【デメリット編】インター卒のママパパ座談会!「自分の子どもは公立小でいいと思ってます」

今、子どもをインターナショナルスクールに入れるかどうか迷う乳幼児ママ・パパが増えています。そこで子育て世代のインター卒業生たちに、大人になって実感しているメリットやデメリット、実際に自分の子どもはどうするのかを、本音で話し合ってもらいました。今回は、親の「デメリット」についてもまとめました。

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◉座談会に参加してくれたインター卒ママ&パパ

ママ Hさん
4歳からインター。上智→アメリカの大学へ。証券アナリストを経て、IT企業の経営企画マネージャーに。夫はアメリカ人で5、4、1歳の子どもたちは日本の園に通う。
パパ Fさん
5歳からインターへ。卒業後家業を継いだが数年後にアメリカの大学へ進学。現在はIT企業のセールスマネージャー。娘は2歳で、来年からインタープレへの入園を検討中。
ママ Sさん
7歳からインターへ。聖心女子に進学。出版社、大手アパレルPRを経て、現在はフリー翻訳・通訳、フリーライター。8カ月の息子の育休中。
ママ Kさん
2歳半からインターへ。ICUに進学。コンサル、航空会社を経て、現在は週2のパートタイムで広報として勤務。6歳の娘は私立小学校、3歳の息子は私立幼稚園に通う。

インターナショナルスクールに
ただ入れるだけではNG!
子どもも親も努力が必須

H 日本語と英語どちらも自信がなくて「もっと勉強しなきゃ」という強迫観念が常にあったな。親の「バイリンガルになってほしい」っていう期待が大きかったのもプレッシャーで。漢字や作文が苦手で、日本人なのに日本語が中途半端、英語圏の人よりも英語が中途半端っていうのがコンプレックスでした。

S そう、日本に住むのに日本語がちゃんと喋れなかったり、新聞が読めなかったり、かといって英語もパーフェクトじゃないってなるのがやっぱり懸念だった。何人かの友人は日本人同士つるんでいたこともあって結局どちらも中途半端になってた気がするな。

H 小学生のときは日本語のフォローのために塾と作文教室に通い、家庭教師も頼んでた。高校生になると日本のマナーや敬語、言葉遣いを学びたくてバイトもしたな。

K 日本語もだけど、私は英語のレベルを上げるために必死だった。読書や辞書を引くことは欠かせなかったな。英語もブラッシュアップしないといけないしね。小さいときにインターに入ったから発音はいいけど、それが「英語ができる」ことではないし、語彙力を増やすために一生懸命勉強しないといけなかった。

S 親の負担も相当あったはず。私は通学前に毎朝、母と一緒に日本語のドリルをやってた。

F 大学進学について学校でカウンセラーとかはいたけど、あまり親には相談できなかったかも。

H 私の両親は英語もそんなに堪能じゃなくて、海外への進学や就職もあまり相談できなくて困った。まぁ私たちのころは、まだインターネットがあまり普及してなくて情報が少なかったっていうのも大きな要因ではあるけど。

F 日本の大学の進学先も昔は少なかったよね。やりたいことがあって日本のこの大学に行きたいってなっても大検を受けないと入れない、でもその日本語力はないっていう友人もいた。

K あとデメリットかもしれないのは、インターって意外と狭いコミュニティだったりする。試合とか交流は全てインター内で行われるから、周りから見たら入りにくい雰囲気だったかもしれない。もっと日本の学校と交流があったらよかったな。そして何よりも学費が高いよね!

英語の習得を目的にするなら
今はインター以外にも選択肢がある

自分の子をインターに
入れるかは悩みどころ

F 親になってわかったけど、家を買うみたいだよね(笑)。

S 私は一人っ子だけど子どもを2人私立に入れたつもりだったって親が言ってた。Kのところは姉妹だったよね?

K そう。お父さん頑張ったんだなってすごく思う。

 

皆さんのお子さんはどうされていますか?

F 幼稚園はインターにして小学校は公立かな。小さいうちに英語への親しみを養ったら、そのあとは家で意識的に英語を使って「英語って身近なもの」って意識をキープできたらいいのかなと。

K 昔より、英語を勉強する手段があるもんね。私のいとこはインターの幼稚園から公立の小学校に行ったけど、忘れちゃってたなぁ。

S 私は母が語学習得のフォローをすごく頑張ってくれたのを見ていて、親の覚悟が必要だと思うから迷ってる。夫も英語が苦手だし、公立でいいかなとも思ってる。

H 子どもの性格で向き、不向きもあるしね。うちは夫がアメリカ人だから小学3、4年生まで日本の学校に通わせてそこからインターに転校させるつもり。

K うちは、姉弟2人は同じ学校にしたいって夫と話してたから、インターに2人を通わせる学費面を考えると、入れられなかったなぁ。でも今後、英語に興味を持ったり、もっと勉強したいと子どもが言ったときには全力でサポートしたいなと思ってる。留学やボーディングスクール、親が転職して海外に住むなど、今は選択肢がたくさんある。子どもの成長を見守りながら、その時々のベストを考えるつもり!

インター卒ママ&パパたちが
感じているデメリット

☑︎ 学費がとにかく高い
☑︎ 日本語が疎かになりがち。漢字が苦手!
☑︎ 日本人としてのマナーや文化を知る機会が少ない
☑︎ 英語レベルは個人の努力による
☑︎ インターのコミュニティで集まりがち
☑︎ 日本の大学進学は選択肢が少ないと感じた
☑︎ 日本企業の雰囲気にはなじみにくい
☑︎ 親が英語ネイティブやインター卒でない場合、進路の相談がしにくかった

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撮影/相澤琢磨 取材・文/近藤真梨奈 編集/翁長瑠璃子 
*VERY2022年2月号「インター卒、ママ&パパの本音」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。