青山祐子さん「子どもとルールを考える」~子育てワークショップから学び、我が家で実践 その2~
子供達の学校は5月末から2ヶ月半の夏休みに入ります。しかし、海外から香港への入境時に3週間指定ホテル隔離という厳しいコロナ規制が続くため、この夏も日本帰国を断念。その分、子供達にスポーツや海のレジャーに加え、新たな体験をさせたいと思っています。
3歳から参加できるゲームソフト作り、コーディング体験教室へ行ってきました。
コンピューターへの指示をパズルのように組み合わせ、ゲームやアニメーション動画を作ります。5歳の次男も自分でルールを考え、キャラクターを動かし、オリジナルのゲームを作り始めています。作ったゲームの動きを試しては、新たなルールを加え、より好きな形に近づけていきます。
コロナ禍に学校のオンライン授業で毎日iPadを操作してきた子供達にとって、自分でゲームや動画をデザインするコーディングはとても魅力的なようです。
”自分でルールを考える”
それは、子ども達の日々の生活にもとても大切なことです。
前回の連載で、学校カウンセラーの子育てワークショップで学び、我が家で実践している一つとして、子供を怒らないで正す方法をお伝えしました。
今回は、”家族のルールを子供と考える”ことをご紹介します。
<家に帰ったら、靴を片付けて、手を洗う>
<家の食事の時に携帯電話やテレビを見ない>など、家庭内には子供達に守ってもらいたいルールがあります。
子供が4、5歳くらいになったら、家族集まってのミーティングを定期的に開き、
家族のルールを子供と一緒に話し合って作ってみるといいそうです。
忘れてはならないのは、家族の楽しいイベントも一緒に計画すること。
楽しいイベントがあると、子供達はその目標に向かって、自分たちで作ったルールを守ろうとするそうです。
ルールがうまくいかなければ、 再び子供と一緒に考えて修正します。
<朝なかなか起きられないから、10分早く寝る準備に入ろう>
<テレビゲームは勉強を終えて30分間。本を読んだらゲーム時間を追加して欲しい>
お兄ちゃんと私が相談して決めた個別のルールもあります。
親が勝手に決めたルールより、 子供は、なぜ必要かを理解して自分が作ったルールを守ろうとするそうです。できるだけ子供が判断して行動できるように、命令ではなく、タイミングを知らせ、自分から動くのを待ちます。
もちろん、毎回うまくいくとは限りません。日本語の塾の宿題は間に合わないこともあります。無理矢理やらせて日本語嫌いになると逆効果なので、子供のペースをみて、やる気が出た時に頑張らせています。
子供達の学校は、遊びの実体験から学ぶことを重視して宿題を出しません。
学校から帰り、子供が英語で絵本を書くのを楽しんだり、好きな本を読んだり、興味があることを自主的に取り組む姿を見ると、やらされる宿題とは対照的だなと感じます。
思春期になると子供と話をすることがさらに重要になってきます。
そのためにも、子供が小さい頃から親子で話し合える関係を築き、 一緒にルールを考え、自分で判断し行動できる責任感を育むことがとても大切なのだそうです。
大学時代の先生が、「ルールを作る立場になれ」と強く語っていたのを思い出します。オリンピックで勝ち続けていた日本柔道が、新たなルール作りの主導権を奪われ、世界のJUDOルールで戦いに苦しんだ時期がありました。
ビジネスの世界、社会、国際関係も同じです。
ルールを守ることは尊重されるべきです。
と同時に、時代の変化に合わせて新たなルール、仕組みが生まれる中、どうすればより良くなるか、ルール作りに関わる意識は大人の世界でも大事だと感じます。
次回も学校カウンセラーの講座から得た子育てのヒントをご紹介します。