息子のサッカークラブの送迎やお手伝いに困っています【ジェーン・スー×HARUKOの人生相談Vol.24】
40代女性の気持ちを代弁するような明快な語り口が人気のコラムニスト、ジェーン・スーさん。新聞やラジオ、雑誌で多くの方のお悩みに答え、その胸のすくような回答には励まされる読者も多数。
一方、波乱万丈の人生経験を持ちながら、いつも前向きで飾り気がない人柄で、誰からも愛されるモデルのHARUKOさん。歯に衣着せぬ語り口で、仲間のお悩みにさっと答えてくれると評判です。
そんなおふたりに『STORY』読者の真剣なお悩みに答えていただきます!
<PROFILE>
ジェーン・スーさん
コラムニスト。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」(月〜木11:00〜)のパーソナリティを担当。毎日新聞をはじめ新聞・雑誌で数多くの連載を持つ。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、第31回講談社エッセイ賞を受賞。近著に『これでもいいのだ』。
HARUKOさん
モデル。短大時代、『JJ』にて山田明子(はるこ)の名でデビュー。以来、数々のファッション誌で活躍。’03年に結婚後、九十九里浜に移住、長女を出産。’12年に離婚。HARUKOに改名し、現在『STORY』にて活躍中。趣味はサーフィンと読書。
~第24回~
★ 息子のサッカークラブでの送迎やお手伝いに困っています
小4の息子が仲良しの友達に誘われてサッカークラブに入りました。自営業で、夫婦とも土日は休めないのですが、誘ってくれた友達のお母さんが「当番はボランティアで、全員参加ではないし、送迎はしてあげる」と言ってくれました。お友達と息子は同じポジションで、息子は教えてもらい、楽しそうでした。ところが、最初は息子は試合に出れず、お友達はレギュラーだったのですが、このごろ、息子が試合に出て、お友達が出られないことが増えてきました。すると、送迎をしてくれたお母さんに「少しは協力できませんか?」と言われてしまい、送迎をお願いするのも、なんとなく気まずくなってしまいました。クラブの親御さんたちは、監督のお弁当やスポーツドリンクを作るなど、手伝いをしています。仕事を休むことは難しく、とは言え、せっかくうまくなってきた息子にクラブをやめさせるのも可愛そうで、考えてしまいます。よい解決策はないでしょうか。(S.Wさん 42歳 自営業)
いちばん面倒くさいやつだわ。こういう光景って想像がつく。だから娘の習い事は、送迎だけはするけれど、親のコミュニティには首は突っ込まないって決めてました。よく聞くけれど、クラブのコーチにお弁当作るとか、飲み物作るとか、 バカじゃないの?って思っちゃう(笑)。でもね、S.Wさんは「自分の息子がレギュラーを取っちゃったから、友達のお母さんが気を悪くされた」みたいに思っているのかもしれないけれど、それ、違うのかも。友達のお母さんも、最初は「送迎をしてあげる」と言っていたけれど、時間が経って、色々状況が変わることだってあるし、できなくなることだってあるよね。それは、レギュラー云々とかと関係なく、ただ、「少し分担してもらえませんか?」ということなのでは?
いま、HARUKOさんがおっしゃったことは、すごい大事なことですよね。人って、勝手に原因と結果をくっつけてしまうもの。「手伝って」って言われただけなんだけど、土日に動けないという後ろめたさがあるからか、うちの子がレギュラー取ったから、ちょっと意地悪してきた、みたいなニュアンスを出してきてますよね。でも、問題は意地悪の話じゃないですよね。そういうところ、スパッと言えるHARUKOさんって、本当に素敵だなと思います。レギュラー云々の話を持ち出すと、じゃあ、どうしたら、友達のお母さんの機嫌をとれるか、みたいに、話が変な方向に行っちゃいますよね。 そもそも、手伝うことがクラブに入るときの条件で「やらなくてもいいよ」と言ってくれたのは、友達のお母さんの好意だったわけですものね。
自営業だったら、その時間、バイトを雇って、少しでも手伝いに行くとか、送迎のアルバイト頼むとかもできるし、土日に行かなくてもできる手伝いもあるんじゃないかな。
連絡事項をみんなにメールする係とか、現場に足を運ばなくてもできることがないか、コーチに相談してみたらいいですよ。いちばん大事なのは、息子さんが、気持ちよく自分の好きなことができるっていうことだから、そのために、何ができるのかを軸に考えるのがいちばんですよね。
でもまあ、実際コーチのお弁当を作ったりしないと、試合に出させてもらえないみたいな話ってよく聞きますよね。入れば、面倒くさいことやもめごともある。クラブに入るというのは、そういうこともセットだと思っていたほうがいい、とも思いますね。
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撮影/吉澤健太 取材/秋元恵美