SHELLYさん離婚後の元夫と子どもの関係を告白「子どもの声をもっと尊重したい」

※このコラムは2021年10月号(9月7日発売)に掲載されたものです。

先日テレビやこちらでもパートナーのことを公表しましたが、周囲からはあまり反応がなくて拍子抜けしました(笑)。公表後に出演した生放送の帰り、「今日は週刊誌の車がついてくるかもしれないから気をつけなきゃね」なんてマネージャーさんと話していたのに、誰も尾行してきませんでした(笑)。石橋を叩いて叩いて渡り切ってみたら、あれ、ご自由にお渡りくださいだったの? という気分。私はたまたま離婚時にネガティブなことはあまり言われなかったけど、報道をみていて離婚はやっぱりネガティブにとらえられることが多いなと感じています。でも、夫婦関係って、一人の努力だけではどうにもならないことだと思うし、うちのように離婚して良い関係が築けていく場合もあります。元夫についてもう完全にしこりがないと言ったら噓になるし、振り返ると何だったんだろうとモヤモヤすることもある。でも、その感情は子どもには見せないようにしています。

とくに上の子は繊細で、私の表情もよく見ていて、鋭い質問もしてきます。離婚後すぐ元夫とギクシャクしていた頃は、彼の家に行って何をしていたかなど話してくれなかったんです。子どもなりに気を遣っていたんでしょうね。だから子どもたちの引き渡しなどで元夫に会うときは、意識的に明るく接しているし、「お父さんとお母さんはチームだからね」などと常に親同士が連帯していることを伝えています。離婚したての頃は、ちょっと演技がかっていたかもしれませんけど(笑)。この間用事があって元夫に電話したとき、くだらないことで笑い合えたんですよ。しょうもないことで笑うって、リラックスした関係じゃないとできない。離婚してこれだけ時間が経って笑い合えるような関係になれたのかなと、ちょっと感慨深かったです。今は娘も楽しそうに行ったり来たりしていると思うし、子どもが私に、嫌だとか良いとか、気持ちを伝えられる状況になれたことがありがたいですね。

そんなことを思う一方で、最近、子どもたちが発する言葉を尊重できていないときがあるかも、と気になることがあって。先日とあるママが、3歳の娘がパパとお風呂に入りたがらない、という話をしていたんです。「恥ずかしいなんて、ませてるんです」と笑って話していたけど、性教育を発信している私としては、3歳であろうとその子の体はその子のもので、嫌だという気持ちは尊重されるべき、と本当に言いたかったし工夫して伝えるべきでした。でも雰囲気を考えすぎてしまって、言えなくて…心に引っかかって、大反省しています。

子どもを尊重するという話でいうともうひとつ。私自身、小学生とか中学生の「言えばわかる」年頃の子どもに、つい厳しいことを言ってしまうことが多いなと反省しました。先日も小学生の甥っ子たちに「ちゃんとして」「もうちょっと頑張って」「私が小学生のときはもっと厳しかった」と高圧的に話してしまったり、彼らの言葉を「はいはい」と受け流してしまったり。一人の人間・人格としてではなく、どこか「子ども」として「自分の判断のほうが正しい」と思って接してしまっているのかもしれません。

子どもたちが目の前で嫌だ、辛いなどと言ったとき。一生懸命何かを伝えてくれているとき。もっともっと耳を傾けていきたいし、尊重してあげたいなと思う今日この頃です。

 

◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。5歳と3歳の娘の母。

撮影:須藤敬一 取材・文:有馬美穂 編集:羽城麻子
*VERY2021年10月号「シェリーの「これってママギャップ?」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。