子どもの想像力や記憶力を育む「見立て遊び」って?
ママやパパが子どもと一緒に楽しめるおうち遊びを毎週金曜日にご紹介している「VERYこども遊び研究所」。井出武尊さんに、今回は親子でコミュニケーションしながら子どもの想像力も刺激する、簡単な「見立て遊び」を教えてもらいました。
「お話を作ろう!身近なもので見立て遊び 」
子どもの頃の僕にとってボールペンはとてもカッコいいものでした。クリップの付いているものやキャップの大きなものなどは、まるで宇宙船のようで、想像力を駆り立てられたのを覚えています。
今にして思えばこれはボールペンを宇宙船に見立てるという遊びの一種。「見立て遊び」は原始的な遊びのひとつで、あるものを別のものに見立てることで遊びが広がります。想像力や記憶力を育み、言葉を身につけ、自ずと友人との関係も深くなっていきます。
今回は身近なものに”一筆”加えて、オリジナルのストーリー作りを楽しみましょう。3歳くらいから遊べますし、小学生でも楽しいはず。
まずは家にある目についたものを無作為にいくつか集めましょう。画用紙に収まるくらいの大きさのものが良いと思います。
それぞれよく観察します。観察のポイントは「何に見えるかな?」という視点。似ているものを探す感じで良いと思います。ピンときたらそのものを紙の上において、シーン等を書き加えてみてください。上手い下手は気にせず簡単な線画で十分です。
ペンの背景に星空を描くと、まさに宇宙船でしょう?
これを繰り返すだけでも十分に楽しい遊び。「これは何?」と尋ねる感じで、たくさん会話をしながら遊んでください。
フォークはチビ悪魔の持つ槍。果物の梱包に使われるネットはプリンセスのスカート。マスキングテープは穴、何かがこちらを覗いている。潰れたペットボトルは氷の大陸。レンゲはアヒルに。どうやれば良いかわからない子どもも、ママが遊んでいると次第に要領を得ると思います。
色々なものを見立てて遊んだら、それぞれの絵の関係性を考えてお話を作ってみます。並べる順番でも話は変わります。まだよくわからない小さな子どもには、大人がお話を作って聞かせてあげてください。
例えば先ほどの絵からは、こんな壮大なストーリーが生まれました。
5歳の娘は1枚の絵の中に様々な要素を入れてました。遊び場だそうですがここにもストーリーがあります。
見立て遊びもお話作りも、創造性や表現力を養うものであると同時に、この遊びでは絵と絵の関連性を自分で考えて、順序やつながりをきちんと理解しながら物語を作り出していくので、論理的な思考もしているだろうと思います。
できるだけ楽をして、ちょこっと楽しみたい!という場合はスマートフォンで写真を撮るのもおすすめ。最近のものならカメラアプリの編集機能も充実していますから、落書きができる機種が多いと思います。撮影したものを様々に見立てて、写真に直接書き込むだけでも十分楽しめます。絵に自信がなければ棒人間などのカンタンなものでも面白い!
遊んでみた様子は、ぜひ#takeruide #VERYこども遊び研究所 のハッシュタグをつけてInstagramにアップしてくださいね!
\教えてくれたのは/
◉井出武尊さん Takeru IDE
2004年東京藝術大学先端芸術表現科卒業。子どもと遊びの企業にて多数のプロジェクトに携わり、15年以上にわたって子どもの遊具や遊び場のデザインを手がける。幼少期における表現活動の重要性を感じており、遊びのプログラムの開発、ノウハウの提供、情報発信などに幅広く従事。子どもの表現教育のためのミュージアム設立が目標。2021年1月現在、5歳の娘と毎日遊ぶ様子がSNSを通じてママたちの関心を集めている。Instagram:@takeru_ide