富田望生さんが選ぶ「仕事と自分」を考える3冊の本
確かな演技力と独特の存在感で、若手ながらも実力派女優として注目を浴びる富田望生さん。12月3日に公開されるアニメーション映画『フラ・フラダンス』ではスパリゾートハワイアンズで“フラガール”を仕事に選んだ新入社員役を演じた富田望生さん。彼女が選ぶ、仕事観に影響を受けた3冊の本とは—。
PROFILE
富田望生(とみたみう)●。2000年2月25日生まれ。21歳。福島県出身。2015年『ソロモンの偽証』で映画初出演。2018年には映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』に出演、2019年にはドラマ『今日から俺は!!』やドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』に出演し、独特の存在感を示す。女優としてはもちろん、フォトグラファーやモデル、情報バラエティ出演など多方面で活躍を見せる期待の新星。
「子どもの頃はあまり活字が得意じゃなくて、読書感想文を絵本をテーマに書くような人でした」と話す富田さん。大人になるにつれ読書をするようになり、今ではおすすめされた本や書店で気になった本を手に取ることも増えたという彼女が、“仕事観”に影響を受けた3冊をピックアップ!
富田望生さんが選んだ“仕事と自分”を考える3冊はコレ!
私は私のまま生きることにした(キム スヒョン著・吉川 南訳/ワニブックス)
韓国で大ベストセラーとなったイラストエッセイ。誰のまねもせず、誰もうらやまず、自分を愛することの大切さを伝える内容が幅広い世代から共感を得ている。
働く男(星野源/文春文庫)
音楽家、俳優、文筆家とさまざまな顔を持つ星野源が、“猛烈に働いていた”時期の自らの仕事を解説した一冊。彼の“ものづくり=仕事”への姿勢を、くだらなさも真剣さも盛りだくさんで伝えてくれる。
FOR A GIRL(大森伃佑子/文化出版局)
雑誌『装苑』の人気連載「大森伃佑子の気になる服」を一冊にまとめたビジュアルブック。永遠の少女、そしてファンタジーの世界を表現する著者が、スタイリストという仕事を語る。
思い悩んだとき“ポジティブ思考”へ導いてくれる本
1冊目:『私は私のままで生きることにした』
“私は私をどう扱うべきか”。これを知ることは自分にとって大きな強みになりますが、一生の悩み続けることでもあると思います。仕事をしていると、仲間がライバルになる瞬間もあるだろうし、「あの人にはあれができるのに、私にはできない」みたいに負の方向に考えてしまうことが少なからずあると思っていて。でも、この本を読むと、自分を肯定できるというか、自分の存在を理解して少しずつ自分を活かす方向に進んでいけそうな気持ちになれます。すごく読みやすくて、読んでいると「わかるわかる!」ってことが詰まっています。競争を何かと意識してしまう世界で、他人の魅力や数字にどうしても目が行きがちになり、疲れることも多々あります。でも、考え方ひとつで自分らしい方向に切り替えられる。この本を読んだとき、そっとハグされたような気分になりました。負の方向に進みそう人って時、自分が見えなくなった時、ポジティブな方向に進んでいくきっかけになる本なんじゃないかなって思います。
「私もとことん仕事をやり抜きたい!」と思わせてくれる本
2冊目:『働く男』
これはちょうど俳優として作品に参加するようになった頃に読んだ本。もともと星野源さんという表現者がとても好きで、歌手・俳優、そして文筆家とあらゆる顔を持つ彼に対して憧れると同時に、その多彩さに羨ましさも感じていました。ただ、この本で印象的だったのは、働き過ぎてしまう苦悩。そして働くことの楽しさ。当時未成年の私には「星野さんにも普通の人と同じような悩みがあるんだな」と思えて、不思議な感覚でした。けれど、紛れもなく“視線を浴びる側”の人。そして“興味に視線を向ける側”である大切さを考えた記憶があります。星野源さんは、働く男です。とにかく働きます。私も“働く女”になりたい、と思わせてくれる一冊です。
昔から変わらない“自分の好き”を思い出させてくれる本
3冊目:『FOR A GIRL』
高校生の時に古本屋さんに立ち寄ったときに見つけて以来、ずっと本棚にある一冊。当時ファッションがものすごく好きだったわけではないし、ファッションを勉強しようと思ったわけでもなく、カメラを持ちはじめたときでもなかったんですけど、写真とスタイリングに惹かれて購入したんです。今回“仕事に影響を受けた1冊”というテーマで本棚を見て久しぶりにこの本を開いたら、「今の自分にとってドンピシャに好きな本!」と思って、すごく不思議だったんですよね。高校生のころなんとなく手に取ったものが、今ものすごく好きって思えるのは、こういうテイストが好きっていう運命を背負っているってことなのかなって思って。レトロな感じもありつつ、ガーリーだったりカッコ良かったり…。開くと頭の中がカラフルになるような1冊です。
映画で声の共演を果たした 美山加恋さんの”お気に入りの3冊”も紹介中!
映画『フラ・フラダンス』で声の共演を果たした富田望生さんと美山加恋さん。出演作でのエピソードやお仕事に向かう姿勢を聞いた対談インタビューと、美山さんのおすすめの3冊を聞いたインタビューも公開中! ぜひチェックして!
>対談インタビューはこちらから!
>美山さんおすすめの3冊はこちらから!
(C)BNP, FUJITV/おしゃれサロンなつなぎ
映画『フラ・フラダンス』12月3日(金)全国ロードショー
福島県いわき市に暮らす高校生・夏凪日羽(声・福原 遥)。卒業後の進路に悩む日羽は、かつて姉・真理が勤めていた「東北のハワイ」こと「スパリゾートハワイアンズ」のポスターを見て衝動的に、新人ダンサー=フラガールの採用試験に応募する。未経験ながらも採用された日羽は、鎌倉環奈(声・美山加恋)、滝川蘭子(声・富田望生)、オハナ・カアイフエ(声・前田佳織里)、白沢しおん(声・陶山恵実里)たち同期と共にフラガールへの道を歩み始めるが、個性豊かすぎる5人の足並みはそろわず、初ステージで大失敗をしてしまい—–。笑いあり、涙ありで新人フラガールの成長を描く青春物語。
撮影/山根悠太郎 ヘアメーク/池田ユリ〈eclat〉 スタイリング/阪上秀平 取材・構成/宮島彰子(JJ編集室)