BiSH連載第6回|アユニ・D×廃墟「“人見知り” という言葉にすがっていただけ」

メンバーひとりずつを、パーソナルに沿ったテーマとファッションで撮影する“楽器を持たないパンクバンド”ことBiSHの連載。第6回は、アユニ・Dを怪しい雰囲気が漂いまくる廃墟にて“らしさ”全開で撮影しました。

アユニ・D×廃墟

カットオフTシャツ ¥8,580、ブラウス ¥5,940、ジャージスカート ¥24,750/すべてA NINCOMPOOP CAPACITY(☎03-6434-9033)

廃墟は未知だらけで想像力を刺激されます

──廃墟での撮影はどうでしたか?

廃墟は好きだけど、意気地なしだからひとりじゃ行けないんですよ。だから連れてきてもらえてうれしかったし、楽しかったです。可愛い服を着て、素敵なメイクをしてもらって廃墟にいるアユニ・Dを写してもらいました。

──廃墟で撮影していると、どんな感情がわき上がるんでしょう?

異世界感が味わえるというか、今まで過ごしている世界じゃない特別感がありました。廃墟にあった時計も壊れていて、今が何時かわからないし、視界も時空が歪んでいる感じがして。

──霊的なものは感じましたか?

はい。男の人の霊がいたので、(急に稲川淳二の口調を真似しながら)怖いなー怖いなーと思いながら話しかけてみたら……編集さんでした(笑)。

──なぜ廃墟が好きなんでしょう?

想像力を刺激されるんです。昔はそこで何が行われていたのか、何年かかって今の状態になったのか、廃墟は未知のことだらけなので。昨日、誰かがここにいたかもしれないなとも思うし、ここで映像を撮ってみたいなって考えたり、一日だけ廃墟で生活したら何かに襲われるのかなか、そんな感じですね。普段も夜道を歩いていて、曲がり角からゾンビが出てくるんじゃないかって想像すると怖くて楽しいし。

──それは、子どものころから?

中学生のときに、ちっちゃい嫌なことがいっぱいあって、性格が暗くなったタイミングからですね。その前は、四六時中鬼ごっこをしていて、肌も真っ黒だったんですけど、どこでどう踏み外したのか覚えがないし、もう引き返せないと思ってます(笑)。

──そんな今の自分は好きですか?

好きだけど、嫌いです。うーん、根本的には嫌いかな。明るくなったって言われるけどそんなことはなくて、ヘタレな部分は全然変わってないので。変わらないですね、なかなか。

──自分が嫌いでも、なかなか変わらなくても、日々楽しく生きてはいる?

そうですね。逆にそこは変わったところかもしれないです。今は、日々楽しく生きようと思うようになりました。前は毎日グチばっかで、今思うと、最低最悪ガキ女でした(笑)。でも、今は楽しいのがいちばんだなって。

──そう思うようになったのは?

ここ最近です。別に大きなきっかけはないんですけど、メンバーや周りの人の言葉にハッと気づかされることが多くなったんですよね。例えば、今までの自分は”人見知り”という言葉にすがっていただけで、もともと人間はみんな人見知りの部分があるし、だったら”人見知り”という言葉にすがって他人から逃げるか、出会いを新しい縁だと捉えて相手とちゃんと向き合うかの違いだなって、ある誰かの言葉で気づかされたり。いろんなことに気づくようになってから、毎日を楽しもうという気持ちに変わっていきました。

──読者には、理想の自分になりたいと努力している女の子が多いです。

私もコンプレックスは死ぬほどあります。でも、今は自分で自分を肯定しなきゃやっていけないっていうことに気づいたので、全然ダメダメなんですけど、今の自分は間違ってないと思い込んで、なんとかやっております。だから、自分がいちばん楽しいと感じる、いちばん可愛いと思う服とメイクを纏って、やりたいようにやるべき。それで失敗しても笑い話になるし、人はいつか死ぬし。くじけないように無理せずがんばりつつ、自分で自分を信じよう! 以上です(笑)。

──ところで、最近のBiSHは?

いい感じですよ。支え合って、笑い合って、泣き合って、傷つけ合って、守り合って生きてます。最高です。

●アユニ・D

10月12日生まれ。北海道出身。BiSHの「僕の妹がこんなに可愛いわけがない」担当。自身がベースボーカルを務めるソロバンドプロジェクト「PEDRO」のツアー「SENTIMENTAL POOLSIDE TOUR」を開催中。
公式Twitter:@AYUNiD_BiSH

●BiSH

2015年3月に結成。メジャー4thアルバム『GOiNG TO DESTRUCTiON』が発売中。
公式HP:https://www.bish.tokyo
公式Twitter:@BiSHidol

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Photo_Kaoru Mochida Styling_Yu-ya Hair&Make-up_Raishirou Yokoyama Text_Kazunori Okubo Edit_Yuta Tsutsui