障がいを持つ兄の世話について【ジェーン・スー×HARUKOの人生相談Vol.27】

STORY[ストーリィ]

40代女性の気持ちを代弁するような明快な語り口が人気のコラムニスト、ジェーン・スーさん。新聞やラジオ、雑誌で多くの方のお悩みに答え、その胸のすくような回答には励まされる読者も多数。
一方、波乱万丈の人生経験を持ちながら、いつも前向きで飾り気がない人柄で、誰からも愛されるモデルのHARUKOさん。歯に衣着せぬ語り口で、仲間のお悩みにさっと答えてくれると評判です。
そんなおふたりに『STORY』読者の真剣なお悩みに答えていただきます!

<PROFILE>

ジェーン・スーさん

STORY[ストーリィ]

コラムニスト。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月〜木11:00〜)のパーソナリティを担当。毎日新聞をはじめ新聞・雑誌で数多くの連載を持つ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、第31回講談社エッセイ賞を受賞。近著に『これでもいいのだ』。

HARUKOさん

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モデル。短大時代、『JJ』にて山田明子(はるこ)の名でデビュー。以来、数々のファッション誌で活躍。’03年に結婚後、九十九里浜に移住、長女を出産。’12年に離婚。HARUKOに改名し、現在『STORY』にて活躍中。趣味はサーフィンと読書。


~第28回~

障がいを持つきょうだいのお世話について

親と死別し、ダウン症の障がいを持つ兄がいます。私の子どもたちや夫は他人事で、私が死んだら兄がどうなるか心配です。今は近所に住んでいて、私がフォローしている状態です。(M.Yさん 45歳 会社役員)

ジェーン・スーさん

同じようなご事情の方は、過去何百、何千といらっしゃったわけで、行政のサポートのしくみがあるはずなんですよ。まずは、お兄さまが住んでらっしゃる地域の役所に行って、今の状況を話して、どういう支援が受けられるのかを一度相談されてはどうでしょう。家族でなんとかしようという考えは、一度外してみたほうがいい。障がいだけでなく、病気の家族や老人の介護もそうだけど、家族だけで抱えるというは大変だと思います。

HARUKOさん

ご主人にとっては、自分のお兄さんじゃないわけですし。そこに頼ろうとすると、「どうしてやってくれないのか」と責める気持ちが出てきちゃいますよね。だから、自分が率先して情報を集めるのがいいですよね。

ジェーン・スーさん

ただ、お子さんたちにお兄さんと接点を持ってもらうのは、その子たちにとって、将来社会に出たときに、プラスになるのではないかなとは思いますけれどね。

HARUKOさん

あと、今は、ネットでいろいろな方たちと繋がれるじゃないですか。繋がることで、同じような境遇の方の体験も知れるだろうし、自分はどうしたらいいのか、という情報が得られるんじゃないかな。「私が死んだら、兄はどうなるんだろう」って、今何もしないで思ってても不安が増すだけだから、まずは、ぜひ情報収集からですね。

ジェーン・スーさん

調べていくと、こういう施設に入所できる、とか、病気になったら、こういう支援が受けられるとか、わかってくるので、早めに調べたらいいと思います。あと、HARUKOさんが言うように、ネットで探すとダウン症のきょうだいを持つ方たちのコミュニティなどもたくさんあるので、そういうグループに所属するのもいいです。そこでなら、夫や子どもに共感してもらえない部分も、「わかるわかる」と言ってくれる方とも知り合えると思うんです。

HARUKOさん

そうだね。M.Yさんは、夫や子どもに手伝ってほしいのではなくて、親身になって話を聞いてほしいのに、全然わかってもらえないということの方が、辛いのかもしれないよね。

ジェーン・スーさん

仲間を作るっていうのは大切ですね。

HARUKOさん

支援が必要な人が支援に繋がれない、とう話もたまに聞くけれど、ここがだめなら次というふうに、外に向かって行動を起こしたほうがよさそう。自分の中だけで悩んでるとどんどん追い詰められるから。

当連載は毎週金曜日配信です。
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撮影/吉澤健太 取材/秋元恵美

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