時代の旬顔がわかる「JJ表紙パレード」

Trend1

1975年~1987年

小麦色肌サーファーガールの「弓眉」から、
お嬢さんブームの「太眉」へ

顔の印象を決める眉には、世相やその当時の女性の立場が反映されています。オイルショックがあった’70年代前半は退廃的な印象の細眉でした。’70年代後半になり、お嬢さんだからこそ、夏はテニス、冬はスキーを楽しみ、ニュートラ、サーファー、ハマトラが『JJ』を中心に大ブーム。一方で日本人固有の美しさを見直す流れもあり、資生堂の広告モデルとして1973年に山口小夜子さん、1976年に真行寺君枝さんを起用し、話題になりました。

    1975年6月号

    表紙のヘアメイクは渡辺サブロオさん。大特集は「ニュートラ」。細い弓眉、アイシャドウもチークもマスカラも特に目立たず、大人っぽい正統派のメイクが主流。「職場にあったメークをしています」企画も。(モデル/ケレン吉川 撮影/篠山紀信)

    1977年8月号

    押し出しは「スポーティ・エレガンス」。朝倉孝夫さんがヘアメイクする夏目雅子さんは、小麦色肌に鮮やかな色のリップ、眉は細めで眉山のないなだらかなラインを描きます。赤石直美さんが読者にメイクする「カットのしかた、描き方、顔にあった眉のみつけ方」の特集が。(モデル/夏目雅子 撮影/久留幸子)

    1981年5月号

    「サーファーメーク」大流行。小麦色肌に目元はブルー、口元はパールピンク。アイライナー強め、マスカラたっぷりでも、品を失わないメイクがJJらしさ。眉は引き続き弓眉。表紙のヘアメイクは田中親さん(ル・クレール)。(モデル/高橋亮子 撮影/浅井慎平)

    1982年1月号

    ニュートラから幅が広がった「エレガンス」スタイルに合わせ、ブラウンアイメイクが人気になり始めました。眉も太めになり、毛流れも見えるように。この号の表紙も田中親さんが担当。(モデル/賀来千香子 撮影/浅井慎平)

    1983年4月号

    ナチュラルで立体感が出せるため、ブラウンアイメイクが本格的に流行。単なるブラウンではなく赤みとパール感が強めだったり、隠し味的にゴールドを合わせるのがJJ流。ヘアメイクは絶大な信頼を得ていた田中親さん。(モデル/樫本知永子 撮影/浅井慎平)

    1985年6月号

    お嬢さんブームを牽引。知性と品性を感じさせる「お嬢さんメーク」が表紙の田中親さんのメイクにも表れています。色白に見せてくれるフューシャピンクリップに、目元は色を感じさせず眉は自然な太さに。(モデル/吉川十和子 撮影/浅井慎平)

    1986年1月号

    石原真理子さんから太眉シフト

    石原真理子さんの登場で、眉は一気に太眉ブームになり、若干ボサボサ気味でもおしゃれに見えました。イタリアブランドやワンレン・ボディコンが流行するバブル時代の始まり。表紙のヘアメイクは赤石直美さん。(モデル/石原真理子 撮影/稲越功一)

    1987年4月号

    1986年に女優デビューした鈴木保奈美さんの初表紙。ヘアメイクは渡辺俊樹さん(mod’s hair)。「お嬢さんメーク」ブームは続き、会社でも通用するベーシックな服と「フリースタイル」などのきれいめカジュアルが共存。(モデル/鈴木保奈美 撮影/立木義浩)

    1987年8月号

    大特集は「全国縦断女子大生スナップ」。大橋正明さん(メーキャップルーム)のヘアメイクで、表紙初登場の設楽りさ子さんも、玉川大学在学中でした。女子大生ブームの最中、先駆けであるJJに登場する学生は特別。(モデル/設楽りさ子 撮影/立木義浩)

Trend2

1988年~1995年

W浅野ブームの「元気眉」
そしてスーパーモデル旋風の兆し

1985年の「男女雇用機会均等法」制定から1986~1991年のバブル期、女性が生き生きと生活を謳歌していた時代、ドラマのヒロインが人気を集めていた時代でもあります。女性らしさが加わり、太眉も少し長めになり、自然な眉山のある元気潑溂とした印象に。リップメイクが中心で、目元もナチュラルになっていきました。そして、ついに眉が主役になる時代が到来します。

    1988年10月号

    前年から人気になった「ピンクメーク」では、以前の鮮やかなフューシャピンクではなく、淡いベビーピンクが中心。それに合わせて、太めであまり形を作らないふんわりした眉に。 待望の松田聖子さんの表紙のヘアメイクは高橋真喜子さん。(モデル/松田聖子 撮影/武藤 義)

    1989年4月号

    W浅野ブーム到来

    浅野ゆう子さんは「ナチュラル・トラッド」のお手本。ヘアメイクは磯部芳香さんでした。ネイビーブレザーにフレアスカートやデニム、エトロの小物を合わせるのが流行。眉は前よりもキリッとした自然眉。(モデル/浅野ゆう子 撮影/森 新治)

    1989年5月号

    1988年に放映されたドラマ「抱きしめたい!」で大人気の〝W浅野〟が連続表紙だと話題になりました。眉山のある元気眉によって、流行の赤口紅も健康的で潑溂とした印象。ヘアメイクは野村真一さん。(モデル/浅野温子 撮影/与田弘志)

    1990年9月号

    ロングソバージュヘアが流行った頃。表紙のヘアメイクは資生堂所属のアーティスト。眉は自分の眉を生かしながら不足な部分を埋めて整えるように。しかしまだ、眉を自分の意志で変えるところまでは意識がいきませんでした。(モデル/宮沢りえ 撮影/与田弘志)

    1991年6月号

    JJ表紙に眉特集登場

    日野眞郷さん(mod’s hair)のヘアメイクによる元気いっぱいの田中律子さん。メイク特集「目元より口元よりもっと大切なポイント 眉を変えると美人になる」のタイトルが、表紙に登場。読者変身モノでアンケート人気も高かった企画でした。(モデル/田中律子 撮影/M.S.PARK )

    1992年7月号

    ここがスーパーモデルブームの起点

    この号に初めてパリ取材のスーパーモデルスナップが掲載され、スーパーモデルブームが始まりますが、まだファッションへの興味が中心で、自然な元気眉が続きます。夏川結衣さんのヘアメイクは、当時SASHU所属だった吉川康雄さん。(モデル/夏川結衣 撮影/島村龍太郎)

    1993年1月号

    表紙が女優からモデルへ変わった号。「デルカジ」から始まったモデル発のモードファッションが大人気になりました。ヘアメイクは嶋田ちあきさん。平子理沙さんのゴージャスさも人気に。(モデル/ブレンダ 撮影/岡本尚文)

    1993年5月号

    アンナさんもデビューは元気眉

    梅宮アンナさん初表紙。まだ眉には元気眉のなごりがありますが、強い意志を感じさせる角度のある眉になっています。ヘアメイクの嶋田ちあきさんのメイクは、ここから時代の代表フェイスに。(モデル/梅宮アンナ 撮影/岡本尚文)

    1995年2月号

    1994年開始の「安室ちゃんブーム」と「スーパーモデルメー ク」の合体が嶋田ちあきさんのメイクで完成。細くてキュ ッと上がった眉にヌードピンクのリップが大流行。ここで細眉にしたSTORY世代は多いはず。(モデル/SONOMI 撮影/岡本尚文)

Trend3

1995年~2000年

スーパーモデル&安室ちゃんブームで
「モードな細眉」へ

コレクションに集まるスーパーモデルの私服が大人気。メイクでは眉に注目が集まって、日本女性に眉を整えることが定着。1994年からの安室奈美恵さんブームもあって、流行に大きな方向性があり、みんな憧れの人と同じ顔になりたかった時代でもありました。モードな細眉に、白ピンクやベージュのNYブランドのリップ、ヌードカラーのリップペンシルがマストだったモードメイク全盛時です。

    1995年9月号

    みんなモデル眉にチェンジ

    モデル眉が続きます。海外情報がダイレクトに影響を与えた時代。顔も「外国人になりたい」という欲求が強くなりました。表紙で嶋田ちあきさんが使うM・A・Cのリップの問い合わせがすごかった。(モデル/梅宮アンナ 撮影/岡本尚文)

    1996年12月号

    表紙にもスーパーモデルが登場

    ついにスーパーモデルが表紙に登場。しかも撮影がパトリック・デマルシェリエ。みんな小顔になりたくて、スタイルも含めたトータルビューティへ興味が向かっていました。海外で撮影したため、メイクアップはMARIE-JOSEE LAFONTAINE、ヘアスタイリストはDIDIER MALIGE。(モデル/TRISH GOFF 撮影/PATRICK DEMARCHELIER)

    1997年11月号

    服はグレー、メイクの流行色は「くすみ色」。ひたすらかっこよく、洗練されたモードを目指し、眉は眼窩に沿った弓なりの細眉が定着。梨花さんのヘアメイクは太田年哉さん(maroon brand)。(モデル/梨花 撮影/海田俊二)

    1998年9月号

    スーパーモデルブームから身近なJJモデルに人気が移り、おしゃれ有名人が誌面に登場し始めて、流行の発信源に。MIU MIUの可愛いワンピースや靴が憧れでした。畑野浩子さんの表紙のヘアメイクはKoshinoさん(KiKi inc.)。(モデル/畑野浩子 撮影/萩庭桂太)

    1998年10月号

    モデル4人のヘアメイクは山本浩未さん。ロマ系、シンプルズ、コンサバ、ゴージャス系、サバOL、とんがりOLと百花繚乱的時代。メイクの人気カラーはボルドーになりましたが、眉は変わらずモードなモデル眉のまま。(モデル/真山景子、金子絵里、田波涼子、 小畑由香里 撮影/萩庭桂太)

    1999年1月号

    細眉にベージュピンクのリップ

    世の中はギャルブーム、でもJJはあくまでもモードやエレガンスを追求。ヘアは暗めブラウンが主流になり、細眉のまま茶眉に変化しました。大人気だった2人のヘアメイクはKoshinoさん(KiKi inc.)。(モデル/梅宮アンナ、梨花 撮影/設楽茂男)

    1999年3月号

    関西、名古屋からまつ毛パーマが流行し、まつ毛の存在感が重要になってきました。高校生が来ないブティック企画など、あくまでも大学生・OLのための雑誌であることが鮮明に。アンナさんとヘアメイク Koshinoさん(KiKi inc.) の表紙コンビは人気でした。(モデル/梅宮アンナ 撮影/設楽茂男)

    1999年6月号

    リーズナブルな可愛い服にブランド小物をコーディネートするスタイルに。プチプラコスメが表舞台に出て、みんなの必需品は繊維入りマスカラ。眉は薄めブラウンに。高垣麗子さんのヘアメイクは斎藤誠さん。(モデル/高垣麗子 撮影/江口博彦)

    2000年10月号

    「可愛いゴージャス=可愛ゴー」ブーム。浜崎あゆみさん人気で、目はとにかく大きくしたい「デカ目」ブームの到来。表紙のキュートなヘアメイクは黒田啓蔵さん(NEST+Allure)。(モデル/小畑由香里、高垣麗子 撮影/三枝崎貴士)

Trend4

2000年~2007年

目ヂカラ強めのモテOLは
「愛され眉」

「モテメイク」や「愛されメイク」にシフトし、「身近な日本人モデル→もっと身近な読者モデル」が流行の発信源になります。「デカ目」や「モテ」など日本独自の流行、他人目線の自分を演出するメイクへの支持もありました。ここまでの『JJ』の歴史は、現在のSTORY世代が毎日をとても楽しんでキラキラしていた時期と重なります。今のSTORY世代が輝きを失わないのは、この時代の経験があるからこそなのです。

    2000年11月号

    モテメイクの始まり

    20世紀の終わりにJJの原点・読者大調査号。「ゆかりバングス」流行で前髪必須になったため眉もバランスを考えた細さ、角度、カラーを考えるようになりましヘアメイクした3人は身近な憧れの対象でした。(モデル/真山景子、畑野浩子、田波涼子 撮影/赤尾昌則)

    2001年11月号

    この頃から「茶太眉」にシフト。周囲の目を考えた〝モテメイク〟が本格的に始まりました。でも、藤原美智子さん(ラ・ドンナ)のメイクは上品さを忘れません。眉を太めにしたぶん、ブラウンの眉マスカラで明るく。(モデル/小畑由香里 撮影/西出健太郎)

    2002年6月号

    目ヂカラ命

    若々しいセレブ感で大人気だったヒルトン姉妹が来日し表紙に登場。ヘアメイクを担当した藤原美智子さん、加藤雄介さん(ともにラ・ド ンナ)のバックステージレポも。アイラインが強くなり、まつ毛エクステが定着して「目ヂカラ」命になり、眉はますます明るい茶色に。(モデル/小畑由香里、Paris Hilton、Nikki Hilton 撮影/中込一賀)

    2003年6月号

    有名読者モデルが連載を持つなど、より身の丈に合った素敵さを紹介。デビューでつまずいた人向けの「浮かない」メイク企画も。表紙のヘアメイクは藤原美智子さん(ラ・ドンナ)。(モデル/小畑由香里 撮影/村山元一)

    2003年11月号

    巷の「モテかわ」ブームとは一線を画す、エレガンス特集。この頃から肌作りとチークの大事さに気づき、唇は色より質感でプルプルに仕上げました。表紙の濱田マサルさん(Three Peace)のヘアメイクが華やか。(モデル/Mie 撮影/設楽茂男)

    2004年9月号

    好感度アップのモテOLは 怖くない眉

    この頃は、「エビちゃんOL」ブーム。ストリートからオフィスに舞台が移り、上司にも好感を持ってもらえる「姉メーク」が登場。眉は眉山までは真っ直ぐで、眉山からは短め。表紙のヘアメイクは藍野律子さん(CLIP)。(モデル/RINA 撮影/青野 正)

    2005年4月号

    「愛され」がキーワードで、メイクも流行に寄りすぎない、良い意味でのコンサバに。目は下ラインが真っ直ぐなかまぼこ形で、眉の色は暗めブラウンに戻りました。杉村修さん(MOJITO)による表紙のナチュラルメイクがかえって新鮮。(モデル/矢田亜希子 撮影/水田 学(neat))

    2005年6月号

    創刊30周年号。重めのバングスにセミロング、エクステやヘアアイロンで作った巻き髪に合う 「盛りメーク」の中で、眉も以前より優しい雰囲気に変化。表紙のヘアメイクは油屋喜明さん、松永奈巳さん(ともにAllure)。(モデル/LIZA、金子絵里、Mie、黒木メイサ、有村実樹 撮影/水田 学(neat))

    2007年4月号

    上品な華やかさを目指す大人メイク

    表紙のメイクは森ユキオさん(NEWS)、ヘアは 塚本繁さん(K-two AOYAMA)。「甘くて可愛い」 から「華やかで上品」を目指すメイクに。目はぱっちり、ナチュラルな艶肌、人をひるませない眉。その基本は今に繋がっています。(モデル/有村実樹、LIZA 撮影/石倉和夫)

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