古田新太×松坂桃李インタビュー|お互いの好きなところは?

2回にわたってお届けしている古田新太さんと松坂桃李さんのインタビュー。後編では923日に公開される話題の映画『空白』で実写映画初共演となるお二人に、お互いの好きなところを3つあげてもらいました。

「桃李の好きなところは〝顔〟〝声〟〝仕事に対する姿勢〟」(古田さん)

――まず、古田さんが松坂さんを

――まず、古田さんが松坂さんを好きなところを教えてください。

松坂 ははは()

古田 “声”と“顔”と“仕事に対する姿勢”。

松坂 ありがとうございます(照れ笑い)。

古田 二人で(声の)共演をした映画『パディントン』の時、すごく可愛い子熊の声だったので、ああ面白いなと思って。いい声優さんだなと思いました。

松坂 嬉しいです。

――古田さんは声のお仕事もお好きと伺いました。

古田 大好きで声優の仕事もいっぱいやってるんですけど、『空白』のパンフレット読んでたら、吉田監督が台本を書いてる時の添田のイメージはソン・ガンホだと言っていて。オイラ、スパイものの『JSA』の日本版でソン・ガンホの声やってるんです。たぶん吉田監督は知らないで言ってるんだと思う。

松坂 へえー。すごい偶然ですねー。

古田 というのも込みで、『パディントン』の声も桃李とは知らないで観てたら、最後のロールに松坂桃李ってあって、「えっ! これ、松坂桃李なんだ!」ってなる。そういう声優が、素敵な声優だと思う

松坂 ありがとうございます。嬉しい。

古田 よくあることなんですけど、「あ、この声あの人だ」って気づく時があるじゃないですか。オイラは声優をやってる時、なるべく気づかれないようにと思っていて。『パディントン』の時の桃李は素敵だった。これは気づかれないぞって思った。

松坂 嬉しい!

――“顔”が好きという理由は?

古田 “顔”はね、きれい。

松坂 ありがとうございます。

古田 顔は、きれい。オイラは男の人でも女の人でも顔がきれいな人が好き。アイドルとか女優さんとかモデルさんとか、みんな顔がきれいって職業だと思うから。個性的っていう誉め方もそういう職業もあると思いますけど、オイラはどちらかというときれいな人を見てるほうが楽しい()

――“仕事に対する姿勢”については?

古田 いろんなジャンルの映画に出るじゃないですか。ぶっちゃけ、NGはあるの?

松坂 ほとんどないですね。 

古田 オイラ、NGのある俳優が苦手

松坂 はははは()

古田 監督にNOといえる俳優も。すべてYESで「これ、できます?」「はい」ってやれる人が一番カッコいいと思う。

松坂 最強ですよね。

古田 桃李はそういう俳優さんだなと思うので、そういう姿勢はいつまでも持っていてほしい。監督のイエスマン。

松坂 はははは()

古田 最高の俳優だと思う。で、「できます!」って言ってケガをす()

松坂 「できねえじゃないか」って()

古田 「できると思ったんですけどね~。おかしいっすね~」って()

「古田さんの声がすごく好きです」(松坂さん)

――では、松坂さんが古田さんの

――では、松坂さんが古田さんの好きなところを教えてください。

松坂 今作で地方ロケに行った時の話ですが、いろんな職種の方と交われる“コミュニケーション能力の高さ”がすごく素敵だなと思いました。あと、僕も同じで“声”なんですよ。古田さんの声がすごく好きで――。3つめはすごく“観察力がある”こと。それは人に対しても世間に対しても、お話を聞いていて観察力があるなあとすごく思いましたね。

――古田さんの“声”はどんなところが好きなんですか?

松坂 それこそ『パディントン』で子熊のパディントンの声をレコーディングする時、お父さん役の古田さんの声が先に入っていたんですね。その声にすごく温かみがあって、ヘッドフォンから流れてくる声を聞いた時、「このお父さん好きだなあ」ってすごく思ったんです。最初はパディントンに対して距離のある感じだったのが、事件を経てちょっとずつ近くなって、最後は家族として受け入れるという。あの温かみのある声が僕はすごく好きでした。


――今回の映画『空白』の関係性は、『パディントン』とは全然違いましたね。

松坂 全然、違いますよね。

古田 それができるのが、俳優というお仕事だと思うから。それを受け入れられる人が俳優だと思う。桃李は顔がきれいなくせに()、そういうお仕事に対する姿勢があるから素敵だなと思う。

松坂 いやいやいや()

古田 声の仕事って、俳優さんとか歌手をやってる人と一緒になる時はオイラが最初に収録することが多い。録音に慣れてる人が先に入れたほうが、あまり声優をやったことがない人がやりやすいからって。

松坂 おかげさまで、めちゃめちゃやりやすかったです。

――“観察力”についても、もう少し、そう思う理由を教えてください。

松坂 今日の取材で古田さんのインタビューを聞いてるだけでも、人に対する観察力はすごいですよね。誰を想像しながらこの毒を吐いてるんだろうとは思いましたけど(苦笑)それだけいろんな人のことを観察してるし、世間に対する俯瞰の目を持ってることを実感しました。またそれをスパッと自分の言葉で言えるのがカッコいいなあと、今日一日通して思いました。

古田新太

65123日生まれ 兵庫県出身 血液型O型●劇団☆新感線の看板役者。劇団での活動と並行して、多くの映画やドラマ、バラエティ番組などで活躍。最近の主な出演作は映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』、ドラマ『小吉の女房』『半沢直樹』『エール』、舞台Yellow 新感線『月影花之丞大逆転』、ミュージカル『衛生』〜リズム&バキューム〜など。声の出演も多く『パディントン』シリーズでは、パディントン役の松坂桃李と共演。『 関ジャム~完全燃SHOW~』(テレビ朝日系)にレギュラー出演中。

松坂桃李

881017日生まれ 神奈川県出身 血液型A型●’09年『侍戦隊シンケンジャー』で俳優デビュー。以降、映画、ドラマ、舞台に活躍。様々なジャンルの話題作に出演し、’18年の映画『孤狼の血』で第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を始め、数々の映画賞を受賞。‘19年の映画『新聞記者』で第43回日本アカデミー賞最優秀男優賞を受賞。最近の主な出演作は映画『あの頃。』、ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』『あのときキスしておけば』、映画『いのちの停車場』など。主演映画『孤狼の血 LEVEL2』が公開中。映画『流浪の月』(’22)『耳をすませば』が公開待機中。

『空白』

(C)2021「空白」製作委員会

スーパーで店長に万引を疑われ、追いかけられた女子中学生が逃走中に車にひかれて死んでしまう。少女の父親はせめて娘の無実を証明しようと店長を激しく追及するうちに、その姿も言動もモンスターと化し、関係する人全員を追いつめていく。父親・添田を古田新太、スーパーの店長・青柳を松坂桃李が演じる。他の出演/田畑智子 藤原季節 趣里 伊東蒼 片岡礼子 寺島しのぶ 監督・脚本/𠮷田恵輔 ●923(木・祝)全国公開

撮影/平井敬治 ヘアメーク/田中菜月(古田さん) AZUMA(松坂さん) スタイリング/ 渡邉圭祐(古田さん) カワサキタカフミ(松坂さん) 取材・文/駿河良美 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)
<古田さん着用分>シャツ¥27,500(サンサーフ/東洋エンタープライズ ☎03-3632-2321)パンツ¥27,500(サイト/ヨウジヤマモト プレスルーム ☎03-5463-1500)キャップ、Tシャツ/スタイリスト私物