュー】今は夫と離れて自由に生きて、最期は一緒に迎えたい
子育てが一段落してからも、人生があと50年残されているかもしれない今の時代、浮気などの決定的な理由がなくても、夫婦を終えて新しいライフデザインを描くことも選択肢。「離婚約」や「卒婚」なら、法律ではまかないきれないその思いを、円満に叶えられるかもしれません。今回は〝卒婚別居型〟についてお話をお聞きしました。
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卒婚別居型
「お互いを尊重した別居と卒婚。いったんそれぞれ自由に生きて、最期は一緒に迎えたい」
読者・井上真由美さん(49歳)/仮名
夫50歳、長男24歳、長女21歳
自身はアロマセラピスト、夫は会社員
卒婚後、自分と家族の健康のためにメディカルアロマをオンライン講座で勉強中。
趣味の神社仏閣巡りと、女友達との旅行が今の楽しみ。
1つ年下の夫とは社内結婚。長男が生まれてから間もなく、突然、夫から市議に出馬したいという相談がありました。翌年、勤めた会社を辞めて当選してから引退を決意するまで、市議と県議を通算20年務め、5回の選挙を経験。私や子どもたちも議員の妻・家族として20年間を共に走り抜けてきました。それが、夫が引退を決意すると生活は一変。新たな日常があまりにも穏やかで、いっときまるで燃え尽き症候群のように感じたほど。それまでの私たちが、議員の家族として常に人の目を気にしながら神経をすり減らす、少し特殊な毎日を送ってきていたとつくづく感じました。そんな折、時代は「風の時代へ」。フレキシブルで既存の価値観に縛られない時代の変化を私たち夫婦も無意識に感じていたのでしょうか、お互いが心の中で「今までやりたくてもできなかったことをする、行きたくても行けなかった場所へ行く。これから先の人生は好きなように生きていくのもいいんじゃない?」と思い、それを認識しあったことで、1年後に卒婚を決めました。夫は今までの家に住み、両親と同居しながら仕事に就くことを、私は地元を離れ、私のことを誰も知らない土地で自由気ままに過ごすことを選択しました。私は20数年ぶりに復職し、1年かけて経済面でも独り立ちする準備をスタート。昨年の春、単身で県外へ引っ越し、幸いに職にも巡り合えたことで、時折夫に力を借りながらもほぼ経済的に自立して自由気ままな生活を満喫しているところです。卒婚を決めた時、夫婦の関係が悪かったわけではないですが、あのまま一緒に暮らしていたら荒んでいったと思います。離れることで、お互いがいい所を見直しあえる余裕ができたら、業務連絡のように素っ気なかったLINEも、近況報告も兼ねて自然とマメになりました。2人の関係は今の方がずっと良好。この先のことはまだ決めていませんが、最期を迎える頃は、また夫と暮らしていたいな……と、思えるようになったのも、今が充実しているからだと思います。
撮影/五十嵐 洋 取材/鍋嶋まどか スタイリング協力/安西こずえ ※情報は2022年3月号掲載時のものです。
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