【大人のベーシック名品】ジル サンダーに「一生ものジャケット」あり

人気スタイリストの長澤実香さんに、NAVY読者がもう少し深く知っておくと、もっとファッションが楽しめそうなブランドをフォーカスしていただき、毎月紹介していく連載、BRAND NEW STYLE styling by MIKA NAGASAWA。今回ご紹介するのはジル サンダーのジャケット。ブランドのアイコン的アイテムとして絶大な人気を誇るジャケットは、長澤さんも大ファンという名品。

この先の10年を
見据えて買いたい
ニューベーシック・ジャケット

ジャケット¥310,200(ジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤージル サンダー/ジルサンダージャパン)
私のワードローブに欠かせないアイテムの筆頭がジルサンダーのジャケット。もう何年も愛用していますが、シルエットが抜群に美しく、トレンドや年齢に関係なく着られると実感しています。デザイナーがジル本人だった頃から、仕立ての良さは随一。現在のクリエイティブ・ディレクターであるルーシー&ルーク・メイヤー夫妻が手掛けるジャケットも、着心地の良さと計算されたシンプルさに加え、「何かが違う」と思わせる拘りをそっと忍ばせているようなデザインで、とにかく格好いいんです!
 今回ご紹介するジャケットも、一見とてもベーシック。でも、よ~く見ると、袖が筒形のままではなく、あえて正面に直線のラインがでるよう、平らにプレスされているんです。着ると袖がケープのようになりほんのりモード感がありますし、肩掛けした時には袖がすとんと真下に落ちて、本当に綺麗! そして、もうひとつの特徴が色。何色と特定できないようなニュアンスがあり、似たような色を探しても絶対に見つからないような、複雑に色がブレンドされているカラーなんです。シャツやニットを合わせてメンズライクに着こなしても素敵ですし、キャミソールやパールを合わせて、肩に羽織ればぐっと女らしく。シンプルだけれどひとくせあって、着る女性のキャラクターを立たせつつ、どう着こなすかで表情が変わるように考えられている。私にとって「ニューベーシック」と呼べるジャケットがまさにこれ。これから先の10年間も、きっとずっと着続けるだろうなと思えるのが、ジル サンダーのジャケットなのです。

ブランドの姿勢や丁寧なモノづくりは商品の品質の良さに繋がっている。そして、よいものは買ったその時から物語をつくり始め、次世代に受け継いでいきたくなるようなものになっていく―そんなモードの始まりの在り方を、人気スタイリスト長澤実香さんと考えていきます。

滝沢眞規子さんが着こなす「アレキサンダー・マックイーン」

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photos Takanori Okuwaki(UM) styling MIKA NAGASAWA
edit & text MIWAKO YUZAWA design YOSHIRO KOBAYASHI
composition NORIKO NAGAYOSHI